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2021年05月02日18:00

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小説「青の炎」貴志祐介

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あらすじ
櫛森秀一は、湘南の高校に通う17歳。
女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。
その平和な家庭を踏みにじる闖入者が現れた。
母が10年前、再婚しすぐに別れた曽根だった。
曽根は秀一の家に居座り、母の体のみならず妹にまで手を出そうとしていた。
警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意する。
自らの手で曽根を葬り去ることを・・・・。

殺人は許されるべき行為でないが、櫛森秀一の殺人は許されるべきだと思う。
曽根があまりにもクズ男で、彼に殺意を持つ秀一の気持ちがよく分かる。
曽根のせいで家庭がめちゃくちゃで、秀一は決意せざるを得ない。
秀一が殺人に至るまでの過程、殺人を犯してそれに慄く心境が凄く丁寧。
お陰ですごくリアリティがある。
そして終盤に差し掛かった時、あまりのやりきれなさに泣いてしまったほどだ。
何て哀しいやりきれない作品なのか。
でも癖になる面白さで、何度も再読しているほど、大のお気に入りなんだよね。
貴志さんの作品の中で一番好きかな。


おすすめ度 ☆☆☆☆☆
やりきれなさ ☆☆☆☆☆

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