mixiユーザー(id:16919268)

2021年04月29日08:52

116 view

ユウタンの話

はい、こちら「コンビニパスタは箸で食べる」というマイルールを持つ葉桜です。

先日、ファミリーマートでミートソースパスタを買ったのですが、「フォークでいいですか?」と言ってくれた店員さんに対し、「お箸お願いします」と言いたかったのですが、寝ぼけて「スプーンお願いします」と言っていたらしく、気が付いたら店員さんがマスクをしていても分かるくらい困惑した表情でフォークとスプーンを両手に持ってこちらを見ていました。
すぐに「あぁ!ごめんなさい!寝ぼけていました!お箸、お箸をお願いします!」と慌てて謝ったのですが、店員さんは「もしかしたらまだ寝ぼけているのかもしれない」と思ったのか、お箸とフォーク両方を入れてくれていました…。
ほんとすみません…。ありがとう、あなたとコンビニ、ファミリーマート…。


さて今回は私の友人、ユウタンの話です。

ユウタンという呼び名だけ聞けば、どこの新人アイドルかと思わしき可愛いネーミングであるが、ユウタンは私の5歳年上の男性で、もう立派なアラフォーである。

アラフォー男性にユウタンという呼び方はいささか不適応かとも感じるのだが、この呼び名にはちょっとした歴史があるのだ。

最初、私は彼のことを「ユウさん」と呼んでいたのだが、彼の「『さん』付けはしっくりこないからやめて」という申し出により、「ユウ」としばらく呼んでいた。
しかし今度は私のほうが「ユウ」という呼び方がしっくりこないとクレームを入れ、折衷案として『ユウタン』になったのである。


毎年、元旦に「あけましておめでとう。今年もよろしくね」と互いに連絡をしあっているのだが、ユウタンは毎年「僕の今年の目標は嫁を見つけることです!」と言い続け、早5年が経過している。
「今年こそは伴侶を見つけるよ!僕ももう〇歳だからね!」という〇歳の部分だけが年々変わっていっているだけで後はほぼ定型文となっており、近年ではもはや風物詩のように「お、ユウタンが嫁を探している。もうそんな季節か…」としみじみと季節のうつろいを感じている。

そういえば、私と仲良い子は独身の子が多く、私は自分で「葉桜さげまん説」を密かに唱えていたのだが、それを冗談半分でユウタンに告げると悲鳴にも似た声で「やめてよー!やめてよぉー!!」と本気で嫌がっていた。
ユウタン、彼女いない歴、今年で5年。葉桜と知り合って今年で5年。
これは果たして偶然なのでしょうか?
ユウタンよ。来年も「今年こそは伴侶を…」と定型文唱えることになったら、それは私のせいかもしれん。
そうだったら、ごめんなさい。


ユウタンとは、とあるチャットサイトで知り合ったのだが、ユウタンと知り合って仲良くなっていく約1年の間に、葉桜が当時付き合っていた彼氏と「連絡先を渡されて遊ぶようになって告白されて付き合って喧嘩して別れて、そのあと健康診断でひっかかって入院が決まった」という恋愛の一連の流れプラスアルファを付き合わせる羽目になってしまった。
故意的ではなかったとはいえ、出会って早々なかなかに面倒くさいことに付き合わせてしまったのだが、そのあいだに友達やめてさっさとフェードアウトもできたはずなのに、なにかあるたびビービー泣いていた私を一生懸命慰めてくれたユウタンには感謝である。

別れてから「昼間はなんとか耐えられるんだけど、夜になると寂しくなってしまう」といって毎晩涙を流す私に、当時家庭菜園を趣味にしていたユウタンは自慢のミニ野菜の写真を撮って私に送り付け「ほら、はざっち。トマト見て元気出して」と慰めてくれたのだが、失恋の悲しみは深く、ユウタンのトマトでは元気は出なかった。
でも気持ちは嬉しかった。ありがとう、ユウタン。


しばし彼女のいないユウタンだが「彼女ではないがよく連絡を取り合う女の子」がたまに現れることがあった。ただ、どの子も心の傷が多種多様な人材ばかりなのである。
最近では「幼少時代にトラウマ持ち、クラブがご趣味のタトゥー入りネグレクト寸前シングルマザー(彼氏募集中)」と仲良くなっていた。
その子にもアスパラだのピーマンだの写真を送っているのだろうか。
ユウタンは病み気味の女の子を求めているのだろうか。
5年前、私が病んでいたから仲良くしてくれたの?と思いつつ聞けずにいる。


そんな心優しいユウタンが、ある日「なんか元カノが久しぶりに会おうって言ってきてるんだよね」と言ってきたときは、思わずはしゃいでしまった。
ニヤニヤしながら「え、それってヨリを戻そう的なヤツなんじゃないの」と言うと、ユウタンは照れたように「えー?まぁ、よくわかんないんだけどさ」と答えたが、どうもまんざらではなさそうだった。

だがいざフタを開けてみれば、当日元カノは現在交際中の彼氏とともに現れ、ユウタンは元カノと、その元カノの今カレと、ユウタンの3人で『謎の3者面談』を開催する羽目になったらしい。
その話をユウタンから聞いた時、私はあれほどお世話になったユウタンの前で、けたたましく声を上げて大爆笑してしまった。


自分の元カノとの3者面談を爆笑されたときには別に怒ったりしなかったユウタンだったが、一度だけ喧嘩みたいなことをしたことがある。
先述のとおり、私は2度の入院が決まり、なんとなく受けた検査だったのに入院だ外科だと言われて不安になり毎晩メソメソしていたら、ある晩ユウタンから「そんなこと考えたって仕方ないでしょ」とお叱りを受けた。
「入院が不安だ、外科が不安だって言ったって仕方ないでしょ。結果が良くてもダメでもその時はその時じゃん。死ぬときゃ死ぬんだよ」とまで言われた。
それまでメソメソ泣いていた私だったが、少々きつい言い方をされ(おまけにその時ユウタンはまあまあ酒を飲んでいた)涙は止まり、さきほどまでの落ち込みはどこへやら「そんな言い方しなくたっていいだろ、この酔っ払い!」と怒鳴り散らした。

「入院だって言われて不安に思うことがそんなに悪いか!」
「毎晩毎晩うっとおしいんじゃ!」
「お前に私の気持ちがわかるもんか!」
「僕ならありのまま事態を受け入れる!!」

片や酔っ払い、片や酒は飲めないけれど常に酔っぱらったような思考の持ち主の喧嘩は売り言葉に買い言葉で、どんどんヒートアップしていった。

翌日まあまあ大きな検査のため、病院の検査室で待ちながら「ちくしょう、なんであんなこと言われなきゃならないんだ」とシクシク涙を流していたら看護師さんから「大丈夫ですか?不安ですよね…?」と優しく声をかけていただいたのだが、まさか「いえ、昨晩酔っ払いと喧嘩して泣いているのです」とは言えなかった。


そんな大喧嘩のわずか1週間後、私の入院を待たずして、ユウタンが持病の気管支喘息で緊急入院になったと知らせを受けたときは「伏線を回収してきた…!?」と驚愕した。

「ありのままの事態を受け入れる」という宣言通り、ユウタンは狼狽することなく、「あの夜は飲みすぎてた。ちょっと言い過ぎたよ」という謝罪の言葉と、売店で買ったおやつの『男のチョコプリンBIG』の写真を送ってくれた。

私も連日愚痴を聞かせてしまったことを謝罪し、「大丈夫?」と聞いたら「心配かけてごめんね。僕、ヘビースモーカーだからさー」と答えが返ってきた。
そのときユウタンは家庭菜園のマイブームが過ぎ去っており、残ったのは「酒とタバコとぐうたら寝」という不健康かきあつめましたみたいな趣味だけだった。
「お医者さんにたっぷり叱られちゃったよ」と言っていたユウタンだったので、私はてっきり禁煙ないし減煙をするのだと思っていたのだが、ユウタンのとった健康対策は『とても良い空気清浄機を買う』という荒業だった。


常人にはない発想をするユウタンに対して、私は若干の皮肉を込めて「尊敬するよ」と声をかけたところ、「僕が1番尊敬しているのは葉桜っちだよ」と言われた。
ちょっと意外だったので「どこを尊敬してくれているの?」と尋ねたところ、「本を読むのが早いところ」と返され、「え、地味すぎません?」と少々モヤモヤした気持ちを抱えているものの、互いに尊敬しあっているユウタンとはこれからも仲良くしていきたい次第である。

1 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する