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2021年04月26日16:52

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記事メモ】保育園における動物倫理(「はじめての動物倫理学」読書感想)

転載メモ。

保育園における動物倫理(「はじめての動物倫理学」読書感想)
https://note.com/nishika/n/n926a4fd590d6

肉食・畜産においては、環境への悪影響、食糧問題も大きな観点として論じられている。しかし、ならば環境への負荷が少ない鶏に切り替えればいいのでは、というとそういうわけには行かないと話す。
なぜならば「食肉生産には環境負荷だけではなく、動物自身の倫理的取り扱いという、同じように重要な問題もあるから」だ。

ここで書かれた食肉生産の事例はどれも目を覆いたくなる事実である。
一例を引用する。
「現在のブロイラー(肉用鶏の品種)は極限的な品種改良によって驚くべき速度で急激に肥大化し、信じられないほど早く出荷できるようになっている。孵化から実に二月と経たずに成長のピークに達し、食肉加工されてゆくのである。(略)急激に巨大化した自らの上半身にか細い脚が耐えきれず、立ち上がっただけで自らの重みで骨折してしまう鶏もいる。そして人間であればまだ幼児にあたるような早い時期にその生命が絶たれる。」

そのストレスは甚大で、お互いに嘴(くちばし)で殺し合ってしまうため、あらかじめ嘴を切り落とすこともするそうだ。嘴には神経が集中しているため激痛が伴うが、コストを考えて麻酔などしない、と著者は話す。

このように「虐待的な飼育が常態化している」食肉生産を経て、届いた肉を調理し、子どもたちに給食として提供する。
おいしいハンバーグやからあげ、カレーに入ったお肉を子どもたちは美味しいと言って食す。

ぼくはそばにいる大人として、子どもたちと食卓を共にする。
コロナのため少しだけ離れたその席でひとり、肉の生産現場をイメージしながら、ごめんね、と思いながら肉を食べている。

(略)

保育園は、動物倫理の観点から見れば、実はけっこう残酷で、子どもたちの笑顔が狂気の沙汰に見えると書いた理由が少し理解してもらえたのではないか、と思う。

ただ、ぼく自身は実は肉食自体が全て悪だとは思わない。勉強になったのは「食とアニミズム」という研究プロジェクトのサイトだ。

https://food-animism.com/011

肉食のルーツである遊牧民の歴史を紐解く。そこには動物の命と自然と食と切っても切り離せない関係性があったと読み取ることが出来る。これは、肉食の本来の姿だろう。ぜひ一読してみてほしい。

このサイトの最後にあるように、
「問題はつまり、肉か野菜か魚か、という素材の問題ではなく、物質的に切り離された環境下で、大量に工場生産的に、食べものが製造されるという行為そのものにある(引用)」のだと思う。
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