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2021年04月24日06:37

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退院は近いが

 妻がまた来た。もちろん呼んだから来たので、呼ばなきゃ面倒くさがって来ない。妻からすらモテない寂しい爺さんなのである(今さらモテたいのかよ)。
 妻にわざわざ来てもらったのは、腎移植の話を病院のコーディネーターに聞くためだ。透析を始めたばかりだが、今はともかく、将来的には血管が持たなくなる可能性もあるので、腎臓を誰かから貰う手続きもしたらどうかと看護師さんから勧められていたのだ。
 これには妻が異常に乗り気になっていて、「妻のをやるよ!」と明日にも腎臓を片っ方、埋め込まれそうな勢いなのだが、そんなに簡単に行くものではない。
 今は血液型が違っていても、免疫薬で拒否反応を軽減できるらしくて、それは問題ではない。問題は、妻が癌に罹っていることである。癌治療中、また癌治療を終えた者でも、転移の可能性がある者は生体移植は認められない。妻のはもらえないのである。

 残る可能性は見知らぬどなたかのご遺体から腎臓を貰う方法であるが、はっきり言えばこれは「果てしない順番待ち」であって、担当医の話によれば、平均で「15年」は待つことになると言う。
 その頃には、私は70歳を超えている。腎移植は全身麻酔をかけて、都合6時間はかかる大手術になるので、体力の無い老人にはかえって命を縮めるリスクを伴う。登録だけならできますが、どうしますか、と聞かれたので、登録だけでもお願いします、と答えた。
 要は順番が回ってきた時の体調次第だ。私の望みは、一分一秒でも長く妻と一緒にいたいということなので、その時に体力があれば手術を受けるし、なければ諦める。それはその時に判断できるだろうと思ったのだ。でも体は問題なくても、ボケてたら無理だわね。
 妻は自分のが使えないと分かって残念な様子であったが、何が残念かって、基本、こいつはただの「イベント好き」なので、「妻が夫に腎臓提供」という滅多にない経験をし損なったのが残念なのであろう。夫への気遣いはそんなには無い。
 まあ、後100年くらい遅く生まれてたら、クローン細胞を移植して命を長らえることもできたかもしれないが、これこそ天命だから致し方がない。

 妻は保険会社からの診断書も貰ってきていたので、病院の事務に提出する。申込書へのサイン、本当は私がしなければならないのだが、相変わらず目眩が激しくて、指先が震えているので、マトモに字が書けない。妻に代筆してもらったが、実は妻も日ペンの美子ちゃんに習えよと言いたくなるくらいの悪筆なので、たいして違いはないのである。
 障害年金の申込みのために、まだまだ書類を書かなきゃならないのだが、休み休みでも書けるかどうか。入院しててもゆっくり休めるわけじゃないのだよなあ。

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