2021年3月31日、俺の勤務医人生最後の日。
昨日は最後の手術をし、今日は外来終了後に職員証やロッカーのカギ等を返却、午後5時の勤務時間終了を以て、俺の勤務医人生は幕を下ろした。
コロナ禍で送別会のない、実に静かな終わり方。
酒が飲めず賑やかな所が苦手な俺にはちょうどいい。
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ちょうど30年前、念願の医学部合格を手にし、夢と期待に満ちた医学生となった。
留年、国試浪人することもなく無事6年で医師免許を取得、その時俺はギリギリ20代の29歳。
研修医時代はとにかく辛いことばかりで、精神を病みそうになったことも。
でも歯を食いしばって「今日1日だけでも頑張ろう」と自分に言い聞かせて、毎朝病院へ行っていたことを思い出す。
最初の4年間はそんな毎日だったが、めげずに勉強を続けたおかげである程度の技術が身につき、5年目に一人医長ができるようになった時は一番楽しかった。
6年目には離島の総合病院への出張を命じられ、1年間一人医長で頑張った。
専門医の資格を取ったのもこの時。
離島での生活なんて実に貴重な経験をさせてもらえて、人生に彩を添えられたな。
思い出すことは色々あるが、これで一区切り。
いい勤務医人生でした。
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