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2021年03月28日01:37

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「声優になる夢」諦めた39歳男性の消えない後悔

この記事。

「声優になる夢」諦めた39歳男性の消えない後悔
https://toyokeizai.net/articles/-/418512

夢じゃダメなんですよ。現実目標じゃなくっちゃ。
夢は過去に見たもの。これからの物は目標。

という自分の哲学は置いといて。

私は人のことを言えない。漠然とした「こんな自分の意思のない将来でいいんだろうか」って疑問を捨てきれないまま企業の歯車になっていた人間です。声優になりたいという目的を持って努力した人の後ろ指を指すのはそのまま自分へ後ろ指を指すことになる。

ただ、だからこそ人と同じことをしていてはうだつが上がらんと言うことは思い知っております。残念ながらこの記事の彼はそこに気づけなかったよう。

コンビニでバイトをしながら声優の専門学校へ行ってデビューを目指すと言うのはある程度のテンプレでありましょうが、テンプレに乗っていては容姿や歌唱と言ったプラスアルファを持った人にはかなわない。声優がプラスアルファの必要のない職業だったのは80年代前半で終わっていて現在は芸能人になるのと同等のこと。

また、声優に限らず仕事と言うのはたくさんの他社スタッフさんと緊密にやり取りをして仕事をしなければいけないコミュニケーション能力がいる。特に声優さんは事務所所属しても半ばフリーランスのようなものだから仕事はある程度自分で切り開いていかねばならない。

テンプレのレールに乗っていれば自然と思った自分になれるなんてことは一切ない。そのレールに乗るには他人の持たない何らかのアドバンテージが必須と言う特殊切符がいる。

彼はそれをわかっていなかったのでありましょう。そらぁ仕方ない。自分が18の時もわかっていなかったよ。自己分析は社会に出てから初めてできる物だと思うのですが、そこを言ってくれる人って案外少ないのよね。

自分は30を過ぎてから転職を決意しましたが、そこから3年近くの時間をかけて準備しました。お金をためることももちろん準備の一つですが、もう一つ、転職後にプロとなった際具体的に自分は何で他人よりも秀でて仕事を得られるかをじっくり考えアマチュアなりに試行錯誤していました。

そらぁ最初は私もWebデザイナーになりたかったですよ。イケてる花形デザイナーになりたかったですよ。でも現実はこう。
「美術系の学校を出た20才そこそこの兄ちゃん姉ちゃんとアートで勝負しなくちゃならん、でもそこで製造業の計画部にいた30代も半ばになったおじさんとではもうスタートラインにも立たせてもらえないよな。」

そこで美術学校出の兄ちゃん姉ちゃんは絶対に持っていない自分のスキルは何かって所を考え、幸運にもその面でプロと認められて生活のできるレベルで仕事を任されることになったわけですが、そこを「デザイナー」のテンプレ通りに美術学校に通ってプラスアルファを持つ人と同じレール乗っていたのではこのコラムの兄さんと同じ道をたどったことになったはず。

このコラムでは「声優」と言う花形職業を引っ張り出して夢破れたようなタイトルになっていますが、記事後半を読むとこの兄さん、声優以前にそもそもの社会人としての資質の面から少し考えなければいけない方のようです。

その点においても自分も一方的にダメ出しはできません。ひょっとしたらそうなっていました。ただ私の思春期を左右した某漫画家氏の言葉が気づかせてくれました。
「アニメ専門学校と言う社会不適応が集まる場所」
氏は自虐的に表現していましたが自分もオタクだったからこそそれがわかりましてその氏のその言葉で目が覚めたんですね。あぁ自分もこっちの人間だなと。

この言葉に触れることができたのは幸運でありました。あそこでオタクはオタクとしてオタクの仕事に就いちゃいかんと言う考えを持てたからこそ何とか今までやって来れたのかなとも思います。

顧客からの希望ラフデザイン「こんなデザインでお願いします。」
⇒本音:「うわ!だっさ!」
⇒返答:「はい。」
オタクとしては世に出すのは恥ずかしいデザインでもプロならば客の望みをかなえてこその報酬となります。この割り切りは絶対に必要。

ツイッター上では彼を理解し諦めるなと応援する声が多いのですが、私も理解するからこそ彼は声優には最初からなれなかったと思います。諦める諦めない以前に、無理です。オタクがオタクとして仕事に就こうとしては一番ダメなタイプの人間です。

でもアニメ以外の場所で勉強をして人に師事して道を開く時間はまだある。39歳職歴なしでは就職も無理なので何かの職人になる以外ないですがオタク気質は職人向き。まだ時間はあるからそこに気づいて欲しいなと。

ストレスからの暴飲暴食も自分も経験してます。わたしは90キロを超えた時点で自分の心の異常に気付いて2年仕事を休んで体重も70キロ台前半に戻しましたが、本当にどうにもならんのですよあれ。夜中に眠れず布団の中でガタガタ体が震え始めていつの間にかフルパワーで歯を食いしばっていて、ものを食べることで血糖値が上がってやっと眠気が来るの。今考えるとあれ地獄よ。糖尿病にならんでよかったよ。でも、自分の心の持ちようで必ず立ち直れる。

彼にはまずオタクとしてオタクを俯瞰で見ることをおススメしたいね。
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