ひとりで作ったスーパーパペットアニメ

今夜はシネマロサ池袋で「ＪＵＮＫ　ＨＥＡＤ」を観てきました。

監督：堀貴秀

人形をコマ撮りして作るスーパーペットアニメーションで堀監督が独学で７年をかけて制作し、モントリオールで開催されたファンタジア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞を受賞した作品で、原案から全ての工程をたったひとりで行い、総コマ数は１４万コマにも及んだそうです。

物語は遺伝子操作により人類は長寿を手に入れたものの生殖機能を失い、地上が汚染されてしまい地下開発の労働力として人口生命体マリガンを創ったものの、マリガンが反乱を起こし地下都市乗っ取ってしまいます。
それから１６００年が過ぎ、マリガンは独自の進化を遂げますが、人類は生殖能力を取り戻そうとマリガンの調査を行う事にし、その調査員を募集しダンス講師のバートンが応募しますが、バートンはマリガンを攻撃した際の爆発により体がバラバラになり、地下都市に住む３バカ兄弟がドクター・ルーチ博士にバートンの首を届け、ルーチ博士はバートンを機械の体に移植します。
バートンは記憶を失っていましたが、巨大昆虫に飲み込まれて吐き出された後に、ウイルスにより人類は人口の３０％を失った記憶を取り戻します。

再び、調査に出るもののマリガンに追われ異様な生命体に追いかけられた挙句、バートンの体はバラバラになり、頭部が機械室のあるバルブ村にガラクタとして運ばれてきます。
機械室の住人に新たな体に移植されたものの、これがとんだポンコツでバートンの記憶は再び失われ喋る事すらできなくなり、ぽん太という名を与えられて、食料を取ってくる雑用を任されます。
腹黒い男に食料を騙し盗られたものの、男はクモのような巨大生命体に捕食されてしまいます。
途中で出会った少女ニコに食料を分け与えバートンはバルブ村に戻りますが、食料はすっから干からびてしまい住人に叱られます。

バルブ村は電気柵によって守られていましたが、電気柵が故障しマリガンが侵入してきます。
住人はハンターとして３バカ兄弟を呼び寄せ、兄弟はバートンを神と信じていてバートンの元の体を見つけるとバートンを修復します。
そして、凶暴なマリガンは生殖能力の復元に役に立たない事が判り、樹木に進化したヨーグルを探す事にします。
その後をニコと彼女を守っていたホクロが付いてきます。

マリガンが現れ、３バカ兄弟が携行してきた武器は通用しませんでしたが、体を大きくする薬を使ってマリガンと戦います。
地下の天井が崩れ、兄弟のうち２人が落命し、バートンは下半身を失いながらもマリガンを倒す事に成功します。
生き残ったアレキサンドルはバルブ村へと戻ってゆき、バートンはニコとホクロと共にヨーグルを探しに行くのでした。

登場人物たちは物語の為に想像された言語で話すため、字幕を追いながらの鑑賞で、何も知らずに見たらこれが日本人の作った作品とは気づかないかもしれません。
キャラクターたちも独特で人間の顔をしたバートンは西洋人の顔をしています。
アイデアと想像力と根気で作り上げた作品で、２００９年に短編として制作したのが始まりのようです。

公式サイトＵＲＬ
https://gaga.ne.jp/junkhead/