果てなき荒野の素浪人

先日保育園近くの児童公園に園からの帰りに寄ってみたところ、園内の桜が花をほころばせ始めているのを目撃して嬉しくなった。



一分咲きにも満たないまだ一厘咲きといったところか。いや花だから一輪であろうか。ともかく春は間近である。公園内ではこちらも咲いていた。



スイセンである。はて自宅近所のスイセンはそろそろ枯れ始めていたが、これはやはり咲く場所により個体差が出るのであろうか。撮影するのに近くに寄るとかぐわしかった。まあ河津桜のような早咲きの桜もあるからしてそういうものなのであろう。お花を愛でる季節にもなったということである。

紙面では見かけなかったが、先日衝撃的な事件の裁判判決を読んだ。
母親殺しの娘が二審でもって一審の懲役１５年から減刑されて懲役１０年んになったとあった。そしてなにより驚いたのは被告が女性でありながら大学受験の浪人生で実に９浪もしていたというのである。３年前の話だ。

河原から女性の殺害遺体が発見されて後、この娘がとっ捕まった。上記のごとく母親殺害と死体遺棄の罪である。なぜに母親を殺害したかというと娘は母親からの虐待に耐えかねたというものであった。

工業高校卒の学歴の母親には学歴劣等感があったようで、ひとり娘には何としても医大に進学してもらいたく、彼女にその進学を強要したというのである。
なれどこの娘にはそのハードルが高く、そも自身が望まぬ進路であったため成果を得られぬままずるずると浪人生活を続けることとなり、挙句経年ごとに母親は虐待のモンスター化を遂げ、それに耐えかねた娘がついぞブチ切れて凶行に及んだという次第のようである。

ネットニュースではつごう６ページも紙面を割いており、浪人中に娘は看護師の資格を取得したり、また術式補佐の特別資格の看護師資格も受験するもののそれには失敗し、またも母親から罵倒されたりといろいろあったようであった。
とにかく娘本人は母親から勉強を強要されつつ罵倒され、時には暴力にもあっていたため心身ともにボロボロに耗弱してしまったようでありそこは気の毒である。

その不遇から逃れるためには怪物化した母親を消すしかないとなってようである。まあ母親はおのれの愚挙により実はつごう１０年かけてゆっくりと殺されていたのかもしれないなと感じた。



女医だ。まあ確かにステータスの高い職業でありＣＡなどと並んで女性あこがれの職業なのかもしれないが、職業は本来あこがれだけでなるものでもないと思うけどねえ。
看護師だって立派で崇高な仕事だぞ。現にわが愛娘の長女めぐみはいま多くの看護師さんの看護庇護のもと着実に回復しておりまこと彼女方々はまさに白衣の天使である。まあさいきんの看護師服は深緑だったり真紅だったり濃紺だったりして白衣は珍しくなりつつある。

それにしても９浪という長きにわたる世間的に肩身のせまい身の置き所のつらさだ。これも当人にとってはさぞつらかったことと思う。素浪人ならまだ無頼だったり虚無だったりしてかっこいいけどね。



近衛十四郎さん。ご子息だった松方弘樹さんも鬼籍でありちと古いがいまなおかっこいい。目黒祐樹さんはお元気であろうか。

母親を殺してムショに１０年。まあ人殺しに違いないからしてやはり彼女の罪はゆるぎないところであるが、彼女を長きにわたって追い込んだ母親は紙面では「教育虐待」と称されていた。これも相当に劣悪だと思う。

そも１８歳の乙女であり始まった受験であるが、その齢であればいかな娘とはいえひとつの独立確立された立派な人格だ。その相手を自身が親だからといっていつまでも所有占有しようということ自体が立派な人権侵害だと思う。この母親はつまりは妄信一直線だったのであろう哀れなことである。

ちなみに父親はなにしていたかというと、どうも職場近くに転居の単身赴任でもって実質別居だったらしい。無関心あるいはそれを装っていたのもよくなかったと思う。
家族なんだから仲良くしたいよね。

先日録画したＮＨＫスペシャルドラマを観た。「あなたのそばで明日も笑う」である。



主演の綾瀬はるかちゃんと池松壮亮くんが好演だった。はるかちゃんがもう中学生のお母さん役になっていた。かの大震災で愛する夫を行方不明のまま喪った未亡人と彼女が店の再建を託した建築士の心のふれあいの物語であり胸熱くさせられました。