mixiユーザー(id:14921690)

2021年03月12日06:00

69 view

弱者の独白

こちらのドラマを観納めた。

フォト フォト

珍しくのNHKのなんとEテレで放送された名作照明ドラマと銘打たれた「ハルカの光」一話25分の全5回である。
製作者の素性が明らかな高級照明器具専門店に勤めるうら若き女性を黒島結菜ちゃんが好演していた。彼女は十年前にかの大震災に罹災しており、その際にバラバラとなってしまった家族の絆を最終回にして取り戻しており安堵した。

彼女であるが来年か再来年には朝ドラのヒロインを演じる予定だ。同じNHKの時代劇「足ガール」の熱演が評価されたようであり、あれ観とけばよかったと後悔している。結菜ちゃん、お疲れ様でした。ますますのご活躍を(*´ω`*)。

さても困ったことになった。
この日記でもよく話題に出てくるわが家から徒歩30秒のところにある酒屋雑貨チェーンの小さなスーパーである店が、なんとも前触れもなしに今月いっぱいで閉店してしまうというのである。

これまでその近さゆえにわが家の冷蔵庫代わりに頻繁に利用していたが、それも今月いっぱいで終了であり残念であり今後不便なことこの上なくなる。
往時僕がまだ喫煙して酒をほぼ毎日かっ喰らっていた際などは月に4万円以上もここから買い物をしていた。最近では月平均でそれでも1万5千円前後は買い物しておりざっと一日平均500円は買い物している計算だ。

ここで主に買うものは食パン菓子パン牛乳ヨーグルトキウイバナナビール缶チューハイ日本酒パックせんべい含めた駄菓子甘菓子清涼飲料アイス時おりもやしなどの野菜ごくまれに魚の切り身とたいへん多岐にわたる。駅前のスーパーでちょっと買い忘れたものをここで買うことができたいへん便利であったのだ。それが来月からできなくなるので困る。

家内と僕の新婚夫婦が越してきた17年前にはこの店は既にあり、もう長年経営していたふうであった。店の家族構成はオーナーのおやじと当時30代のひとり息子のふたりだけであり、後はレジ係のパートのおばさん方を数名抱えているといった状態であった。

フォト フォト

オーナーの奥さんはすでに見かけなかった。詳しいことを聞いていないので男を作って逐電したのか病魔の早世かは知らないが、いずれにしろむさいおやじとこれまたどん臭いひとり息子のふたりだけだ。

この息子たぶん現在50歳前後であるが、最近持病の腎臓疾患で隣町にある総合病院にしょっちゅう入退院を繰り返しており、退院時でも自宅で人工透析をしているまあ病人だ。当然結婚していないので嫁もいなければ子どももいない。以前はソフト関係の仕事をしていたそうであるが、父親の高齢化で店の経営を手伝い仕入れの入力作業を主務としていたようだ。

ところが息子がこの有様なのでメカや電脳に弱いオーナーにつき一時期は仕入れが停滞するなど危機的状況に一言っており、無能な彼は自分でできない仕事をなんとパートのおばさんたちに押しつけて自分は細々やっている配達業務に逃げていた。まあ低脳である。

そのおやじも聞けば78歳の高齢である。息子も病気でほとんど店に出られていないのでつまりは進退窮まっての閉店ということらしい。
なれどここは立地条件が良く、近隣は住宅地だけでありそこにぽつねんとある店なのでいわばオアシス状態の寡占企業なためスキマ産業ながら顧客はそうとうついており売り上げは良さそうだった。

その証拠にオーナーは高級国産車を息子も高級SUVと大排気量のスクーターを所有して広い車庫に並べていた。ただしふたりともがそれらを乗り回している形跡はほとんど見られなかった。余る金の使途がわからずただいい車を買って自身の心のすき間を埋めていた感じであり、買われた車たちは活躍の場がまったくなく哀れであった。

フォト フォト

オーナーであるが、最近特に愚痴が多くなっていたとあった。パート中のベテランのご婦人のIさんによれば、ああ息子が結婚していれば、そして子どもがいれば孫を抱いてやれたのになあ、といった懸想ばかりしてはため息をついていたらしいのである。

そんな戯言は後の祭りだ。本気でそうあって欲しかったならばもっと息子のケツをひっぱたいて高級な結婚相談所に金をつかませて条件の良い嫁さんを引っ張るくらいのことができたはずだ。そのあたりのことをしているそぶりは一向なかったのでつまりはなんら手を打たず日々成り行きで暮らしていた末の果てであり自業自得であろう。

そしてこの親子の暮らす自宅兼店舗であるが、彼らの友人知人と思しき人の出入りを見たことがない。あるのは月に一度くるチェーン本部の営業ウーマンとたばこの営業のおばさんだけだ。おそらく親子そろって人付き合いが苦手だったのかもしれない。

過日僕が総菜の差し入れをしたところ、余計なことするな迷惑だとオーナーに追い返されたことは以前書いた。人に対する接触自体に問題がありそうで暗澹とさせられたものだった。

こうして彼らはふたりして孤立してフェードアウトしていきそうである。それにしても今月ももうすぐ半ばであるにもかかわらず、閉店の告知をまだしていないのだ。ここを閉じるのをパートのご婦人たちからひそひそ話で聞いたのである。それもオーナーからは客への告知はぎりぎりまで黙っていろと言われているらしくもうどうかしている。

まあ結局彼らも追い込まれて進退窮まった心境なのであろう哀れは哀れである。
そんななか昨日僕は見てはいけないものを見た。オーナーが店の裏の空きスペースで酒ケースに腰かけながら誰かと歓談しているのであるが、肝心の対面には人の気配がないのである。ちょっとヤバいと思いその日レジだったIさんにあの人だいじょうぶ?と訊いたところ、最近の彼はしょっちゅう独り言を長々吐いているとのことであった。そしてそれがどうやら彼のストレス発散のようだとあり、それ聞いて益々暗然とさせられた。

やはり「人生は他者との関連事業」なのだ。自分ひとりではどうにもならないことをこの爺さん78歳でもってかようないびつな形でようやく悟ったのかもしれない。
とまあそんな話である。書いててちょっと悲しくなってきたよ(´;ω;`)ウゥゥ。

今朝朝刊にはさまれていたユニクロの広告から。

フォト フォト

ついに綾瀬はるかちゃんまで起用してきた。コロナ禍のこのご時世にユニクロはひとり勝ちなんでしょうかね。大したものです。
1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する