松井先生の遺稿集より。
仏教の面をさておいて、神社のお話に代わります。
奈良時代には、原日本人の持つ宗教観として神祇崇拝の観念が定着して、多くの神社が建立
されています。中でも小國神社は欽明天皇(555年)の御代に勅使を遣わせて造らせたもの
とされています。また、天宮神社は同じく欽明天皇の御代に、筑紫の宗像神社を遷したものと言われています。宗像神社の祭神は、端津姫・田心姫・壱岐島姫(天宮神社も同じ)で、
海の神様です。それが何故この森町の山の中に祀られたのか不思議で仕方ないのです。小國
神社が勅使を派遣せられて建立されたというのはその後。祭礼には勅使の派遣があり、今も勅使参道が残っています。なお、両社ともに舞楽十二段が伝えられていて、例祭には奉納されています。また、飯田の山名神社(天王様ともいう)も延喜式(927年)に載っている神社だと言われています。ここには舞楽八段が伝えられていて大阪の天王寺から伝えられたものだそうです。今では大阪の本家にも伝えられていない全国でも珍しい舞で、中でも蟷螂の
舞は他では見られないものです。私はここで行われる「迦陵頻(カリョウビン)」という舞に大変
興味があって、詳しく調べてみたいと思っています。というのは、舞楽について研究したもの中に確かにこの舞の名前は出てくるのですが、その内容に触れたものは有りません。恐らくこの舞が伝えられているのが極少数のためだと思われます。
石松注記 カリョウビンというのは、南の国に棲む鳥で美しい声で鳴くと言われる。NHK海のシルクロードの放送の中で、シルクロードの飛天との関係あり。
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