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2021年02月21日12:40

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マクドナルドに関する誤解

■国内最大級のマクドナルドが開店 新潟に相次ぐ「最大」
(朝日新聞デジタル - 02月21日 08:03)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6420353
こういう記事をうけて
「マクドナルドが日本人の健康を損なっている!」などと社会不安を煽る馬鹿が出てきますが、たとえば肥満に注目しても、米国の肥満問題と日本の肥満問題は事情が全然異なります。

アメリカ人ジャーナリスト、グレッグ・クライツァーさんが「デブの帝国」という著書の中で検証していますが、
1970年くらいにソ連で大規模な天候不順凶作がおこり、ソ連が穀物の輸出をストップしたために、アメリカで穀物の価格が急上昇して
中産階級や低所得層の台所に深刻な打撃を与えました。
ニクソン大統領とフォードさんはこれを解決して低所得者の共和党にたいする支持率を高めるために
ファーストフードや飲料メーカーに対して従来よりも低コストで製品生産が可能になる
パーム油と高果糖コーンシロップ(果糖液糖)をそれまでの砂糖や油脂に変えて使うように政策転換させて乗り切りました。

アメリカ人の、特に低所得層が肥満するようになったのはこれ以降です。
ただ、
米国映画スーパーサイズ・ミーに出ていたビッグマックマニアさんを見れば分かりますが、
ハンバーガー自体にはパーム油も高果糖コーンシロップも使われていないので、ハンバーガー『だけ』食べ続けていれば肥満しませんし、糖尿病にも罹患しません。
添え付けのフライドポテトやコカ・コーラが肥満や糖尿病の原因なんですね。
フライドポテトを揚げるのにヘット(ショートニング)が使われ、コカ・コーラなどの清涼飲料水に果糖液糖が使われているそうです。
ニクソン大統領とフォード氏の尽力で、1970年代以降のマクドナルドをはじめとする企業は、商品の低価格化を実施できました。
これはニクソンにとっては、食料の安定供給実現と、低所得層に対する食糧事情の改善というダブルでおいしい結果となって表れたワケです。
これはいまだにニクソンの政策の功績として記録されていますから多少なりともアメリカの政治史に詳しい人なら周知のことです。
安定した食糧供給は犯罪発生率の低下や文化程度の向上の基礎です。ここを認めずに、外食産業、就中マクドナルドの罪ばかりに焦点を当てるのは、少なくともフェアではないでしょう(まあ、フェアである必要もないと言われればそれま でだけど)。
 また、外食産業の急激な発展には、家庭というもののあり方の変容も大きく関わっています。これもクライツァーが指摘していることですけど、外食が家庭の中で“普通のこと”に変化していったのは、母親(女性)の社会進出が進み、女性を家事から解放させよう、という考え方が社会の通念となったことを背景としています。
スーパーサイズ・ミーという映画の中ではG・ワシントン大学のJ・F・バンザフ教授が“マクドナルドは子供を取り込んでいるから罪が深い”と言っているけど、もともと、マクドナルドの発展は子供たちが家庭で食事がしにくくなった(お母さんが職を持って、忙しくなった)ことを原因としています。また、子供のアイデンティティ重視の考え方が広まり、親が間食を子供に注意するような躾が出来にくくなったことも肥満を増加させる要因の一つだとクライツァーは書いています。そして、何よりアメリカ社会に厳然として存在する階級問題、それから発生する貧困問題などの現実を、社会学者たちまでもが“ポストモダン”論にばかりかまけて直視しなくなったからだ、とも指摘しています。こういう背景の中にアメリカの肥満問題はあるのです。決してマクドナルドが無知な大衆・貧困層をだまして脂漬けにしてやろうと陰謀をめぐらしたからではありません。

日本人の肥満傾向が促進していることは確かに憂慮はすべきかもしれないけど、アメリカ人とは事情が違いますから、同列に論じるべきでは無いと思います。
あとは、下記の統計データのコラムが参考になるかもしれません。
http://honkawa2.sakura.ne.jp/2127.html
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