■ジャズピアニストの巨匠、チック・コリア氏死去 79歳
(朝日新聞デジタル - 02月12日 09:35)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6409765
チック・コリアという名前は70年代、リターン・トゥ・フォーエバーで知りました。当時はフュージョン流行りで、ハービー・ハンコックのヘッドハンターズ〜VSOP、ショーター、ザヴィヌル、パストリアスのウェザーリポートなど、ロック寄りの電化ジャズが一世を風靡。
評論家が当時のジャズ状況を回顧するとき、異口同音に
「70年代はフュージョン以外、何があった？ フュージョンしかなかったじゃないか」
そう言います。
自分もウェザーリポートにリー・リトナー、
◆クルセイダーズ ー Spiral
https://youtu.be/kEQdWakvTZ4
等でフュージョンのシャワーを浴びました。日本では、高中正義やナベサダもがっつりフュージョンやっていた。
後年ジャズを聴きまくり、「ジャズ耳」ができた途端、リターン・トゥ・フォーエバーで満足していたかつての自分が恥ずかしくなった。と申しますのも。
一音一音の豊かさがまるで違う。リターン・トゥ・フォーエバー（のレコード）に興奮したことはないが、68年のこれなんかめちゃくちゃエキサイティング。
https://youtu.be/foPHn7xGjZE
はい、チック・コリアの最高傑作、アルバム��Now He Sings Now He Sobs�爐任垢諭�
彼は饒舌に歌い、そしてすすり泣く。ボーカルがないと、すぐに諸人は聴くのをやめるが、全くナンセンス。この豊穣な一音一音こそ一語一語、言葉なので。
※また、ロック好きは電化されてないと忌避する傾向がある。
聴いてもらうと分かるように、チック・コリアのピアノは見てくれと逆に、非常にシャープ。
へんこ（大阪弁で偏屈をこう言います）で一見鋭そうなキース・ジャレットの方が甘っちょろく、ハービー・ハンコックの音は、容姿どおりに「いなたい」。あくまでも三人を比較したらの話だが。
チックはグリッサンドやクラスター、つまり鍵盤そのものはもちろん、内部の弦を押さえるなど、内部奏法（特殊奏法）も駆使。
リターン・トゥ・フォーエバーでも有名な『スペイン』（元はアランフェス協奏曲）、この動画では2分30秒あたりで内部の弦に手を伸ばし、音を「消して」います。
https://youtu.be/pJYbc3RtnFo
ことほど左様に表現は奥深いわけだが。。。
では、クリスチャン・マクブライド（ベース）と演った��Steps �燹�上の68年版と聴き比べてみてください。
https://youtu.be/V39lXlaj830
超絶カッコいいっしょ？
彼は生前、こんな言葉を残しました。
「私とともに旅をし、音楽の火を灯し続けたすべての人に感謝します。
私の願いは、音楽制作や演奏をしたいなら、ぜひやってほしいということ。自分のためではなく、ほかの人々のために。
世界にはもっとアーティストが必要で、音楽はそれ自体、とても楽しいものだから」
彼もまた、帝王マイルスのスクールの一員でありました。謹んでご逝去を悼みます。
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