■手塚治虫さん命日に長女「人間は何万年も」名言添え
(日刊スポーツ - 2021年02月09日 15:32)
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■マンガ家キャラといえば？ 3位「バクマン。」真城最高、2位「かくしごと」後藤可久士！
(アニメ！アニメ！ - 2021年02月09日 08:32)
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「マンガ家キャラ」のアンケートで、「手塚治虫」がランクインしないって、本当に、若いマンガファンがどれだけマンガを読んでないかって、嘆きたくなるな。自分自身をマンガの中に登場させる頻度が最も高かったのは、間違いなく手塚治虫だろう(次点は吾妻ひでお)。
チョイ役出演ってだけじゃなくて、中には殆ど主役を張った『サンダーマスク』みたいな例(と言っても手塚さんがサンダーマスクに変身するわけではない)もある。手塚治虫は「マンガ家マンガ」のパイオニアでもあったのだ。
「世紀も世代も越えて愛読して下さるファンがいることへの感謝」
手�爐襪濟劼気鵑慮斥佞�胸に染みる。もちろん、手塚治虫のファンであると言えるくらいにはそこそこ作品を読み込んできてるとは思うけれども、実はまだまだ未読の作品が残ってる。
何たって、全集600巻だもんな、ちゃんと読んでるのって、その3/4、いや、2/3くらいしかないかもしれない。読み返さないと内容忘れちゃってる作品だってあるから、今でも新作を読むかのような新鮮な気持ちで接することができるのはありがたいけれども。
もっとも中には「雑誌連載時復刻版」とかで、ン万円もの高価で売ってる本まであるから、さすがにそこまで手は出せない。廉価版出してくれよ。『奇子』のオリジナル版とか死ぬほど読みたいのに。
もう何十年も手塚漫画を読み続けてきた立派な爺さんである私だって、「取りこぼし」はいくらでもあるのだ。若い世代で、手塚治虫って誰？ なんて言ってる人がザラにいるのも不思議ではない。今人気の漫画を追いかけることに夢中で、過去の漫画には目もくれない、なんて人の方が実は多数派なのだ。
『鉄腕アトム』のグッズを持ってる若い人に、どのエピソードが好きかって聞いたら、マンガ自体は読んだことがないと言われた。もちろんアニメも観たことがないのだ。もう絶句するしかなかったけれど、マンガに関して、こういうことは腐るほど経験してきている。藤子不二雄だって、石森章太郎だって、赤塚不二夫だって、存在自体はみんな知っていても、作品そのものは殆ど読まれてない。下手すりゃ、誰がどのマンガを描いたか、結びつかない人だっているのだ。
上っ面しか見てないのにも程があるんで、正直、そういう人たちとは会話が成立しないのである。作品を読んでもいないから、たとえば「ブラック・ジャックって、明らかに人間の命には優劣があるって思想を持ってるよね、どう思う？」と聞いたところで、「作品に沿って」語ることなどできないのである。何をか言わんや(溜息)。
もちろん、好事家の間でなら、手塚マンガはこれからも読み継がれていくだろう。手塚治虫が完全に忘れ去られることはあり得ないと思う。それは手塚治虫の思想が常に人類の未来を見据えていたがゆえに、決して古びることのない永遠性を保持しているからだ。一言で言ってしまえば、手塚治虫がその全作品を通して追及してきたのは「命とは何か？」という人類普遍のテーマである。
『火の鳥』のような、あるいは『ブラック・ジャック』のような、ストレートにテーマを押し出した分かりやすい作品だけでなく、ほんの小品、ナンセンスな短編『SFファンシー・フリー』などにも、実は「命」は常に隠しテーマとして根底に流れている。それを感じ取るのも、手塚マンガを読み込む醍醐味の一つだろう。
本当に、若い人にも、「昔の知らないマンガ家さん」としてじゃなくて、「今の」マンガとして、読んでほしいんだけどねえ。
手塚治虫が亡くなって、32年の月日が過ぎた。生きていれば、92歳だ。さすがに存命であったかどうかは分からないが、少なくとも未完に終わった３作品『グリンゴ』『ネオ・ファウスト』『ルードウィヒ・B』は完結させていただろう。アニメ『森の伝説』も。
没後30年も経つというのに、その続編を描いてやろうという意欲的な漫画家が現れないことが、現代の漫画界の貧困さを象徴してはいないだろうか。
もちろん、「手塚治虫は唯一無二」、誰にもマネはできない、というのもその通りだろう。AIが描いたと大いに喧伝された『ぱいどん』も、読んでみたら、やっぱり何というか、「間」が違っていた。
全ての芸術が進化するごとく、マンガもまた進化する。「マンガの日」を祝すのならば、手塚治虫が見ていた「進化した未来」を祈念するのが、この日の存在意義になるんじゃなかろうか。新しいマンガの才能がさらに花開かんことを。
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