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2021年02月04日15:10

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武田観柳の矜持と哀愁 〜るろうに剣心北海道編 第31幕『さらば愛しの』(ジャンプSQ2021年3月号)感想〜

長谷川明日郎の無限刃着火能力とばらまいた火薬粉を利用して、劍客兵器・本多雨読を撹乱するために本陣を爆破する井上阿爛。


案の定誰も死ななかったか。
剣心は神速の動きで回避。武田観柳と阿爛は天幕に隠れて爆風をしのぎ、明日郎は川に入り込んで(無限刃・炎との相性がいいと阿爛は言っていたが)無事と。
そして本多は文字通り怒髪天で怒り狂って観柳と阿爛を探し回るが、これはおそらく、本陣を荒らされた責を問われて自身の廃棄(処刑)が確実になったからだろう。
何とかしなければと天幕で武器を探す阿爛と観柳だが、ここで意外な武器を発見――!
ここで観柳が阿爛に
「土で作った粥、雑草で作った鍋を食ったことがありますか? ないならそれでいいです」
というあたりは、非情であった観柳にわずかながら情が芽生えてきたあかしであるのだろう。
それだけでも十分な成長だわ。


いよいよ剣心と本多の対決かと思いきや、観柳と阿爛が持ってきたのはなんと、剣心と四ノ森蒼紫で観柳が使ったガトリングガン!!
って、よくこんな都合よくガトリングガン出したものだなあ。
函館戦争で鹵獲したものだそうだけど、展開がかなり強引な感じがして思えてならない。(劍客兵器は銃火器を嫌っているし)
そして対本多戦はクライマックスへ。


『ガトガトガトガト!!』
の掛け声でガトリングガンを撃ちまくる観柳に対し、本多は切り札・赫力を発動。
書裏剣・乱読(書裏剣2冊によるページの乱れうち)で応対。
途中ガトリングガンは弾切れを起こすも、阿爛があらかじめ用意していた弾倉を使い弾交換。
ついに乱読に競り勝ち本多を打ち負かす。
『ガトガトガト!!』の掛け声には思わず笑ってしまったけど、ガトリングガンの登場のコマや、本多撃破の際に蒼紫にも言った
「“様”をつけんか!! 無礼者ォ!!」
というセリフは剣心と蒼紫の初戦を思い出させてくれて、オールドファンには結構うれしかったぞ。


そして観柳はガトリングガンのなじみやすさに惹かれて暴走――と思いきや、ガトリングガン使用は違法ということで、ガトリングガンに別れを告げます。
『違法はダメ、これからは脱法』
という悪徳商人なりの矜持を果たしたと。


そのあとの観柳のモノローグ
「貧乏から成りあがり、贅沢三昧しても、『持たざる者が持つ「劣等」』の味は忘れられなかった。
それはこの世で最も平等で公平な金を集めても変わらなかった。
しかし、ガトリングガン。
それは持てる者も持たざる者も破壊しつくす破壊力を持つ『無敵のもの』
それが『劣等』の味を吹き飛ばしてくれた」
というあたりは、哀愁感漂う気がしたけどね。
観柳の根本は、金も美貌も才能もなかったが故の『劣等感』だったのであり、それを解消するために、平等で公平な金をどんな手段を使ってでも集めたかったのだと思う。
しかし剣心によって死刑囚となり、5年間かけて、観柳は悪徳商人としてなりの矜持と愛情を手にした。
剣心は『観柳は変わっていない』と言っていたが、5年もたてば彼もやはり変わるものだということだね。
悪徳商人・死刑囚として、誇りをもって生きていくと。


問題は次の回。
もう完全に本多は本陣を荒らされたのと、敗北の責を問われて部隊将・霜門寺瑠璃男に廃棄されると思う。
剣心と霜門寺の戦いや、霜門寺の素顔も見てみたいけど、小樽の実検戦闘の最終段階は発動した今、霜門寺は剣心との交戦を最小限にして撤退すると思う。
となると、次回からが小樽編のエピローグで、次々回から斎藤一・永倉新八・三島栄次による札幌の実検戦闘編になるのだろうか。(対する劍客兵器部隊将は?)

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