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2021年01月31日16:21

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さだまさし

シンガーソングライターというのは 曲も作って詩も書いて両方やるわけですが

やっぱりどちらか得意分野というものがあるようで

「詩人」と「ミュージシャン」とに分かれるような気がします

そういう見方から言えばさだまさしは完全に詩人ですね

例えば「案山子」は兄が弟に宛てた手紙ですが

ものすごい詩的な内容です


「この町を綿菓子に染め抜いた雪」

「木枯らしが雑木林を転げ落ちてくる」

「銀色の毛布つけた田んぼ」

「おまえも都会の雪景色の中で」・・・


もう普通の兄とは思えません

こんな手紙がお兄ちゃんから来たら お兄ちゃんどうしちゃったんだろうと思います




さだまさし・・ きっとすごく頭がいいんでしょう

本もいっぱい読んでいます

ボキャブラリーが半端ないです



そこでさだまさしの詩の特徴を

初期の曲を中心に考えてみました




特徴その1

とにかく よく人が死にます

●「精霊流し」

  旦那さんが死んでます

●「セロ弾きのゴーシュ」

  旦那さんが死んでます

●「第三病棟」

  よく聴くと最後に子供が死んでいます

●「異邦人」

  別れた旦那さん死んでます

●「転宅」

  おばあちゃん死にます

●「思い出はゆりかご」

  旦那さん死んでます

初期のアルバムだけでもこんなにあります

アルバム「帰去来」では3曲もあります

それも 家族が死んだのを悲しむというより懐かしく思い出すような歌詞が多いです

さだまさしの「死」に対する概念 観念はどんなものなのか聞いてみたいです

彼に「身近な人の死」「大切な人の死」というものがあったのでは?という推測もできます




その2

花、植物をよく知っています

例えば 「絵はがき坂」  

http://www.uta-net.com/song/63977/


それで季節を表したりします

これはもう 数限りなくあるので 一度チェックしてみてください

http://www.uta-net.com/artist/1399/0/1/





その3

比喩が非常に巧みです

風に色をつけたり 

  トパーズ色の風 「つゆのあとさき」
  カナリヤ色の風 「檸檬」

「時」をうまく表現します

  時間という樹の 思い出という落ち葉 「飛梅」
  「あの頃」という名の駅で降りて 「昔通り」を歩く 「主人公」
  長いエスカレーター昇って降りて やっとの思いで出した答え 「指定券」
  遠い明日しか見えない僕と 足下のぬかるみを気に病む君と 「まほろば」





その4

細かい数字で具体性を持たせ 聴く人に場面を想像させます

「パンプキンパイとシナモンティー」
  2丁目の交差点から17軒目でときどき走って2分と15秒

「主人公」
  62番のバス 

「木根川橋」
  15番の下駄箱 




その5

落語のような歌詞を書くことがあります

さすが落語研究会出身ですね

「関白宣言」
「関白失脚」
「恋愛症候群」など

「雨やどり」なんかは

「気がついたらあなたの腕に 雨やどり」と落語で言う「下げ」まで完璧です





さだまさし・・・・歌手になっていなくても なにかしらの文筆活動で名をあげていたかもしれません

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