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2021年01月28日16:09

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ビジネスの話

■昭和電工、アルミ事業売却=米ファンドへ、化学品に集中
(時事通信社 - 01月28日 13:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6392653

いつも読んでいる経済系メルマガより。
今日も勉強になった。

●昭和電工は飲料缶と電子部品に使うアルミニウム事業を、米投資ファンドのアポロ・グローバル・マネジメントに売却する方針を固めた。売却額は500億円以上とみられる。投資負担が大きい一方、化学品などほかの事業との相乗効果が薄かった。昭和電工が売却するのはアルミ缶と、電子部品に使う圧延品事業。自動車部品などの機能部材は社内に残す。
 日本経済新聞 2021年1月28日 
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★昭和電工といえば、1934年に日本で初めてアルミニウム製錬の工業化に成功した事からもわかるようにアルミニウムの会社です。

売却するアルミニウム部門は、アルミ工程の下流を担当し、規模も売り上げも小さい部門になっており、全社の赤字や買収した日立化成のために借りたお金の返済源として今回売却するとのことです。

私は、この決断は40年遅い決断だと評価します。同社は1984年にアルミニウム精錬を停止し、下流のみのアルミにしました。

下流ビジネスは、利益幅が限られ、規模を拡大することが難しく、業績成長には海外進出や買収による規模拡大などの多額の資金を必要とします。こうして大きくなった日本のシェアの過半を握るUACJでも赤字操業です。

世界のアルミ大手は川上から川下まで一社で賄う垂直統合ですが、1970年代末に日本の電力会社が電気料金を大きく上げたため、電力代が製錬コストの大半を占めるアルミ精錬が赤字となり、精錬部門を捨て川下部門専業になってしまったのです。そして、石油化学など他の事業部門に多角化することで売り上げ増を狙いました。

アルミ部門を売るなら、アルミ精錬部門を止めるときに全て止めるべきでした。

今の昭和電工のアルミニウム部門は規模も売り上げも少ないですが、採算が悪いわけではありません。何故なら、今の設備は減価償却が完了し、生産のための設備投資支出が極めて少ないからです。

マーケティングを低コストにすれば、同社に現金利益を運んでくれる部門です。借金の元利返済のためには売ってはならないのです。売るよりも、上流のアルミ精錬も再開して、一貫生産にすべきです。

なぜなら、昭和電工は民間で唯一水力発電所を持っている会社だからです。その発電所もまた、完成後長時間経って、償却が完了して、電力コストがほぼゼロの電力をアルミ精錬に使うことができるのです。https://bit.ly/3ciV31W

低コストの精錬と、低コストの圧延が出来ますから、規模拡大しなくても長く安定した現金利益が稼げるのです。

売上拡大を至上目的とする人が多すぎるのが日本の経営者の悪弊です。
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