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2021年01月22日21:44

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103 詩・短編を書いてみた(第1938回)

短編・詩を書いてみました(^_^)
素人が書いたので
気に入っていただけるか分かりませんが
一生懸命に書いてみました
暇なときにでも読んで
楽しんで頂けると幸いです(^_^)b


103「日向の向日葵と日陰のヒマワリ」

〓〓〓〓〓〓〓〓
【あらすじ】
私には家族がいる。
お母さんとお父さんと歳が近い弟が1人。
特に不自由することのない
どこにでもあるような
普通の家族。

でも
とある日の晩御飯を皆で食べている時に思ったんだ。

『あれ…。何で皆、違うんだろう?』と………。

―――――――――

胸に滲み出た違和感を感じたのは2年前のことで
今と同じように晩御飯を食べていた時だ。
お父さんが炊飯器からご飯を取り出そうと立ち上がり
その背中を見たときに感じたんだ。
この直感をあえて言葉にするなら「雰囲気が違う」。
けして交わらないような…。
いや
交われないような雰囲気を
お父さんから感じた。

そこで
この違和感について思ったのは
私は本当の娘ではないのかな?ということだった。
でも
お父さんは『絶対に俺の娘だ』と言って
自分の頭を指差し
記憶がある事を主張する。

でも
やっぱり私の違和感は拭えない。
そこで私は長年の疑問を聞いた。

『じゃあ、何で私達の家族写真が無いの?』
『……』

そう
私達には家族写真と呼ばれる物がない。
お父さんとお母さんは
昔に火事で焼失したと言っていたが
納得が出来ないのだ。

『どうなの?』

私は問い詰めに
お父さんは目をそらす。

やっぱり私は…。

そう確信した瞬間
お父さんはこんなことを言い出した。

『正直に言うと…。自信がないんだ…』
『……どういうこと?』

お父さんか言うには
記憶としてはあるのだが
それが本当に自分の記憶なのか確信が持てないのだという。

『じゃあ、一体、私達は何だって言うのよ…』

何も言わない父。
私は痺れを切らし
お母さんにも同じ質問をしてみた。
母は私の質問に
自信を持って

『火事で焼失したわよ』と言った。

その自信に戸惑い
私は『そう…』と言って
自分の部屋に戻った。
でも
悶々と自分の心に引っ掛かる何かに
私は自問自答を繰り返し
答えが出ぬまま数日が経っていた…。

ある日
自問自答を繰り返す私を見ていたのか
お父さんが話し掛けてきて
『ちょっと話し合うか?』と言われ
家族会議をすることになった。

その話し合いで私達は
互いの記憶や感覚が
どこまで合っているのかを
神経衰弱のように記憶を照らし合わしていき
私達は1つの結論に達した。

それは「私達が"家族"と言うには確信が持てない」というモノだった。

「じゃあ、自分達は何なんだ?」という疑問が
当然のように出てくる。
でも
それ以上の事は全く分からず。
結局
お母さんの『また今度にしましょう』という一言で
話し合いか打ち切られたのだった。

それから
私は家族生活を送るのだけど
その違和感が心の中で大きくなっていった…。

そんな
ある日の夜のこと。
皆で一緒にご飯を食べていた時だった。
突然
自宅のインターホンが鳴り
宅配便がやって来た。
お母さんが玄関に向かい
いつものように対応をする。
しかし
受け取った荷物を持ってきたお母さんは
どこか暗い表情しながら
その質素で小さな段ボールの箱を私達の前に置き
何も躊躇することなく箱を開けた。
すると
箱の中から煙が吹き出し始めた。
まるで私は
その煙を知っているかのように
すぐに口元を押さえ逃げようとした。
ところが
何者かに身体を押さえ付けられてしまった。

一体、誰だ…!!

その人はお母さんだった。

なん、で…。


私は意識を失った。
それからして
強い明かりの刺激に意識を取り戻すと
私は謎の機械に張り付けなっていた。

私は周辺を見渡す。
部屋にはカードキーで開くスライドドアと
映画の撮影のような
横に長くて大きい鏡1つあった。

何なんだ、ここは…。

戸惑いからくる恐怖と
何も変わらない不安が一気に襲いかかる。
するとその時
コツコツと何者かの歩く音が聞こえてきた。

私は耳を澄ませる。

それはこちらに近づいてきているようだ。
扉が開く。

そこに立っていたのは…
研究者のような白衣を着た。
お母さんだった…。

――――
第103-2↓

『な、なんで…。お母さんが?』
『……』
『あ、そうか!。助けに来てくれたんだよね!?』

僅な希望にすがりたくて
私はそう尋ねた。
でも
お母さんは何も言ってくれない。

その時
直感で理解した。

そうか
この人はお母さんじゃなかったんだ…。
私は心を閉ざして一人の研究者に言う。

『アナタは一体誰なんですか…?。ここは何処なんですか…?』
『……』
『それくらい、答えてくれても良いでしょ…』
『……』

黙ったままの研究者女性は
懐からタブレットを取り出し
それに何かを入力をする。

私のデータでも入力しているのかと思っていると
突然
機械の電源が落ちるような音が聞こえ
周りが真っ暗になり非常電源が点く。

何が起きたのかと困惑していると
研究者の女性が言った。
11

『これで、ここからの情報はしばらく外部に漏れないわ』
『えっ…?。一体何を…?』
『時間は限られているから手短に話すわね』

そう言って
彼女は私にある秘密を教えてくれた…。

ここは
国が保有している秘密の研究所。
この研究所では主に
世間に公表できるわけがない実験が
行われているという。
そして
今行われている実験が「記憶の改竄の実験」。
人の脳に電流を流し込み
意図的に記憶を操作するモノなのだという。
そして
その実験体に選ばれたのが私達。

『じゃ、じゃあ…私は誰なの…?。誰なのよ!!?』

怒気を強める私。
それに怯むことなく研究者は言った。

『アナタは、この国の凄腕のスパイよ』
『スパイ…』

彼女は腕時計を見る。

『もう時間がないわ。今から道順を言うから覚えなさい』
『えっ…?』

彼女は私の同意なく
スラスラと道順を口にする。
思ったよりも道順が長く
簡単に覚えられるわけない。

そう思ったのだけど…
何故か
その道順は頭の中にスラスラと入ってきて
その道順の映像も頭に出てきた。

まるで
ここを知っているかのように…

研究者は言う。

『覚えられたでしょ?』

私は頷く。

『やっぱり、アナタは天才ね』

彼女はそう言い残し踵を返す。
私は呼び止めた。

『待って!。何で私を助けようと?』
『……実は私、他国の重役からヘットハンティングを受けててね。もう、ここを辞める予定なの。
それと、アナタは私のたった一人の友達だから…。と言っておくわ』

彼女は吐息を吐くように笑う。

『あ、そうそう。これは独り言だけど。ここから逃げ出したいのなら1時間後ぐらいにしなさい。それと、敵もいるからバレないようにね。まぁ、今のアナタなら大事でしょうけど。じゃあ、本当にサヨナラ』

彼女は本当にこの部屋から出ていった。

ここから逃げる…。
あの女の言うことを信じていいのだろうか…?
でも
あの雰囲気から嘘だとも思いづらい。
それに今のうちに逃げなければ
どっちにしても
私はここで何かしらの事をされるだろう。
それが記憶を改竄ならば
私という存在は死んだも一緒なのではないだろうか…。

自問自答をして1時間後
この部屋に全身を白装束で覆った人間が入ってきた。

私の身体が反応する『逃げなければ…』と…。

しかし
どうしたらいい?。
どうすれば逃げられる?。

その時
非常電源の明かりを含む全ての電源が落ちた。

真っ暗になった瞬間
私の身体は反応していた。
真っ暗で何も見えないのはずなのに
周りが見えているかのように動いていた。
目が暗闇に慣れてくると
そこにいた人間はみんな倒れていた。

自分の身体なのに
自分の身体でないような感覚に驚く私。

私は一体…。

『おい!。今すぐ検体を保護するんだ!』

そう指示する声が
この研究所のどこからか聞こえてた。

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私はすぐさま
この部屋の扉に手を掛けて
力一杯に扉をスライドさせ
部屋から逃げ出した 。

研究所は全て真っ暗で
今が緊急事態であることか良くわかる。

私は彼女の教えてくれた
排気ダクトへ向かう。

しかし…

『急げ!』
『こっちだ!』

研究所の人間の声が多くなってきた。
どうやらこの辺りに集まり始めているみたい。

急がないと…。

私は呼吸を減らし
気配を消して先へ進む。

すると
その排気ダクトの前に
研究所の人間らしき人が3人
立っているのが見えた。

離れるのを待つか…。
それとも
倒した方が良いのか…。

時間がない今の状況では
この選択1つで状況は大きく変わるだろう。

どうしたらか…。

するとその時
研究所内に予備電源がつき
『緊急事態』とのアナウンスが鳴り響いた。
研究所内は赤く染まり
アナウンスが響く。

『警告。警告。被験者Aが脱走!。繰り返す。被験者Aが脱走!。』

そのアナウンスを聞いた私の身体は
すぐに動き出していた。
曲がり角の死角から勢い良く飛び出し
排気ダクト前にいる研究所の人間に襲い掛かる。

当然
奴らは抵抗しようとして
護身用の銃を手に持ったが
扱いに慣れていないのか
あたふたとして構えられない。

私はその隙に体術を使い
その人間たちを倒した。

『よし…』

私は周辺を確認して部屋の中へ。
そして
排気ダクトに侵入。
電気が止まっているせいか
ダクト内をスムーズに移動が出来た。


排気ダクトから
研究所の整備室のような場所へと出た私は
教えられた裏口を通り
見えた階段を掛け上がり
重そうな鉄の扉を力一杯に開けた。

私は目を光に慣れさせながら
周辺を見た。

そこから見えた世界は
見たことのないスラム街だった。

私は誰で
何をして
何をしなければいけないのか…

何も分からないまま
たった一人で生きていくことになったのである………


「終わり」
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