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2021年01月19日23:52

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信者な人だけ観てりゃいいよ/映画『えんとつ町のプペル』

■西野亮廣、「詐欺スレスレ商法」と大炎上も……吉本興業から寵愛されるワケ! オリラジ・中田と異なる点は?
(サイゾーウーマン - 2021年01月19日 16:03)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=61&from=diary&id=6382081

■堀江貴文さんや中田敦彦さんは動画で絶賛も……岡田斗司夫さん「映画『えんとつ町のプペル』を見ない理由、話します」
(ガジェット通信 - 2021年01月19日 09:22)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=85&from=diary&id=6381623

■「ウワーーーッ!? そ…それはプペル!!」服部昇大先生が「邦キチ 初夢編」をツイートし大反響
(ガジェット通信 - 2021年01月17日 16:52)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=85&from=diary&id=6379928

■『えんとつ町のプペル』は、ビジネス書をそのままアニメ化した信者ホイホイ!? 信者vsアンチのレビュー合戦も
(日刊サイゾー - 2021年01月09日 21:02)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=53&from=diary&id=6371935

■キンコン西野、渡部会見イジる 芦田愛菜の声の演技には絶賛「本当に最高でした」
(ORICON NEWS - 2020年12月13日 19:29)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6341480

 ここんとこ、映画の感想を書くのが疎かになっちゃってて、ご期待頂いてる方(いないと思うけど)には申し訳ない次第である。新年に入って、もう、5、6本は映画館に足を運んではいたのだけれど。
 でもねえ、これがまた、ほぼ全部、ハズレを引きまくってんのよ(苦笑)。まあ、ハズレでも感想を書けなくはないんだけれど、こう立て続けだとさ、さすがにパソコンを前にしても気持ちは萎えまくるんで。
 よかった映画の感想だったら、筆が乗るっつーか、キーボード叩く指も軽やかにリズムを刻むんだけどねえ。あるいは駄作でも、どこかとんがってるところがあって、思い切り貶したくなるようなエネルギーは感じられる作品だったら書きやすいんだが。
 「単につまらないだけ」ってのばっかりなんだもの。そりゃ気持ちが沈むってものなんだよ。

 何たって、正月1発目に観た映画がこいつだから(苦笑)。姫始め(こら)が気持ちよくないと、後々まで響くんだよね。
 原作者・製作総指揮のキングコング西野亮廣に関する醜聞については、映画の内容とは直接関係ないことではあるから、さほど追求するつもりはない。
 そりゃね、「オンラインサロン」でチケットを高額で売り捌き、転売も推奨してるってのは、確かに詐欺まがいではあるよ? けれども考えてみれば、こんな「信者」を動員した布教活動なんて、映画界でもよくある手段じゃない? これをいちいち責めていたら、他の映画で俎上に上げなきゃならない作品は腐るほどあるってことになるよ。

 信者や下部組織、系列会社にチケットの販売を委託するなんて手は、もう半世紀も前から行われてきた。某創×学会は、映画『人間×命』あたりからおおっぴらにやるようになって、『砂×器』『八×田山』などを軒並みヒットさせている。系列の新聞を取ってるとさ、新聞屋さんが割引券や前売券を買ってくれって持ってくるんだよ。うちの親も客商売だから、買ってあげざるを得ない。と言うわけでこれらの映画、私は学生時代に500円くらいで観に行ってたのであった。
 近年では幸×の科学映画はほぼ全部信者動員映画。何が驚くって、チケットを予約して観ようと思ったら、座席がほぼ満席。どんだけヒットしてるんだと思って中に入ってみたら、どういうわけかガラガラで、来ている客は、2、30人くらいしかいない。
 要するに、信者が一人で何席も買い占めてるから、数字上は満席になってるってわけなんだね。

 『えんとつ町のプペル』も、興行成績は現在に至るまで『鬼滅の刃』『銀魂』に次いで、3位をキープし続けている。でも内情は他の宗教映画と同様だろう。公開してまだ時間が経ってない休日に観に行ったけど、入りは劇場内の1/4ってところだった。
 こうした状況を見て、「本当のヒットとは言えない」と腐すことは可能だ。でもねえ、映画は慈善事業じゃなくて、れっきとした商売だからね。「信者」も無駄遣いと分かってて、あえて散財してるんだから、いくら詐欺まがいではあっても、詐欺だと断定するわけにはいかない。目くじら立てたって仕方がないのである。
 まあ、10年くらい経って、憑き物が落ちたように「あのときの俺はどうしてあんなに金を使ったんだろう」と呆然とするかも知れないけれど。

 それで、肝心要の映画の出来はどうなんだって話だ。
 一言で言えば、日刊サイゾーのレビュー記事にもあった文言だが、「スタジオ4℃の無駄遣い」。この一言に尽きる。
 作画は異常なくらい緻密で素晴らしいんだけれど、話の中身が全くなくってスカスカ。子供だましにもほどがあるってくらい稚拙で単純。ホリエモンとかオリラジ中田とか、誉めてる連中も脳みその中身はスカスカなんだなってバレちゃうんだよな。
 ストーリーは極めてシンプル。えんとつの煙に包まれて外界から遮断された「えんとつ町」。住民は、その煙の雲の向こうに「星空」があることすら知らない。行方不明になった父親から「星空」の存在を知らされていた少年ルビッチ(芦田愛菜)は、偶然出逢ったゴミ人間のプペル(窪田正孝)と、町のみんなに「星空」を見せるため、「空飛ぶ船」の復活を試みるのだった。おしまい。

 要するに、「井の中の蛙のままじゃいけないよ、外の世界を観てみよう」って、極めて主題主義的かつ教条主義的な映画なのだ。分かりやすいって点では、こんなに解釈に苦しまない映画もない。町のボスの顔がいかにも「平安貴族」ってキャラデザインになってるから、ああ、これは「日本」を揶揄してるんだなってことも一目瞭然だ。このあたりの一見「社会風刺」的に見える点も、「信者ホイホイ」になってる所以なんだろうね。
 もちろん「分かりやすい」ことが間違っているとは言えないのだが、ルビッチとプペルが、爆薬で煙を吹き飛ばして星空を見せて、それで終わりってのが、何とも拍子抜けでねえ。

 いや、「えんとつ町」の設定自体が、ツッコミどころ満載ではあった。
 えんとつの煙で外界と遮断されてる町って、そんな風にも流れない煙って何なのとか、その街、公害だらけでみんな不健康なんじゃないかとか、そもそも人々が町に逃げ込んだ動機は「自然に壊れる貨幣を使うため」(普通のお金は金持ちが財産にして使わなくなるから、使わないといつの間にか壊れる貨幣を造ったそうだ)という意味不明なもの。
 でもそういうのは全部、「これはお伽噺だから」ってことで納得しよう(していいのか?)。しかし、これが一種の寓話、「たとえ話」だとしても、やっぱり浅薄な内容だってことは変わりないのである。
 「井の中の蛙じゃいけない」ってテーマが間違っているとは言わない。けれども世の中というのはそう単純に「書を捨てよ町に出よう」と言ってりゃ何とかなるというものでもない。「外の世界を知る」ということは、新しい知見を得ると同時に、その知見によって、自分の身を滅ぼす危険性も孕んでいる、「諸刃の剣」だ。
 ルビッチはこれから町の外へ、冒険の旅に出るのか? 町の人々は、再び外界と接触して、生き方を変えていくのか? そこには様々な問題が山積していると考えられるが、そんなことは映画は全部ほっぽらかして終わってしまうのである。
 言ってみれば、孫悟空が第1話でドラゴンボールを集めようと決意して終わり、ルフィが「海賊王に俺はなる!」と言って、船に乗り込むところで終わっているようなもので、観客としては、「いや、それから後の冒険を描くことが大事なんじゃないの?!」と言いたくなる。

 もう一つ、気になるのは「外界を知ることがそんなに大切なことか」とも感じられてしまう点だ。中国古典『荘子』に「混沌」という化け物の寓話がある。混沌は、目も鼻も耳も口もない無面目の怪物だが、その深い考察を外に向けて出せるようにと、北海と南海の帝が、彼に七つの穴を開けた。途端に混沌は死んでしまったという。
 「知識は身を滅ぼす」――「進みすぎた科学、人を幸せにするはずの科学が、かえって人類を破滅の危機に立たせてしまう」――そこまでの考察を、『プペル』は描いてはいないのだ。「もっと広い世界を観よう」ってスローガンだけは立派だけどね、それをただのたとえ話ってだけで終わらせるのであれば、「現実」でしっペ返しに会うことは目に見えてるんだよ。

 他にも細部でツッコミ入れ始めたらキリがないくらい、首を傾げたくなる描写がいっぱいあるんだよなあ。ゴミ人間プペルの正体とかさ。でも、もうここまで書いてきて疲れた。映画を観ている間、あっちこっちで「引っかかり」を覚えて、話にも人物にも全く感情移入できなかったんだけど、ある意味、これを絶賛できるホリエモンとかオリラジ中田は凄えと思う。
 「よーし、自分も井戸の外に出て、広い世界を観に行かなくちゃ!」とか思ってるのかな。でも蛙は蛙らしく、井戸の中ですっこんでろって言われるのが落ちなんじゃなかろうか。

 あっ、でもホント、4℃の作画だけは相変わらず凄いです。アニメファンとしてはそれを確認するだけで充分でしょう。お話は気にしない(笑)。声優さんは、志の輔の下手糞な長広舌に我慢ができれば、後のキャストが全員優秀に聞こえます。愛菜ちゃん可愛かったからそれでオッケー。
 あと言えることは、キンコン西野は二度と映画作るな(苦笑)。

 それにしても、岡田斗司夫は『プペル』を観もしないで貶してて、批評家としては最低なんだけれど、言ってることは全部当たっているというフシギなことに(苦笑)。
 観ないでも中身が知れてしまうって点で、完全に敗北してるよな。
 「『プペル』がなぜ面白くないと分かるかっていうと、二次創作、パロディが全然出てこないから」と仰る岡田さんだが、実は服部昇大大先生がしっかりパロディにされておられる(笑)。
 まあ、これも映画本編のパロじゃなくて、オンライン商法のパロなんだけどね。私の知り合いで、西野に騙されてチケット買わされた人がいませんように。南無阿弥陀仏。



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