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2021年01月09日21:25

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102 詩・短編を書いてみた(第1937回)

短編・詩を書いてみました(^_^)
素人が書いたので
気に入っていただけるか分かりませんが
一生懸命に書いてみました
暇なときにでも読んで
楽しんで頂けると幸いです(^_^)b

「蒸し暑い夏の中で…」
〓〓〓〓〓〓〓〓〓
【あらすじ】
夏の蒸し暑さが身体の皮膚を刺激する日。
僕達は最近
発見した神社へと遊びに来ていた。
その神社は人の気配が全くなく
どれぐらい放置されてきたんだと思うくらいに
自然が生い茂っていた。

そんな時だ
あの声が聞こえてきたのは………。

――――――


『ねぇ、君たちは何をしているの?』

どこから聞こえた声に驚き
僕達は声の出所を探す。

その声は
馬小屋のような木造の建物からだった。
しかし
人の姿は見えない。

するとまた…。

『ねぇ、君らは何をしているの?』

僕らは目や頭を動かし
その声の出所を探す。
しかし見つからない。

『こっちだよ。上、上』

言われた通り
僕らは視線を上に動かす。

そこにあったのは
部屋の空気窓のような。
もしくは陽射しを入れる為だけような
木製の縦柵の小窓があり
そして
奴がそこにいた。

奴は木の柵を掴みながら僕らを見ていた。

『やっと目があったね』

僕らは目を見開いて口を閉じる。

子供の僕らにも分かる
その異様な存在に
僕達の直感が警戒音を鳴らしている。

『ねぇ、何しているの?』

その問いかけに
仲間の一人が勇気を出して口を開く。

『しりとり…』
『へぇ、しりとりかぁ。楽しそうだね。僕も混ぜてくれない』

僕らは互いに顔を見合わせる。
誰もが「止めた方がいい」という目をしていた。
しかし
拒絶するような勇気は誰も持っていなくて…
僕達は『いいよ…』と言って受け入れた。
しりとりが始まり
「しりとり」の「り」から次々と言葉が繋がっていく。

それは奴が詰まるまで続き
しりとりが終わった時は
緊張が解けるような安心感が僕らを包んだ。

『じゃあ、次は何をする?』

次…?

ここから離れられると思った僕らは
また緊張に包まれる。
期限を損ねさせたら危ない

そう思った僕達は
さらに幾つかの遊びを奴と一緒に行い

ようやく奴は満足したのか
『楽しかった』と言った。

これで本当に家に帰れる…。

そう思ったのだが…

『お礼がしたいからぁ、この中においでよぉ』

奴が僕らを建物の中へ誘ってきたのだ。
しかし
その誘いに絶対に乗ってはいけないことを
僕らは肌で感じていた。

理由はない。
直感だ。
直感がそう言っているのだ…。

僕は言う。

『お母さんが遅くなると困るから…』
『お母さんが?。どうして?』
『ほら、心配するし…』
『でも、ケンカしているんでしょ?』

……!?

『何で…それを知っているの…?』
『聞いてたもん』
『いつから』
『ここに来たときからぁ〜』

……。

『逃げようとしているよねぇ?』

……!。

心臓が跳び跳ねる。
僕らは目線を反らした。

『そんなわけないよ』
『じゃあ、何で目を反らすのぉ?』
『反らしてなんか…』

僕は勇気を出して
反らした目線を戻す。

奴は小さくて鋭く尖った無数の歯を口の外に出し
1滴2滴とヨダレを垂らしている。

僕は限界だった。

自分の足は奴から離れるように動き出し
それにつられるように友達も逃げだした。

それから数年後。
高校生になった僕は
何の度胸試しか
一人であの神社に行くことにした。

鳥居を潜り
あの小屋の前に立つ。
過去の記憶が手を震わせ。
心臓も激しく鼓動する。

僕はあの小屋の前に立ち
スライド式のドアの取手に手を掛け
右へ思いっきり動かした。

その馬小屋の中に奴の姿はいなかった。
ただ
居なかったが
赤い液体が染み付いたような跡が残っていた。
まるで
それは何かを食い散らかした跡のように…。

もしあの時
僕らが奴の誘いにのって
小屋の中に入っていたら……。

僕は急いで閉めて
立ち去ろうと踵を返した。
すると
『また来てねぇ〜』

そんな声がしたような気がした………。

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