mixiユーザー(id:1418555)

2020年12月19日15:57

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エリーちゃん、さすがに深い

第一次大戦中、独仏双方のスパイとして活動し、1917年にフランス側の戦況不利のいけにえにされるような形で処刑されたマタハリに関する資料が死後100年を経て公開された。

新たに発掘された事実を元にBSプレミアムのプロファイラーであれこれ語ってたんやけどね。
そこですごいもんを見てしもたんですよ。

ドイツのスパイとなりパリで暮らすマタハリは、10歳以上若いロシア人将校と愛し合うようになり、結婚の約束までする。
しかし、そのためには資金がいると考え、今度はフランスからの誘いに乗り、ドイツの情報を探る二重スパイとなる。

やがてドイツのスパイであることをフランスに嗅ぎ付けられ、逮捕され取り調べを受けるが、自分はスパイでなどないと否定するマタハリに、フランス当局はロシア将校の証言文を突きつけた。

マタハリと結婚の約束などしていない、それどころか、もう別れようとすら思っていたところだ。

それを見たマタハリは、すべてを認め、刑場の露と消えた。
処刑の場では目隠しを拒否し、毅然とした態度で望んだと言う。

そこでゲストの西村和彦がひとこと。

しかし、ひどい男やな。
これで絶望して完落ちですね。

もうひとりのゲスト、近藤サトと司会の岡田准一も同調しかけたところで、脚本家の大宮エリーが返した。

ああ、これで恋人は罪に問われないと安心して罪を受け入れたんだわ。

そのひとことで、男に溺れて愚かな生き方をした女から、純愛に身を捧げた女にマタハリの印象が覆った。
そしてさらに、生き方に軸が見えないと言ってたのを改め、女として生きた、それが彼女の軸だったと言い改めたもんやから、マタちゃんますます急上昇。
そう考えると、処刑のときの毅然たる態度も腑に落ちるし。

プロの凄みってこれなんやね。
たったひとことで物事の評価を180度ひっくり返してしまうんやから。
せやけど、騙されんようにせなあかんとも思った。
いままで、物事を善意に捉えすぎたあまり、いったいどれだけ苦汁を飲んできたことか。
自分の都合のええようにばっかし解釈しようとしたらあかん。

物事には常に表と裏があり、ひとつの方向からだけでは見えないことがいくらでもある。
茶筒は真上から見たらまん丸やけど、斜めから見れば楕円、横からなら四角やもんな。
全部確かめたうえでないとそのものの実体は見えてこない。
エリーちゃんのひとことから教えられてしまったとさ、ぽてちん。
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