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2020年12月10日06:00

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Police Misconduct

速度違反捏造 不正の8割は告発後 道警内で隠蔽拡大招く

道警交通機動隊員がパトカーのレーザー式速度計測装置で車両の速度測定記録を捏造(ねつぞう)した不正取り締まり事件で、不正の約8割の36件は、最初に同隊内で告発があった昨年9月以降に行われたことが捜査関係者への取材で分かった。部下から告発を受けた50代の元警部は部下に口止めした上、上司に報告せずに隠蔽(いんぺい)し、不正が拡大した。

虚偽有印公文書作成・同行使罪などで起訴された同隊の元警部補吉本潤被告(58)=懲戒免職=は昨年8月以降、パトカーで車を追跡しながらレーザーを電柱などに照射して速度測定結果記録紙を偽造。虚偽の交通反則切符47件を作成し、47人を摘発した。

 捜査関係者によると、不正が始まった約1カ月後の昨年9月、元警部は部下の50代警部補からの告発で事態を把握。しかし、この警部補に口外しないよう指示。吉本被告にも事実確認をせず、上司にも報告しなかった。その結果、今年5月まで36件の不正が続いた。

 取り締まりは2人一組で行い、吉本被告のパトカーには3人の巡査長が交代で同乗。同被告は「車長」と呼ばれるリーダー役で、捜査関係者は「『車長の言うことは絶対』という不文律がある」とした。

 道警監察官室の調査に対して元警部は「不正に関わった部下がかわいそうだった」と説明した。道警は「判例から総合的に判断し、犯人隠避罪に当たらない」(監察官室)として立件せずに減給処分とし、元警部は依願退職した。

 6月下旬に不正発覚のきっかけとなる報告を行った40代警部も同月上旬に不正を知ったが「部下がかわいそう」として上司へ速やかに報告せず、処分を受けた。

 パトカーにはレーザーの照射対象を撮るカメラがあり、不正取り締まりでは電柱や家の壁などが写っていたが、画像を調べる体制はなかった。道警は再発防止のため画像を定期的に調べる。交通部門の捜査関係者は「警察官が違反を目の前で確認し、ドライバーに認めさせる『現認至上主義』によって証拠が軽視され、不正を見逃すことになった」と批判する。

 同志社大の太田肇教授(組織論)は「身内を守ろうとする組織の体質が背景だ。厳しい上下関係やパトカーという密室空間が、不正を拡大させた」と指摘する。吉本被告の公判は9日から札幌地裁で始まる。
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