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2020年12月06日08:53

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小室直樹(著)『ソビエト帝国の崩壊』(カッパブックス・1980年)194〜195ページ

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 われわれ日本人の最大の欠点は、アメリカという国は、日本が何をしても、天然自然のごとく日本の味方であり、アメリカの強大な軍事力は、つねに日本のために無条件で使用される、と考えている点である。日本というのは、そのような無意識の前提のもとで、三十年以上も暮らしてきたわけである。
 ところが、80年代になって、その前提条件は根本的に変わり、極端にいえば、日本はアメリカ最大の敵になりつつある。したがって日本が注意深く行動しなければ、アメリカとの関係は維持できない、という時代を迎えているわけだ。それにもかかわらず、日本人にはこの点の認識があまりにもなさすぎる。
 ソ連は脅威であるとか、信用できないとか、ソ連に対する議論は盛んだが、それではアメリカはどうなのかという議論は、ほとんどみられないのである。
 日本人のなかには、アメリカは日本を守りたがっているし、日本はアメリカにとって不可欠である、と思いこんでいる人が多い。日本が共産化しないことは、アメリカの利益である、という理屈をいう人もいる。しかし、そうしたことを、アメリカ人でいった人はだれもいない。勝手に日本人がいっているにすぎない。

(小室直樹(著)『ソビエト帝国の崩壊』(カッパブックス・1980年)194〜195ページ)
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