❷旬の食べ物
この立冬の時期は,秋から冬への季節の変わり目で,昼夜の温度差,寒暖差が大きくなり,急な冷え込みで,体調を崩しやすい時期です。
なので,この時期は一年で最も病気にかかりやすい時期とされています。
その対策ため、「立冬」には十分な休養と精力を蓄えて,冬を乗り越えようとする時期です。
中国に「立冬補冬」と言う食の習慣があり,冬の寒い時期に育った食物を、寒い季節に合った調理法で食べることこそが、健康な身体を育て、維持し、病気を未然に防ぐ最良の方法であるとしています。
この時期は寒くなり,風邪をひきやすい季節なので,ビタミンやミネラルを含む旬の食材で体の芯から温かくして,しっかり栄養を摂りましょう♪
立冬に旬を迎える食材から賢く栄養を補って,身体を冷やさないようにして,体調を崩さないように気をつけ,しっかりと体調管理を行いましょう♪
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根菜類・赤や黒などの暖色の野菜や果物を食べると身体を温めます。
体調を整え、風邪を予防する効果などがあります。
[例]ニンニク・生姜・山椒・コショウ・唐辛子・クルミ等
・ホウレン草・白菜・青梗菜・ニラ・ネギ・キャベツ等
・玉ネギ・人参・カブ・大根・ゴボウ・カボチャ等
・リンゴ・サクランボ・ブドウ等
・赤身の肉(牛肉など)、卵、魚介類(エビ)等
・紅茶・ほうじ茶・中国茶…お茶は発酵させたものの方が体を温めます。発酵したお茶の見分けは色で、茶色のものは発酵しています。
また、普段のサラダ（体を冷やす生野菜）を、温野菜に変えるだけでも身体を温める効果があります。
とはいうものの、寒い時期は体を温める食材だけ！と決め付けることなく、バランスの良い食事を心がける事が大切です。
身体を温めて、血行を良くし、食べ物の栄養をたっぷりと摂ることができる「スープ」や「鍋」や「煮込」がその代表です。
「煮込」…豊臣秀吉の朝鮮出兵に参加した筑前の兵士が大陸で教わり、それを持ち帰った「筑前煮」が有名で定着しています。
�⇔�冬に旬を迎える食材
立冬に旬を迎える食材には、秋の味覚といわれる梨や柿、サンマがあります。
また、リンゴやサツマイモ、ユズや銀杏、ゴボウなども立冬に旬を迎える食材の代表です。
立冬には、秋の実りが一渡り出揃って、冬の食べ物が出てきます。
草木から得られるいつもと違う大地の匂いのする食材や寒の時期へ向かう海の幸が食卓に上がってきます。
さらに、生姜や大根、ネギなど、しっかり栄養がとれ、身体を芯から温めてくれる寒い冬を乗り切るための旬の食材として多くの人達に親しまれています。
⑴野菜…[春菊]・[ホウレン草]・チンゲンサイ・ネギ・[ニラ]・レタス・[白菜]・ブロッコリー・野沢菜・わさび
カブ・ビーツ・[大根]・ジャガイモ・[サツマイモ]・[山芋]・自然薯(じねんじょ)・里芋(セレベス)・長芋・クワイ（慈姑）・[ゴボウ]・生姜・人参・[レンコン]・カボチャ・トマト・
[銀杏]・栗・[小豆]・大豆・落花生(ピーナッツ),なめこ・しめじ・キクラゲ・椎茸・舞茸・エリンギ
㈠[新そば]…夏に種をまいたソバは、太陽をいっぱい浴びて育ち、11月頃に収穫され、11月は新そばの季節です。
そばは品種や育て方により、夏に収穫されるものと秋に収穫されるものに分かれますが、一般的に「新そば」と呼ばれるものは、香りや風味の強い秋収穫の方です。
緑がかった色で、胸のすくような香り、爽快な喉越し…。新そばならではの味わいです。
㈡[ホウレン草]…アカザ科の葉物野菜です。
一年中スーパーで見かけますが,旬のほうれん草は栄養価が高くなります。
また、関東地方の路地物で、寒気に触れさせることでホウレン草の甘味を引き出した、縮みホウレン草も最近人気です。
㈢[白菜]…旬は11〜2月。ビタミンCが豊富で,最もポピュラーな冬野菜の一つ。原産地は中国。
寒さに触れると,ギュっと葉の密度が濃くなり（結球）,味が濃く,糖分が多く,葉も柔らかくなりますので,霜が降りる頃から美味しくなってきます。
加熱すると,独特の甘みが出ますので,鍋や煮物に重宝されています。
・[薬膳的効能]
水分を多く含み、胃腸の働きを助け、消化吸収を高めます。
食欲不振やむくみ、便秘の改善に効果的です。
体質：血虚・陰虚・気滞・水滞・湿熱、五性：平、五味：甘、帰経：胃・大腸・膀胱
㈣[大根]…冬の代表的食材の一つ。
立冬の頃に旬を迎えるので、夏はピリッと辛かったのに,冬になった途端に甘い大根へと変身します。
それは栽培の時、寒さから身を守るために,糖分を増やすので,甘みが出るからであり、「冬大根は甘い」と言われています。
また、水分をたっぷり含んでいるので、鍋に入れると,甘くてジューシーな大根を存分に楽しむことができます。
㈤[山芋]…日本原産の自然薯,中国原産の長芋など異なる品種の総称です。
11月頃になると,地上に出ている蔓が枯れますが,枯れてからが収穫時期となります。
すりおろし,トロロとして食べる他にも、角切りにするとサクサクした食感が楽しめます。
生で食べると肌がかゆくなる場合は,加熱することで,症状を緩和できることがあります。
山の鰻と言われるほど栄養豊富です。
整腸作用など様々な健康効果がある粘り気が特徴。
・[薬膳的効能]
中国では「山薬」と呼ばれ、古くから漢方の生薬としても活用されてきました。
気を補う「補気剤」としての効能が強く、食欲不振や下痢、慢性疲労を改善してくれます。
元気や体力がない人におすすめ。
体質：気虚・陰虚、五性：平、五味：甘、帰経：脾・肺・腎
㈥[春菊]…旬は11月。
冬の鍋料理の具材に使われることが多いですが、他にも、天ぷらやおひたしにしても美味しいです。
生食もできるため、サラダにして食べれます。
春菊独特の香り成分はリモネンといい、食欲増進などの効果があり、風邪予防にも効果的です。
・[薬膳的効能]
その香り成分で気を巡らせ、イライラや頭痛、不眠症などの症状を改善してくれます。
体質：気滞・瘀血・水滞、五性：平、五味：甘・辛、帰経：肝・肺、
㈦[レンコン(蓮根)]…穴があき、先が見え見通しが良いことから,縁起の良い食べ物とされています。
今年の夏は高温の晴れの日が多かったので、美味しい蓮根がたくさんできると期待されています。
㈧[ゴボウ]…11〜12月頃が旬となるため、立冬の時期が旬に当たります。
冬の根菜の代表格で、土の味が魅力の実力派野菜です。
冬の煮物料理などに重宝する他、お節料理にも使われる食材です。
泥にまみれた皮は剥かずにこすり落とし、きれいに仕上げるなら、丁寧にあくを抜いてください。
ゴリゴリした歯応えと食物繊維の塊のようなこの野菜は日本以外ではほとんど食べられていない食材です。
㈨[サツマイモ]…旬は10月〜1月頃。
寒くなってくると、おいしい季節になり,スーパーなどで見かけるようになります。
㈩[銀杏]…旬は9〜11月。
イチョウの木の実の中にある種子の部分で、9月下旬〜11月中旬頃に採れます。
独特の匂いや苦味が特徴の秋の味覚ですが、食べすぎには注意しましょう。
秋になると,茶碗蒸しでよく見かけます。
(十一)[小豆（あずき）]…和菓子の餡やおめでたい日の赤飯に使われる日本人にとってはなじみの深い食材。
ビタミンB1や食物繊維が豊富です。
・[薬膳的効能]
小豆は利尿作用があり水分代謝を整えるため、むくみや便秘に効果的。また、血を補いつつ血の流れを良くするため婦人科系のトラブルにも有効です。
体質：血虚・瘀血・水滞・湿熱、五性：平、五味：酸・甘、帰経：心・小腸
(一二)[コンニャク]…冬の食べ物で,旬は11月〜1月です。
原料のコンニャクイモは収穫期が10月からなので,11月以降がコンニャクがおいしい時期。
成長の遅いコンニャク芋は収穫までに三年以上を要し、掘り出した芋の皮を剥いて、おろして水にさらし、これを練って糸が引くようになったら、凝固剤を入れてさらに練り、
固まらないうちに型に移して空気を抜き、固まったものを型から外して、水で茹でたものを水中で放置して、熟成させたものがコンニャクになります。
このように大変な手間をかけて、作られます。
生の芋に触れるとかぶれるので、全ての工程で手袋を着用します。
無味無臭で、97％が水分でほぼ栄養価ゼロ、カロリーゼロの不思議な食べ物ですが、驚くべき効能があります。
食物繊維が豊富に含まれています。
主成分にヒトの消化酵素では分解できないグルコマンナンを含んでいますので,コンニャクを食べると,グルコマンナンが消化されないまま腸に入り,水分を吸収して膨らみ,腸内を移動する間に便を軟らかくして,老廃物をスムーズに排泄する働きがあります。
⑵果物…ミカン・レモン・スウィーティー・[柚子]・ネーブル・[リンゴ]・[梨]・洋なし・[柿]・ザクロ・かりん・キウイ・イチゴ・クランベリー・アボカド
㈠[柚子(ユズ)]…旬は11〜12月。
柑橘類の中でも酸味が強いため,搾って焼き魚に掛けるなど,主に調味料として使われます。
柚子の立冬ではありませんが,冬至には柚子を浮かべた柚子湯に入る風習が今も残っています。
㈡[リンゴ(林檎)]…身体に良いフルーツの代表。
様々な品種がありますが,11月〜1月頃は様々な品種で旬の時期を迎えます。
立冬の時期くらいから旬の物が店頭に出始めます。
毎日食べることで、自律神経の乱れを正常に戻し、ストレス解消に効果的な果物です。
美肌効果もあるので、体内から美しさを維持してくれます。
㈢[柿]…様々な種類があり,種類によってはもっと早い時期に収穫できるものや遅い時期に出回るものもありますが、一般的には9月〜12月頃に旬を迎えます。
㈣[梨]…採れる時期は9月〜11月頃。秋の味覚の代表です。
乾燥した空気によって喉や鼻がイガイガしている時や痛い時には、梨を食べると良いと言われています。
⑶魚介類…下記の食材が美味しい時期となります。
あんこう・[サンマ(秋刀魚)]・フグ(河豚)・イシモチ・ブダイ・銀ダラ・鮭・真サバ・ブリ・ヒメジ・イワシ・カワハギ・ニシン・ウマズラハギ・ハタ・イトヨリ・サヨリ・キンキ・ハガツオ・ソウダガツオ・
カレイ・カンパチ・イシダイ・シイラ・ワカサギ・メジナ・コノシロ・クエ・ハモ・[シシャモ]
ホタテ貝・[牡蠣(カキ)]・ヒオウギガイ・赤貝・アワビ・ツブガイ・イクラ・[ホタテ]
アオリイカ・マダコ・ソデイカ・ガザミ・[蟹](ズワイガニ・タカアシガニ・タラバガニ・毛ガニ)・シマエビ・アマエビ・車エビ・伊勢エビ・セミエビ・シャコ
㈠[サンマ]…秋刀魚と書き、秋に旬を迎える食材。魚料理の秋の味覚。
9〜11月に収穫量が増えることから立冬の時期にも美味しく頂くことができます。
㈡[シシャモ]…北海道の太平洋岸の淡水域にしか生息しない北海道特産魚。
焼きたてのシシャモの細い身は口の中で崩れるようにほどけ、やや青いような特有の香りが焦げた皮の香ばしさと調和して、眼を閉じて味わいたくなるような魚です。
産卵期の雌のシシャモは「子持ち」シシャモとして特に好む方がいます。
生息地が限られているので、漁獲量がそもそも少なく、一般に流通するのは、輸入品のカラフトシシャモを「シシャモ」の名前で売るのが多くなっています。
㈢[カキ(牡蠣)]…貧血の改善に効果がある食材の中で、最も理想的な食べ物です。
新鮮な生牡蠣は美味しいですが、貧血には火を通した温かい牡蠣の方が効果があります。
㈣[ホタテ(帆立)]…北太平洋の西側、日本では北海道から三陸にかけて分布する二枚貝ですが,養殖もされていて,天然ものと養殖のものは,ほぼ半々になって流通しています。
いつでも手に入る貝ですが,産卵が冬の終わりのため,その前に期間に身に肉をつけて,栄養を蓄えるので,冬の前半が一番美味しい時期です。
肉厚で、身もしっかりしているので、火を通した調理がしやすく、刺身から煮込み、ステーキと様々な料理に使われています。
世界的に人気のシーフードで、日本から移植された帆立貝が世界中の海で養殖されています。
㈤[蟹（カニ）]…冬の代表的な味覚。
殻に含まれるキチン・キトサンは整腸作用や免疫力アップ作用があり、がん予防にも効果が期待できる成分です。
鍋にして殻の成分も一緒にとるのがお奨めです。
・[薬膳的効能]
カニは肝にこもった熱を取り除き、血の巡りをよくする効果があります。
但し、身体を冷やす作用が強いので、生姜など身体を温める食材と一緒に食べると安心です。
体質：陰虚・瘀血・湿熱、五性：寒、五味：鹹、帰経：肝・腎
・[毛ガニ]…北海道の人達にとって、「カニ」とは毛がにを指すそうです。
ズワイガニ等に比べると体は小さいですが、カニ味噌の量が多くて美味しいです。
➌立冬の草花＆生き物
�［�冬に旬を迎える「季節の花」
立冬の時期に開花や見頃を迎える花をご紹介します。
キンモクセイと同じモクセイ科の「ヒイラギ」や常緑広葉樹の「サザンカ」、この時期に開花期を迎える「シクラメン」が代表的な立冬の花です。
他にも日本の秋の花といわれる「菊」、葉が烏龍茶・緑茶・紅茶の原材料になる「チャノキ」も立冬の花に数えられるでしょう。
・[山茶花（サザンカ）]…ツバキ科の常緑樹。開花期は10月上旬〜1月下旬頃。
真冬にも花を咲かせるため、茶室の庭木としても古くから親しまれてきました。
サザンカは椿とよく似た花ですが、サザンカの方が先に咲き、椿よりもやや早い10月上旬頃に咲き始めます。
サザンカは椿と違い、花びら同士が一枚ずつ独立しています。
そのため、椿のように花が丸々落ちたりはせず、花びらが一枚ずつ落ちます。
花言葉：「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」
開花時期：11月〜2月
七十二候の初侯「つばきはじめてひらく」と読まれていますが、実際には椿はもう少し遅く、先にサザンカが咲き始めます。
サザンカの名所は、史跡や日本庭園、古いお寺などに多くありますので、お近くのサザンカの名所に出かけてみましょう♪
・[水仙（スイセン）]…冬から春にかけて咲きます。
水辺に育ち、仙人のように長く生きるため「水仙」と名付けられた花です。
「ニホンスイセン」という品種もありますが、原産は地中海沿岸で室町時代には既に日本へ渡来していたそうです。
清らかな見た目とは裏腹に、水仙の葉や球根には毒があり、誤って口にしてしまうと腹痛や嘔吐などを引き起こします。
特に葉の形がニラと似ていて間違えやすいため注意が必要です。
花言葉：「自己愛」「神秘」
開花時期：12月〜4月
七十二候の末候は「金盞香」（きんせんかさく）ですが、本物のキンセンカが咲くのは春です。
この場合、スイセンの白い花と黄色い花弁を金盞（きんさん：金の盃のこと）に見立てたものだと言われています。
・[茶の花]…ツバキ科で、花をつけるのが10月上旬〜11月下旬頃。
お茶の木に咲く花。椿にそっくりな小ぶりな花で、実も椿の実とそっくりです。
更に、成分も椿と似ているため、椿油と同じく化粧品などで使われることもあるようです。
私達が普段飲んでいるお茶は、緑茶も紅茶も烏龍茶も、すべてチャノキという植物の葉っぱからできています。
お茶の原料となる葉は春から初夏にかけて摘まれます。
・[菊]…10月中旬〜12月中旬頃に咲きます。
日本の秋の花と言えば菊です。日本の国花でもあります。
国花は公式に定められているわけではありませんが、皇室の家紋である菊と日本人に愛されている桜を国花と捉えることが多いようです。
・[シクラメン]…様々な品種のあるシクラメンの開花期は10月〜3月頃。
冬のイメージがあるシクラメンは、比較的長い間見ることができる花です。
・[竜脳菊（リュウノウギク）]…日本固有の品種です。
名前の由来は、竜脳樹から採取される香料と香りが似ていることから。
花言葉：「忠誠心」
開花時期：10月〜11月
・[白花杜鵑（シロバナホトトギス）]…一般的な杜鵑（ホトトギス）は白地に紫色の斑点がある花ですが、白花杜鵑はその名の通り斑点のない白い花が特徴。
花言葉：「秘めた意思」
開花時期：9月〜11月
・[秋の麒麟草（アキノキリンソウ）]…秋から初冬にかけて日本各地で見ることのできる花
花言葉：「要注意」「警戒」
開花時期：8月〜11月
�⇔�冬に旬を迎える紅葉
・[モミジ]…立冬の頃から紅葉が始まります。見頃となるのは,11月中旬〜12月下旬頃まで。
カエデ科カエデ属の植物
�Ｎ�冬の生き物
「まひわ」…冬の訪れとともに日本にやってくる渡り鳥です。
オスは黄色い体色が特徴的ですね。 北海道や本州の北部では繁殖のため、移動をせず留まることも多いようです。
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