■関脇正代、大関昇進が確実に 大相撲秋場所で初優勝
(朝日新聞デジタル - 09月27日 17:36)
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大相撲九月場所千秋楽、注目の二敗で単独トップに立つ正代と三敗の新入幕翔猿の一番は、突き落としで正代が制して初の賜杯。この一番、立ち合い、翔猿が先に踏み込み正代がかち上げ見せるも不発、相手を見て引いたところで翔猿に出られて青房下に詰められ、押っつけで逆襲するも翔猿に往なされ両差しを許し、またも西土俵際に。正代は片足一本残して左右で抱え、逆転の突き落としで勝負あり。「信じられない。翔猿は初顔合わせなので意識した。」「今日は今までの相撲人生で緊張した。」「優勝できて両親に感謝したい。」などと取組後の優勝インタビューに答えていましたが、自らも認めるマイナス思考の「ネガティブ力士」と言う一面が注目されるほどの正代も、今場所は当たりの強さで白星を重ね、優勝制度制定（明治42年五月場所）以降熊本県出身力士としては初、時津風部屋の力士としては昭和38年七月場所の大関北葉山（後に枝川親方）以来57年ぶり3人目、東京農業大学出身力士として初と言う、まさに悲願の賜杯を勝ち取ることとなりました。
正代のキャリアを振り返れば、東京農業大学2年生で学生横綱に輝きながら付け出しの資格が得られず、平成26年三月場所の初土俵は前相撲からのスタートでしたが、約2年を経た平成28年一月場所で新入幕、平成29年一月場所で新関脇（初土俵から所要17場所、史上2位タイ）と言うスピード出世。しかし、その場所は7勝8敗で負け越し、次の場所も4番に終わり、1場所勝ち越すと負け越しが2場所を繰り返すような波があり、ちょうど1年前の令和元年九月場所に至っては3勝12敗に終わりました。三賞も10番に乗せた新入幕の場所とその年の十一月場所（西前頭三枚目、11勝4敗）から暫く受賞できず、西前頭十枚目に番付を下げた昨年の十一月場所（11勝4敗）の敢闘賞までありませんでした。
今年に入り、西前頭四枚目で迎えた一月場所では初日から6連勝し、七日目の大関豪栄道戦で初黒星を喫するも九日目には一敗で並走していた大関貴景勝を下して勝ち越しを決め、このまま一敗で賜杯レースをリードしながら十四日目に対戦した帰り入幕だった��勝龍との一敗対決に敗れ、千秋楽では御嶽海を圧倒し13勝を挙げながらも大関貴景勝を退けた��勝龍の後塵を拝し、優勝に一時賜杯レースをリードするも惜しくも初優勝を逃しましたが、この場所の経験が生きたのか、賜杯レースを終始先導する展開で今場所の15日間を終えた印象がありますね。今場所は��勝龍に代わって新入幕の翔猿、そして大関貴景勝が賜杯レースを引っ張り、星一つ差の単独トップで千秋楽を迎えましたが、今日の一番は勝つ執念が翔猿を上回った印象がありましたね。
打ち出し後、伊勢ケ浜審判部長（第63代横綱旭富士）が大関昇進を諮る臨時理事会の招集を八角理事長（第61代横綱北勝海）に要請したとのことで、場所後の大関昇進が現実的になったようですが、インタビューでは「実感がわかない。分からないです。相撲界に入る前から憧れの地位でした。まだ信じられない」とのこと。
さて今場所の三賞ですが、殊勲賞には正代、敢闘賞には優勝を条件に正代（優勝したので獲得）と翔猿、技能賞には今日の正代戦に勝つことを条件に翔猿でしたが、敗れて獲得ならず。若隆景、阿武咲、隆の勝は候補に上がったものの、惜しくも選に漏れました。
その他。正代の優勝を見届けての結びの大関同士の一番は、貴景勝が左押っつけで朝乃山を押し倒し。十両以下各段は昨日までに優勝が決まったので、序ノ口から幕内まですべての段で優勝決定戦がなかった場所となりました。十両優勝の千代の国は大翔丸を押し倒して14勝1敗とし、十両一場所での帰り入幕の可能性が高まりました。一方、新十両の王輝は千代丸の押し出しに屈して白星無しの15連敗で場所を終え、7勝7敗に追い込まれた同じ新十両の錦富士も千代翔馬の下手投げに屈して7勝8敗の負け越しに終わりました。
さらに、西幕下5枚目の宇良が十両の初っ口の土俵で大翔鵬を押し出して帰り十両への望みを繋ぐ6勝1敗としました。「業師」として注目を集めて東前頭4枚目まで番付を上げながらも平成29年九月場所で膝を痛めて途中休場。以降6場所連続休場で三段目に番付を下げ、再起するも再び膝を負傷して5場所連続休場で西序二段106枚目に下がってからの再起のまた再起。序二段、三段目での優勝を含み関取復帰を目の前に寄せ付けるまでになりましたが、まだ膝は稽古ができるまでに回復しておらず、リハビリが続く日々とか。来場所、どんな活躍ができるか、楽しみです。
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