mixiユーザー(id:2483498)

2020年09月16日15:12

142 view

数学教育と高木貞治先生

https://mathsoc.jp/publication/tushin/1502/1502nozaki.pdf
数学教育と高木貞治先生

(参考)
https://mathsoc.jp/publicity/news20100220.html
市民講演会と展示「高木貞治先生と日本の数学の教育研究」を開催
2010年2月20日(土)に、東京大学大学院数理科学研究科において 高木貞治50年祭記念の市民講演会と展示「高木貞治先生と日本の数学の教育研究」が開催されました。
http://mathsoc.jp/publication/tushin/index15-2.html
「数学通信」第15巻(2010年度)第2号目次
https://mathsoc.jp/publication/tushin/1502/1502nozaki.pdf
「数学教育と高木貞治先生」(野崎教授、「数学通信」15巻2号)
(抜粋)
4.2 時代背景について

日本独特なのは,日本人のまじめさが受験業界でも発揮され,試験範囲が指導要領に拘束されていることと相俟って,「これさえ覚えれば,試験を突破できる」ノウハウが蓄積されていることかもしれない.だから「考えて,答えを探し出す」より「答えを覚えて,あてる」のが好まれ,まるでロボットのように「手順を覚えて,意味を考えることなしに答えを導く」ことに慣れている学生もいる.「意味を考えれば,明らかでしょう!」といっても,意味を考えたことがないのだから,教員の意図が伝わらないのである.当然,「手順」はコンピュータに命令するときのように,誤解の余地がない明確な言葉で指示しなければならない.

心配なことは山ほどあるが,それにもかかわらず(それだからこそ)正しい方向に向かって努力することの大切さを,高木先生は認識しておられたのではないだろうか.多くの教科書・参考書・啓蒙書を残されたのは,そのことの証であろうと私は思う.

<補足>この稿は,2010年2月20日に日本数学会が主催した「高木貞治50年祭記念市民講演会」での筆者の講演「数学教育と高木貞治先生」の内容に,加筆・修正を加えたものである.
3 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する