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2020年09月06日15:39

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89 詩・短編を書いてみた(第1922回)

短編・詩を書いてみました(^_^)
素人が書いたので
気に入っていただけるか分かりませんが
一生懸命に書いてみました
暇なときにでも読んで
楽しんで頂けると幸いです(^_^)b

「養子の魔王様」5話
91-5「お悩み聞きます」

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後日。
僕はその悩みを書いたサキュバスと連絡を取り
ミカエルと一緒に向かうことになった。

その日の前日。
ミカエルからサキュバスに会う注意点を
いくつか教えてもらった。

サキュバスは
他の生き物に性的な快楽を身体や脳に与える代わりに
その生き物の生気を奪うから気をつけること。
また
サキュバス自身の意識に関係なく
目を合わした生き物を魅了してしまう不思議な力があるため
あまり「目を見てはいけない」。
見過ぎてしまうと
魅了され生気を吸われる可能性があるという。
特に僕はその免疫が少ないため注意するように
と言われた。

ただ
ミカエルさんはそう言うものの。
争いが終わった現在の魔界のサキュバスは
僕らの世界で言う「風俗業」を営み
サキュバスとしての欲求を発散しているため
向こうが強く意識しない限り
必要以上に身を構えることはないという。

僕はその説明に『分かった』と頷き
その日は眠りについた…。

サキュバスと会う当日。
僕達は待ち合わせ場所である
喫茶店のような店内で座っていると
その依頼主が現れた。

容姿は男性を振り向かせる素敵な人だが
格好は
漫画で見るような大胆な格好ではなく。
質素な格好で
目立つことを恐れているのかのよう。

サキュバスさんは
僕とミカエルさんを確認し
軽く会釈して対面に座った。

ちなみに
全ての依頼主には僕達が解決担当と伝え
魔王様の関係者と伝えず
素性は隠している。

互いに少しよそよそしさが漂うなか
最初に口を開けたのはサキュバスさんだった。

『この度は私の悩み事を聞いて頂き、ありがとうございます。私は「ミルクロ・バミア」と申します。』

それにミカエルさんが答える。

『こちらこそありがとうございます。私はミカエル。こちらは…サトウと申します。よろしくお願いします』

「サトウ」は僕の偽名だ。

『で、今回のミルクロさんのお悩みは「男嫌いを直したい」というものでしたが、言える範囲で構いませんので、詳しく教えて頂けますか?』
『はい…』

ミルクロさんは男嫌いにキッカケを教えてくれた。

ミルクロさんが小さい頃
お母さんはサキュバスらしく風俗を営んでいた。
その店では
お酒を交えての接客もあれば
性的な接客もあったという。

当時
子供だったミルクロさんは
その店の中でお母さんを探していた。
その時に彼女は見てしまったという。
全く知らない男がお母さんと
身体を絡み合わせる姿を…。

その衝撃的な光景を見た瞬間
彼女の心の中で
その心の構造が変わってしまうくらいの衝撃があったという。
それかららしい
彼女が男を受け入れられなくなったのは…。

その説明を聞いて
僕は疑問に思ったことがある。

それが治らなかったとして
何か問題があるのかな?と。

僕はミルクロさんがトイレに行っている間に
その疑問についてミカエルさんに聞いた。

そもそも
サキュバスは生き物の生気を奪うことで
自分の生命を維持させている。
しかし
今の彼女には人(男性)から生気の搾取が出来ないので
このままでは彼女を待っているのは「死」だ。

もちろん
生気は人以外の生き物から生気を吸うことは可能だ。
しかし
それでも限界はある。
だからこそ
この悩みを解決することは
とても大事なのだという。

ミカエルさんの説明で
この悩みが
いかに重大な状態であるかを僕は理解し
トイレから帰ってきたミルクロさんに「必ず解決する想いを伝えた。

ミカエルさんは少し涙目になり
『ありがとうございます』と言ったのだった。

それから僕はミカエルさんと一緒に
様々な改善策を考えて
ミルクロさんに試してみた。
しかし
なかなか上手くいかず
足が震えたり
言葉が出なくなったり
酷いときには
その場から走り去ってしまったりしてしまった。

どうしたら良いのだろう…。

そう思った時
今更なのだが
ふと気がついたことがある。
僕達は男なのに
なぜミルクロさんは普通に話せるのだろう…?と。

『ちなみに僕らは男ですけど、大丈夫なんですか?』

僕がそう聞くと
ミルクロさんは少し驚き
『あ、はい。不思議と大丈夫でした』と
笑顔で返してくれた。

それを聞いたミカエルさんが僕に小声でこう言った。

『王子とデートしてみるのはいかがでしょう?』

僕は驚いた。
だって
僕のいた世界では
恋人どころか
女の子とも話すことは少なかったから…。

『僕には無理だよ…』
『大丈夫です。さりげなく話したりするだけですから』
『そのさりげなくが出来ないんだよ…!』

ミカエルさんと
小さな言い争いをしていると
それに気づいたミルクロさんが『あの…。どうされました?』と言って
不安そうに僕達を見ている。

すると
ミカエルさんがこう言った。

『こちらのサトウとデートしてみるのはいかがでしょう?』
『えっ!?』

ミルクロさんは驚いた。
それはそうだろう。
男嫌いは解決していないのに
男とデートをしようと言っているのだから。


僕は
ミルクロさんは断ると思っていた。
しかし
彼女は少し悩み。
そして『分かりました』と受け入れてしまった。
僕は思わず
ミルクロさんに『無理矢理なら断っても…』と
デートを行う恥ずかしさから言ってみたのだが
『頑張りますので…』
と言われてしまった。

僕は大丈夫ではないよ…。

後日
ミカエルさんに励まされながら
ミルクロさんと約束した場所に向かう。
すると
そこにはとても綺麗な格好をしてミルクロさんが待っていた。

その姿に思わず
自分の胸が高鳴る。

『では王子、私は離れた見ていますので場所から見ていますので、頑張ってください』

そう僕はミカエルさんに背中を押されて
ミルクロさんに話しかけた。

『こんにちは…』
『あ、こんにちは…』

緊張しているミルクロさん。
その姿に
僕はさらに緊張してしまう。

『じゃ、じゃあ早速、行きましょうか』
僕はそう言い
ミルクロさんと一緒に歩き出した。

さて、これからどうしようか…。

一応
デートプランとして
前日にミカエルさんと一緒になって考えている。
だが
なにせ恋愛経験がない男達の考えたプランだ。
はたして上手くいくだろうか…。


まず僕達が訪れたのは
この街で一番の市場。
ここでは
買い物などをして楽しみたいと思っている。
だけど
僕はこの場所の事を詳しくは知らない。

どうしたら良いか慌てていると
その姿を見たミルクロさんは僕の袖を引っ張り
行きたい場所があると言ってくれた。

それは最近流行りの飲み物が売っているお店。

その飲み物は
ナタデココのような食べ物を底に沈め
白くて甘い液体がコップに入っているモノである。

僕は二人分のお金を払い
ミルクロさんに渡した。
彼女はその飲み物を口に含み
ナタデココのような食べ物の食感を楽しんでは
僕にその美味しさを伝えてくれた。

予定していたことではないけど
どうやら
楽しんでくれているみたいで良かった。

僕はその笑顔を見て
事前に決めていたデートプラン通りに動く事を止め
彼女が行きたい場所へ向かうことに決めた。

だって
そっちの方が彼女の笑顔に繋がると思うもの。

それから
僕達はこの街にある娯楽施設や食事処などに足を運び
その途中では
お互いの手が不意に触れて緊張したり。緊張が溶けてきたミルクロさんが僕の手を引っ張ったりと
ミルクロさんの様々な変化を感じることが出来た。

そして
太陽が夕日に変わった頃。
邪魔をしないように僕の後をつけていたミカエルさんが出てきて

『そろそろ時間です』と伝えた。

もう別れかと思うと寂しくなる。
正直
凄く楽しかったから…。

別れ際。
ミルクロさんは『今回の経験を励みに男嫌いを直せると思う』と言ってくれた。

こんな事が助けになったのなら良かった…。

そう僕が思い
感謝を伝えようとした瞬間。
不意に手を彼女に握られて
僕がドキッすると
彼女に身体を引き寄せられ
頬にキスをされた。

ミカエルさんは驚いたが
すぐに僕に優しい目を向ける。

キスを終えたミルクロさんは
『ありがとう』と呟いて
笑顔で手を振りながら走り去っていった。

頬に残った感覚。

それが僕の頭をかき回す。

キ、キスをされたぁ…!!?。

自分の身体が熱くなるのを感じる。

もうミカエルさんの方を振り向けない。

ミカエルさんが
どの様な顔をしているのかなんて考えたら…。

僕は顔を下に向け
逃げるように歩き出す。

『王子、どちらへ?』
『家に帰るの!』
『道が逆ですが…』
僕はビタっと止まり
少し考えて踵を返す。
城は少し遠いみたいだから
ミカエルさんに色々と言われそうだ………。



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