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2020年08月22日16:50

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仲間のために走れる幸せ/映画『弱虫ペダル』

■『弱虫ペダル』、実写×主題歌×原作がコラボしたPV映像解禁 永瀬廉「とても胸が熱くなりました!」
(ORICON NEWS - 2020年08月21日 18:00)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6202772

■キンプリ永瀬が坂道にしか見えない!? 映画『弱虫ペダル』に続編を求める声が殺到
(日刊サイゾー - 2020年08月21日 13:22)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=53&from=diary&id=6202395

■『弱虫ペダル』「コミック原作実写化の一番の成功例」“おかわりペダル”する人急増中
(ドワンゴジェイピーnews - 2020年08月17日 19:20)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=217&from=diary&id=6197630

 興収五位発進かあ…。ちょっと物足りないスタートではあるけれど、2.5億円って、通常なら1位スタートでもおかしくない大ヒットだものな。夏休み興行で、上にいる作品が強すぎるのだ。作品の完成度では、決して引けを取っているわけではない。その事実はまず強調しておく必要があるだろう。
 まだまだコロナ禍による減収著しい状況は続いているけれども、映画復活に寄与している一作であることは間違いない。この夏、どの映画を観ようかと迷ってらっしゃる方には、お勧めの一本だと強く勧めておく。

 アニメ化、劇場アニメ化、舞台化、実写ドラマ化に続いての満を持しての「実写映画化」ではあるが、公開前の期待度は、期待半分、不安半分という人が多かったのではないか。
 アニメの制作、安定のトムスだしね、わざわざ実写にする必要あるんかいって思いもファンにはあったと思う。でもそれこそ百聞は一見に如かずだ。

 確かに、アニメでも自転車競技の迫力は充分に出ていた。自転車競技アニメと言えば、どうしても高坂希太郎監督の『茄子 アンダルシアの夏』を思い浮かべるが、あの誇張された戯画的表現を避けて、極めて実直なアニメとして映像化しながら、その迫力においては充分に匹敵しうるという稀有な出来栄えを示してくれていたのだ。
 実写化に不安を感じてしまったのは、先のドラマ版で、「迫力」を補うために、効果線のエフェクトをアニメで加えるというような余計な演出をやらかしてくれていたこと、それも理由の一つとしてある。「実写化は無理」と最初から白旗を挙げるようなマネを見せられていたから、今回の実写劇場版も、アニメに敵うような出来になるとは思えなかったのだ。
 そうした先入観、自身の不明を私は恥じなければならない。全編、息つく間もなく興奮した。輝く太陽の下で、生の自転車競技が齎すスピード感、弾ける筋肉、風を切る爽快感、そうした全てのものがスクリーン一杯に広がっていた。
 もちろん、永瀬廉扮する小野田坂道を初めとするキャラクターたちも、まさしく肉体を持った一人の人間として、そこに確実に存在している。誰だ、ジャニタレ主演なんて糞じゃんとか言ってたのは(私じゃないぞ)。
 まあ、伊藤健太郎に橋本環奈に皆川猿時までいるんで、福田雄一作品かよ、と思いはしたが(監督は三木康一郎さんです)。この3人がまた、全くイロモノ演技しないんだよ! それはそれで物足りないと仰る方もいるかも知れないが、健太郎君のイケメンぶり、ハシカンの可憐さ、皆川猿時の演技力、当たり前なんだけど、つい忘れられがちな彼らの魅力を存分に堪能できるのだ。

 何が本作を傑作にした要因であるのか。
 まずは、原作の持つ面白さをどれだけ忠実に映像化できるかということに、監督、脚本他スタッフが腐心したということが挙げられるだろう。
 『弱虫ペダル』が他のスポーツマンガと一線を画しているのは、主人公の坂道が、オタク少年と設定されていることだ。
 およそ軟弱で、体育会系とは何の接点もないと思われていた(本人にも)彼が、何の運命のいたずらか、自転車競技の魅力に取り憑かれる。彼の才能が、自転車競技を通じて目覚めていく。彼が前に出ようとするのは、自分が一番になるためではない。仲間を、ゴールに連れて行くためだ。稀有な脚力を持ち、その才能を見込まれながら、坂道はいつまで経ってもぼっちで気弱なオタク少年のままで、友人からの心遣いにもどうしたらいいのか分からないコミュ障である。そんな彼が、なぜ自転車競技にのめり込んでしまったのか、その理由は、「友だちと一緒に走れることが気持ちいいから」。
 彼の走る先に勝利はあるが、それが究極の目的ではない。仲間が、友達がいるから、友達のためになら走れるから。走った先にあるものは、勝利ではなく、友達と走れたという満足感、「幸福」なのである。

 その「幸せ」を観客も感じることができるのは、やはり本作が「映画」であるからだ。
 先述した通り、これは「風」を感じることのできる映画だ。TVサイズでは不十分、劇場の大スクリーンだからこそ、それを感じることができる。
 選手たちの息遣いも、彼らを見守る観客たちの紅潮した頬も、スクリーンでこそ映える。今、私たちが観ているのは、紛れもなく「映画」だ。
 欲を言えば、坂道がハマっているアニメ『ラブ☆ヒメ』のアニメシーンが欲しかったなあ。映像化されるたびにメロディーが微妙に変わるけれど、坂道の脳裏にはいつだって映像も浮かんでいるはずだからね。坂道のオタク趣味に、時々自転車部の連中が巻き込まれて往生するのも原作の魅力の一つなので、続編映画があるのなら、ぜひ劇中劇としてアニメ化も望みたいのである。
 ひーめひめひめ♪




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