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2020年08月16日18:57

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88 詩・短編を書いてみた(第1920回)

短編・詩を書いてみました(^_^)
素人が書いたので
気に入っていただけるか分かりませんが
一生懸命に書いてみました
暇なときにでも読んで
楽しんで頂けると幸いです(^_^)b


「養子の魔王様」
90-4-1話
■■■■■■■
「魔力検査ですか?」

新しい仲間が増えて数ヶ月。
彼ら子供警備隊は少しずつ僕らの環境に馴染み
決められた範囲ではあるが
休憩の時には
魔王城の働く人と遊ぶまでになっていた。

その光景を見て
連れてきて良かったと思っていた。

そんなある日。
部屋に訪ねてきたミカエルが
こんなことを言ってきた。

『王子。そろそろ魔力を計ろうと思うのですが…』

魔力…?

その言葉を知らないわけではない。
僕のいた世界でも漫画とかで聞いたことあるし
実際にミカエルさんの魔力を見たから。

だからこそ思うのは
「自分にそんなモノがあるのか?」と…。

僕は違う世界で生きてきた人間。
そんな物があるはずがないと思うのだけど…。

「僕の魔力を計るのですか?」
「はい。魔王様の後継者ですので、調べなければ…」
「そうだよね…。でも、僕に魔力なんてあるの?」
「そうですね…。では、良い機会ですのでご説明させていただきます」

そう言うと
ミカエルは僕を近くにあった椅子に座らせて
魔力について解説してくれた。

生き物の脳には、「魔力領域」と言われる部分が必ずあると言う
ここを使えば魔力を使用できる。
ただ
ここを使うには「慣れていない」といけない。
例えば
いきなり細い板の上に乗れと言われても
バランスを取ることは難しいが
何度も練習すれば乗れていく事と同じこと。

そうミカエルさんは言う。

「じゃあ、僕にもあるということ?」
「その通りです」


僕は淡い期待を抱く。
一体どれくらいの魔力が僕にあるのだろうか。

それから僕達は
魔力を測定する機械がある部屋へ移動した。

その中へ入ると
すぐさま
ミカエルさんが機械のシステムを起動させて準備を始める。

全ての機械に明かりが点り
少しずつ動作音が部屋に響いていく。

「では、王子。機械に乗ってください」

僕は言われるがまま
機械の言われた場所に立つ。
すると
機械が本格的に動き始め
僕の周りを細長い機械が縦横に動き
その動きはまるで
自分が3Dに書き替えられているようで
少しワクワクした。

「僕にはどれだけの魔力があるのだろう?」と思い
チラッとミカエルさんを見る。
ミカエルさんは
メイン機械に表示されているデータ画面を見ていた。

その雰囲気に「やっぱり凄いなぁ…」と思った。

測定が終わり
機械の外に出て
ミカエルさんに結果を尋ねる。

「どうでした?」

期待を込めての言葉だったが
ミカエルさんは険しい顔をしながら言った

「何故かは分からないのですが…。王子の魔力が測定できないのです」
「えっ…?」

測定できない…?

「どういうことなの?」
「単刀直入に言いますと、王子の魔力は極端に少ない可能性が…」

僕は驚いた。
正直
魔王の養子に選ばれるくらいだから
それなりの魔力があると思っていた。
期待を込めて言えば
この魔界では
相手になる人はいないくらいの魔力が
僕に秘められているのだと思っていたのだ。

ミカエルさんを見る。

ミカエルさんは腰に手を当てたり
頭を軽く掻いたりして
明らかに動揺していた。

「と、とにかく、今回は機械の不具合ということでにしておきましょう。あと、この事は内密に。誰かにバレてしまうと、王子の身に何かあるかもしれませんので…」
「わ、分かりました…」

僕達はその部屋を離れ
僕の部屋に戻ってきた。

僕はため息を吐く。
『魔力が無い』と言われると期待していた分
落ち込んでしまう。
その僕を見て
ミカエルさんがある提案をしてきた。

「仕方ありません。特訓をしましょう」
「特訓…?。特訓でどうにかなるものなのですか?」
「どうなるかは分かりません。ただ、何もしないよりかは良いでしょうし、自分の身を守れるくらいにはなるはずです。どうですか?」
「……それで少しでも変わるなら、やります」
「分かりました」

こうして
ミカエルさんとの秘密の特訓が始まった。


まず行ったのは
ミカエルさんの魔力を直接分けてもらって
僕の魔力に関わる脳領域を刺激したり

僕がテレパシーを送るようなイメージトレーニングをしたりすること。

一見
地味な感じもするが
その努力でも続けていると
変化が出てくるもので…。

度々だが
頭が痛くなるときがあった。

ミカエルさんが言うには
それは「筋肉痛」のようなもので
脳の魔力領域が刺激されている証拠らしい。

つまり成長しているということ。

こんな自分でも成長していると分かり
俄然にやる気を出てくる。

特訓を始めて1ヶ月ぐらいすると
僕はこの世界の子供が扱える魔力ぐらいは
使えるようになっていた。

具体的に言えば
出来るのは水芸程度の水や
ボヤ程度の火を出したり
少しだけ気配を感じたり
調子が良ければ
数センチ程度の刃物を生成できるぐらいだ。

それでも成長をした。

そう感じているのだ。

しかし
ミカエルさんは浮かない顔をしていた。
僕は勇気を出して聞いてみた。

「ミカエルさん。やっぱり僕の魔力はまだダメですか…?」
「いや、王子が魔力を扱えない理由を考えていまして…」
「それは…。僕に力がないからではないの…?」
「いえ、それはあり得ません。私が王子を初めて見た時、纏うオーラを感じましたから」
『オーラ?』
「はい。それは他の人よりも圧倒的に強く。そして見たことのない色でした。だからこそ、私はあなた様に可能性を感じたのです」
「でも、僕がこんな状態だから勘違いだったのでは…」
「いえ、王子には絶対に可能性があるはずです」
「……」
「だからこそ、その可能性を引き出すのが、私の役目なのですが…。王子の可能性を引き出せない私はダメですね…」

落ち込むミカエルさん。

その表情を見ていると
この胸を締め付けられるような気持ちになる。

こんな自分の事を一生懸命
考えてくれているのに
それに答えられないなんて…。

僕はミカエルさんに「必ず魔力を使えるようになります!」と決意を伝え
今までよりも
さらに努力をすることを誓った。

そんな時だった
あの出来事が起きたのは…


続く………

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