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2020年08月09日20:41

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妄想小説 暁烏 28

蟹座 暁烏 28
 俺と菅沼さんのアヤマチはその夜1回限りだった。その後の菅沼さんは、いつもどうり木曜の昼に来るだけで、いつもどおり馬鹿話しをして帰る。俺も菅沼さんも、その夜のことを口にしない。
 久しぶりに見た菅沼さんは、少し痩せたようだ。もう50過ぎになるはずだが、痩せたことで妖艶さを増しているようにな感じる。
「まだレストランとスナックを掛け持ちしてるの?」
 俺と菅沼さんが親密であることを察した咲さんが、会釈して病室を出る。入れ替わるように、姓名鑑定士の久美子さんが入って来た。
「どう?」
「また来た・・」
「失礼ね。マスターの再婚相手に誰がいいのか、わざわざ鑑定したのよ」
 久美子さんは見慣れぬ菅沼さんを一瞥しながら言う。俺は二人にそれぞれを紹介した。久美子さんが姓名鑑定士だと知って、菅沼さんは息子の鑑定を頼みたいと言い出したが俺が止めた。馬鹿高いのだ。一度お客様が娘の鑑定をと言い出し、久美子さんを紹介したのだが、後で聞いたら8万円の鑑定料を請求されたらしい。
 菅沼さんは、もっと話したい風だったが、気を使ったのか、持って来た大きな紙袋をお詫びと感謝だと差し出す。久美子さんがすかさず受け取る。もっと話したかったが、菅沼さんは仕事中に抜け出して来たからと、久美子さんと俺に会釈してドアの向こうに消えた。
「マスターを刺した人のお母さん?いくらかお金を取れるの?」
「まさか・・店のお客さんだったよ。久しぶりだったので、もっと話したかったのに、邪魔しやがって」
「いいじゃん。また来るわよ。まぁ、来ないようなら、高々請求すればいいしね」
「あ、やばい。連絡先聞くの忘れた」
「だからマスターは駄目なのよ。やっぱりわたしが一緒にならないと駄目ね」
「おいおい、まさか俺の再婚相手は自分だと言いたいの?」
「そうよ。マスターは人が良過ぎる。赤崎って名前が悪いのよ。わたしと再婚して大場って姓に換えた方が方がいいのよ」
「久美子さん、俺の歳知ってる?72よ。もう寿命が尽きかけてる・・そんな爺さんを相手にしなくても良かろうに」
「マスターが歳だから、面倒見たいのよ。どうせお金も無いんでしょ」
 金が無いのは確かだ。が、再婚など考えたことも無かったし、もし再婚するにしても相手は久美子さんでは無い。久美子さんを傷付けずに断るにはどうすればいいか?俺は、所長に電話せねばならないことを忘れて頭を悩ませる。(続く)

獅子座クウネル日記
 今朝の朝焼けは微妙でした。雲ひとつない青空に思えたのですが、いつもより暗く、陽が昇るのが遅くなったせいか、山際の雲が厚いせいか判断が付きません。で、油断したせいか、ちょっと出遅れました。でも、今朝は太陽がある方では無く、少しずれて色づきました。西の空とかね(笑)今日も暑かったですね。昼間は寝て、夕方テレビを見て、また寝て、最近リズムが変わってきています。夏らしい写真を撮るために、日中どこかへ出かけようと思いながら、朝しか行動できなくなったクウネルです(笑)こうして午前0時まで起きて、少し寝て配達へ出てるせいかな?(汗)
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