今日の出来事：１１５６年−保元の乱、１８３６年−パリのエトワール凱旋門が落成、１８６６年−第二次長州征伐（四境戦争）：石州口の戦い、１８７７年−西南戦争：米良の戦い、１８９４年−日清戦争：成歓の戦い、１９２１年−ヒトラーがナチス党党首に就任、１９４５年−第二次世界大戦：浜松艦砲射撃、大垣空襲
今日は、保元の乱です。鳥羽法皇は藤原璋子（待賢門院）との子である崇徳天皇を退位させ、寵愛する藤原得子（美福門院）との子である体仁親王（近衛天皇）を即位させました。白河院政下で逼塞していた摂関家は、鳥羽院政が開始されると藤原忠実の娘・藤原泰子（高陽院）が鳥羽上皇の妃となり息を吹き返しました。関白の藤原忠通は後継者に恵まれなかったため、異母弟の頼長を養子に迎えました。しかし、基実が生まれると藤原忠通は摂関の地位を自らの子孫に継承させようと望み、忠実・頼長と対立する事になりました。内覧となった藤原頼長は旧儀復興・綱紀粛正に取り組みましたが、その苛烈で妥協を知らない性格により「悪左府」と呼ばれ、院近臣との軋轢を生む事になりました。やがて近衛天皇が重病に陥りました。後継者として崇徳上皇の第一皇子・重仁親王が有力でしたが、藤原忠通は美福門院の養子・守仁への譲位を法皇に奏上しました。近衛天皇は崩御すると、後継天皇を決める王者議定に参加したのは源雅定と三条公教で、美福門院と関係の深い公卿でした。候補として、重仁親王・守仁親王・�損卞眇堂Δ�上がりましたが、守仁親王が即位するまでの中継ぎとして、父の雅仁親王が即位する事になりました。これが後白河天皇です。新体制が成立すると、後白河天皇と藤原忻子、守仁親王と姝子内親王の婚姻が行われました。ところが、鳥羽法皇が病に倒れました。病床の鳥羽法皇は、源為義・平清盛ら北面武士１０名に祭文（誓約書）を書かせて美福門院に差し出させました。そして、鳥羽法皇が崩御すると事態は急変しました。勅命により検非違使の平基盛（清盛の次男）・平維繁・源義康が召集され、京中の武士の動きを停止する措置が取られました。藤原頼長の命で京に潜伏していた容疑で、大和源氏の源親治が平基盛に捕らえられました。さらに藤原忠実・頼長が荘園から軍兵を集める事を停止する後白河天皇の御教書（綸旨）が諸国に下されると同時に、蔵人・高階俊成と源義朝の随兵が東三条殿に乱入して邸宅を没官しました。これは、藤原頼長に謀反の罪がかけられた事を意味しました。後白河天皇の勅命・綸旨が用いられていますが、実際に背後で全てを取り仕切っていたのは側近の信西でした。藤原忠実・頼長は追い詰められ、もはや兵を挙げて局面を打開する以外に道は無くなりました。崇徳上皇は少数の側近とともに鳥羽田中殿を脱出しました。謀反人の烙印を押された藤原頼長は、挙兵の正当性を得るために崇徳上皇を担ぐ事を決意し、上洛して白河北殿に入りました。白河北殿には崇徳上皇の側近・藤原教長やづ藤原頼長の母方の縁者である藤原盛憲・経憲の兄弟、武士では平家弘・源為国・源為義・平忠正（清盛の叔父）・源頼憲などが集結しました。これに対して後白河天皇・守仁親王の陣営も、源義朝・源義康に加え、平清盛・源頼政・源重成・源季実・平信兼・平維繁が続々と召集され、軍兵で埋め尽くされました。藤原忠通・基実父子も参入しました。平清盛と源義朝は天皇の御前に呼び出されて作戦を奏上した後、出撃の準備に入りました。平清盛が率いる３００騎が二条大路を、源義朝が率いる２００騎が大炊御門大路を、源義康が率いる１００騎が近衛大路を東に向かい、寅の刻（午前４時頃）に崇徳上皇方と戦闘の火蓋が切られました。後白河天皇は神鏡剣璽とともに高松殿の隣にある東三条殿に移り、源頼盛が数百の兵で周囲を固めました。崇徳上皇方は、源為朝が得意の強弓で獅子奮迅の活躍を見せました。このため、平清盛軍は有力郎等の藤原忠直・山田是行が犠牲となり、源義朝軍も５０名を超える死傷者を出して撤退を余儀なくされました。源為朝の強弓は後年、負傷した大庭景義が「我が朝無双の弓矢の達者なり」と賞賛しています。攻めあぐねた後白河天皇方は、新手の軍勢として源頼政・源重成・平信兼を投入し、源義朝の献策を入れて白河北殿の西隣にある藤原家成邸に火を放ちました。辰の刻（午前８時頃）に火が白河北殿に燃え移って崇徳上皇方は総崩れとなり、崇徳上皇や藤原頼長は御所を脱出して行方をくらましました。合戦の勝利を受けて朝廷は、その日のうちに藤原忠通を藤氏長者とする宣旨を下し、戦功のあった武士に恩賞を与えました。平清盛は播磨守、源義朝は右馬権頭（後に左馬頭）に補任され、源義朝と源義康は内昇殿を認められました。藤氏長者の地位は藤原道長以降、摂関家の家長に決定権があり、天皇が任命する事はありませんでした。逃亡していた崇徳上皇が仁和寺に出頭しました。藤原頼長は合戦で首に矢が刺さる重傷を負いながらも、木津川をさかのぼって南都まで逃げ延びましたが、藤原忠実に対面を拒絶されて死去しました。崇徳上皇の出頭に伴い、藤原教長や源為義など上皇方の貴族・武士は続々と投降しました。崇徳上皇は讃岐に配流されました。天皇または上皇の配流は、「藤原仲麻呂の乱」での淳仁天皇の淡路配流以来、およそ４００年ぶりの出来事でした。崇徳上皇は二度と京の地を踏む事はなく、８年後にこの世を去りました。重仁親王は出家しました。藤原忠実は洛北知足院に幽閉の身となりました。武士に対する処罰は厳しく、「薬子の変」を最後に行われていなかった死刑が復活し、平忠正、平長盛、源為義、源頼賢、源頼仲、源為宗、源為成、源為仲、平家弘、源頼憲、源盛綱が斬首となりました。死刑の復活には疑問の声も上がりましたが、「法曹類林」を著すほどの法知識を持った信西の裁断に反論できる者はいませんでした。平清盛が自ら叔父・平忠正一族を斬り、源義朝が自ら父・源為義一族を斬りました。貴族は流罪となりました。ただ一人逃亡していた源為朝は、近江に潜伏していたところを捕らえられ、伊豆大島に配流となりました。こうして天皇方は反対派の排除に成功しました。朝廷の対立が武力によって解決され、数百年ぶりに死刑が執行された事は人々に衝撃を与え、実力で敵を倒す「中世」という時代の到来を示すものとなりました。この乱が「武者の世」の始まりであり、歴史の転換点となったのでした。この「保元の乱」後に主導権を握ったのは信西で、国政改革に着手しました。信西の子息もそれぞれ弁官や大国の受領に抜擢されました。信西一門の急速な台頭は旧来の院近臣や貴族の反感を買い、やがて反信西派が形成される事になります。さらに院近臣も後白河上皇を支持するグループ（後白河院政派）と二条天皇を支持するグループ（二条親政派）に分裂し、朝廷内は三つ巴の対立の様相を呈するようになります。この対立はやがて頂点に達し、再度の政変と武力衝突「平治の乱」が勃発する事になるのです。
次に、凱旋門が落成です。凱旋門は、前年のアウステルリッツの戦いに勝利した記念に１８０６年、ナポレオン・ボナパルトの命によって建設が始まりました。ルイ・フィリップの復古王政時代の１８３６年に完成しました。ナポレオンは凱旋門が完成する前に既に死去しており、彼がこの門をくぐったのは１８４０年にパリに改葬された時でした。古代ローマの凱旋門に範を取ったもので、新古典主義の代表作の一つです。エトワール凱旋門の下には、第一次世界大戦の無名戦士の墓があります。第二次世界大戦ではナチス・ドイツのパリ占領に際してナチス・ドイツ国旗が掲げられ、ヒトラーが戦車で凱旋しました。この凱旋門を中心に、シャンゼリゼ通りを始め、１２本の通りが放射状に延びておりその形が地図上で光り輝く「星」のように見えるので、この広場は「星の広場（エトワール広場）」と呼ばれていました。現在、この広場は「シャルル・ド・ゴール広場」と名称が変更になっています。
その次に、第二次長州征伐（四境戦争）：石州口の戦いです。この石州口は、大村益次郎が指揮しました。芸州口の防御重視の戦い方とは打って変わって進襲主義を採り、中立的立場を取った津和野藩を通過して徳川慶喜の実弟・松平武聰が藩主であった浜田藩へ侵攻しました。長州軍は、浜田藩と津和野藩の藩境である扇原関門に到達すると大村益次郎が開門を要求しました。浜田藩の守将・岸静江は拒否し、部下を退却させると長槍を手に一人で長州軍の進軍を防ごうとしました。「我命ある限り貴軍を阻止せん」と長州兵と対峙しました。しかし、至近距離から発射されたミニエー銃の銃弾に胸腹を貫かれ、長槍を持ったまま絶命しました。この姿に感動した大村益次郎は、通りかかった西禅寺の住僧に岸静江を丁重に葬り、その上に碑を建てるように依頼しました。長州軍は益田に突入し、参戦していた福山藩兵の駐屯地二箇所を蹴散らしました。続いて浜田藩兵と戦いました。浜田藩兵が戦国さながらの一騎打ちを挑み、隊長級の長州兵が討ち取られ、一時長州軍が後退する場面があったものの、大村益次郎の巧みな指揮で陣の三方向を攻囲し、敵の突撃路を開けておいてそこに兵を伏せ、案の定そこから敵が突撃してきたところを潰滅させました。幕府軍監・三枝刑部は討死、浜田藩隊長・山本半弥は切腹しました。その後に、幕府軍の後詰として紀州藩兵が控えており、益田の急報を聞き戦場に向かっていましたが、浜田軍の敗報が伝わり動揺したところに浜田藩軍の敗残兵が通りかかりました。紀伊軍は長州軍とこれを誤認して攻撃を加えるなど大混乱を呈した上に戦わず撤退し、益田は長州藩の手に陥ちたのでした。益田を陥落させた長州軍は浜田城下に迫りました。この時、既に紀州軍の兵に戦意はなく、援軍の出雲松江藩軍・小部隊のみで、因幡鳥取藩軍の士気も高くありませんでした。これら諸藩軍も着陣しましたが、浜田を守る主力は浜田藩軍数百と福山藩軍千数百のみでした。浜田藩は大麻山、福山藩と松江藩は雲雀山を陣として相互に連携し合って長州を退ける策を採りました。紀州藩は後方で後詰の役割を果たしました。対する長州藩は、まず大麻山に全軍を集中させ、順次敵陣を陥れていく各個撃破作戦を採りました。そして未明に、砲撃とともに長州の精鋭が敵陣に突入を開始しました。これに驚いた浜田軍は逃げ散り、大多数の兵が雲雀山に逃げ込んで大麻山はあっと言う間に占領されました。その報告に肝を潰した紀州軍は司令官の家老が逃亡し、動揺したところに砲撃と突撃を加えられ潰滅、雲雀山の三藩連合軍も近代兵器と近代戦術を駆使した長州藩軍を支えきれずに敗走しました。三藩連合軍は何とか周布川の東岸に踏み留まり、幕府の援軍を待ちました。しかし、幕府の要請を受けた鳥取藩や浜田藩に直々の要請を受けた岡山藩は援兵を出しませんでした。万事休した浜田藩庁は、和睦の使者を長州陣に送りました。長州側は浜田藩領に入り込んでいた諸藩軍の撤兵を要求しました。降伏を恥じた浜田軍は自ら浜田城に火をかけ、藩主夫妻は藩士によって汽船で松江藩領に亡命させられました。諸藩の兵も順次撤退し、藩士の多くは美作の飛地に逃亡したため、浜田藩領は空白地の状態になってしまいました。百姓主体の長州藩軍が、ついに一藩を崩壊させる事に至ったのでした。浜田の百姓・町人の代表が長州の陣に至り、入城を乞いました。浜田城下には｢長州支配｣と書かれた杭が立てられ、民政官が置かれました。紀州軍が守っていましたが浜田陥落とともに撤兵し、天領・石見銀山とともに津和野藩領を除いた石見一国が長州藩の支配に入る事となりました。この支配は明治まで続く事となりますが、敗走した諸藩軍は敢えて長州軍に再度戦いを挑もうとしませんでした。こうして「石州口の戦い」は長州軍の勝利で終止符が打たれたのです。
その次の次に、西南戦争：米良の戦いです。７月１３日に人吉が陥落した後、「干城隊」指揮長・阿多荘五郎は米良口の指揮を執る事となりました。諸隊を編成して米良方面の守りを固めていましたが、７月２３日に高山天包に進撃しましたが敗れて越の尾に退却しました。７月２９日、越の尾を攻めてきた政府軍に、またも敗退しました。８月２日、銀鏡にいた部隊は美々津に退却せよとの命令を受けて、美々津に向かいました。
そのまた次に、日清戦争：成歓の戦いです。葉志超総督、聶士成山西太原鎮総兵に率いられた清国軍（北洋陸軍、歩兵約２５００名、山砲８門）が牙山に上陸しました。朝鮮政府から大鳥圭介公使に対して、牙山の清国軍撃退が要請され、混成第９旅団（旅団長大島義昌少将）にその旨が伝達されました。日本軍は牙城に籠る清国兵を攻撃するため出発しました。７月２９日午前３時２０分、佳龍里おいて清国兵の攻撃により歩兵第２１連隊第１２中隊長・松崎直臣歩兵大尉が戦死し（日本初の戦死者）、他数名が死傷しました（安城渡の戦い）。ここで戦死した歩兵第２１連隊の木口小平二等卒は、「死んでもラッパを離さずに吹き続けた」という武勇が語り継がれる事になりました。午前８時３０分に日本混成第９旅団は、成歓の敵陣地を制圧しました。大島旅団長は清国軍の主力が牙山にあるとし、７月２９日午前に全旅団に牙山へ向け出発を命じました。午後３時頃、牙山に到達しましたが、清国軍は敗走していました。この作戦の日本側の死傷者は８８名、清国兵は５００名以上の死傷者を出し、武器等を放棄して平壌まで逃亡しました。これが、「日清戦争」最初の陸戦となりました。
そのまた次の次に、ヒトラーがナチス党党首に就任です。ナチス党（国家社会主義ドイツ労働者党）は、前身の党「ドイツ労働者党」から、党の実力者となったヒトラーが改名を主張し、この名称になりました。アドルフ・ヒトラーは、ドイツ国軍が非合法に行っていた政治情勢を調査する仕事をしており、元々ナチスに接近したのは、上官であるカール・マイヤー大尉にスパイを命ぜられたためでした。同党が開いた集会に参加し、数日後に入党しました。ヒトラーは自分が７番目の党創設メンバーであると主張しました。ヒトラーはドレクスラーに見込まれ、たちまち党に不可欠な巧みな演説者となりました。ヒトラーは軍の仕事から離れ、党務に専念するようになりました。ヒトラーは軍とのパイプを持つエルンスト・レーム大尉やエッカートらの支持もあって党内で勢力を拡大しました。ヒトラーは党内一番の人気弁士であり、数千人の聴衆を集める事が出来ました。党財政においても、ヒトラーは欠かせない存在になっていきました。１９２１年７月、ヒトラー色を薄めようとする党内の動きに対して、自らを唯一絶対の指導者とする独裁権（指導者原理）を要求するに至りました。党内には反発もありましたが、離党をちらつかせたヒトラーに屈し、７月２９日に開かれた幹部会議で認められました。ドレクスラーは名誉議長に棚上げされ、ヒトラーが議長となりました。この頃から、ヒトラーはエッカートやヘスといった支持者から指導者を意味する「総統」と呼ばれるようになり、党内に定着しました。これは、ヒトラーの終生の肩書きとなりました。こうしてヒトラーは、ナチス党の党首になり、やがてドイツを支配し、世界中を震撼させる事になります。
最後に、第二次世界大戦：浜松艦砲射撃、大垣空襲です。
浜松艦砲射撃：１９４５年７月２９日の夜９時４５分、アメリカ、イギリスの艦艇８隻（サウス・ダコタ、キング・ジョージ５世など）による遠州灘かたの静岡県浜松市への艦砲射撃が行なわれました。軍事基地があった三方原や、天竜川鉄橋、高射砲陣地などがあった中野町、和田、飯田などの被害が大きくなりました。この艦砲射撃で、２０００発の砲弾を浴び、１７０人の死者を出しました。
大垣空襲：１９４５年７月２９日の夜半、「Ｂ−２９」の編隊による岐阜県大垣市への空襲が行なわれました。２１０００発の爆弾が投下されました。この空襲により、大垣城（当時の国宝）、大垣別院・開闡寺などが焼失しました。この空襲で、死者５０人、負傷者１００、全半壊家屋４９００戸、罹災者３００００人の被害を出しました。市街地の大半は焼失し、残った建物は大垣駅などわずかでした。
今日の誕生日：アルマウェル・ハンセン、ベニート・ムッソリーニ、重光葵、橋本龍太郎（第８２・８３代内閣総理大臣）、不破万作、せんだみつお、山田久志、さくまあきら、秋吉久美子、志位和夫、三屋裕子、高木美保、林部直樹（米米ＣＬＵＢ）、村田渚（元フォークダンスＤＥ成子坂）、ＡＺＵＫＩ七（元ＧＡＲＮＥＴ ＣＲＯＷ）、坂上香織、葉山エレーヌ、村重杏奈（ＨＫＴ４８）、秋山眞緒（つばきファクトリー）、阿部夢梨（ＳＵＰＥＲ☆ＧｉＲＬＳ）
今日の記念日：アマチュア無線の日、白だしの日、福神漬の日、七福神の日、水素医学の日
今日の「今日訓」：本日は、上杉和也が亡くなった日です。「甲子園に連れて行って」という朝倉南の夢を叶えるため１年生でありながら野球部のエースとして活躍し、地区予選決勝に向かう途中に交通事故死しました。１９５２年、戦中に禁止されていたアマチュア無線が解禁され、全国の３０人に無線局予備免許が交付された事を記念して「アマチュア無線の日」、水素研究会設立の日で「水素医学の日」、１９７８年に、初めて白醤油にだしを加えた調味料「白だし」を製造販売した「七福醸造」の社名「７（しち）２（ふ）９（く）」の語呂合わせで「白だしの日」、福神漬の名前の由来「七福神」から、「７(しち)２(ふ)９(く)」の語呂合わせで「福神漬の日」、「七福神の日」となりました。
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