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2020年07月14日17:38

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「医学権威性の保守的態様」に依り、歪められる事実関係の数々。

昨日の続きになるけれど・・。

この事案、報じられる内容やボリュームに相当程度の「落差」「異なり」があるのね。
一言で言って「被告の医師側に優位性があるかのような」状態でここまで来た、と。

一方で、原告被害者側における事実関係を照らし合わせていくと、
客観的間接項目にはなるが、複数の「疑義」が存在する。
その辺りについて、詳細に渡り記されているのが以下。

https://bunshun.jp/articles/-/38966

これを観ていく限り、本記事の被告側弁護団に拠る主張とは乖離する点がある。
先ず【(1)病院関係者の証言がしりぞけられたことについて】の部分。

<1審は、看護師の証言などから、手術後に女性が
「ふざけんな、ぶっ殺してやる」などと言ったと認定した。カルテには
「不安言動は見られていた」とあるものの、せん妄との記載はなく
「術後覚醒良好」と書かれていた。>

上記について一審では、記事通り「術後覚醒良好」とのカルテ記録だったのが、
告訴後、弁護士や病院スタッフとの折衝後に「半覚醒状態だったと思う」との内容に
証言を変更している。この度の高裁判決では、この点を採用して
“看護師による証言の信用性は低い”としている。

よって、本記事にある「看護師の皆さんが病院関係者であり、
病院側に優位な偽証をする動機があるというようなことを言った。
しかし、控訴審の裁判官は彼女の証言を見てもいない。
詳細な証言を一言で片付けるのはあまりにも非常識だ」
との被告側高野弁護士の主張には、「証言の変更理由」についての弁明がなく、
“詳細な証言”ではないと判断した高裁に対する反論になっていない。

【(2)科捜研の鑑定結果の評価について】の部分。

>高野弁護士は「鑑定を裏付ける客観的証拠が何一つない。
鑑定した人がちゃんとやりましたと言えば、裏付けるものが何もなくても
信用しなきゃいけないのか。非科学的だ」と憤った。

について。上記の文春記事にある数値関連の他、一審判決後に原告弁護団から
以下のような反証が述べられている。

https://www.bengo4.com/c_1009/n_9369/

この内容からすると、高野弁護士が言う
「鑑定を裏付ける客観的証拠が何一つない」ということには全くなっていない。

【(3)せん妄についての判断について】

この症状について、自身の経験則に基づいて先だって記したが。
個人差はあれど、せん妄症状は徐々に低下しゆくものであり。
そして、これも個人差はあるが、せん妄状態から完全に脱するには、
少なくとも1時間程度〜数時間の緩やかな時間経過を辿るのが一般的だ。

が、当事案の時系列・事象から追っても、被害者の覚醒過程は非常に早い。
このことからせん妄の度合い自体は全体的にかなり「軽度」で、回復経緯からしても
“極めて一時的なせん妄状態”だったことが伺える。

高野弁護士は「検察側証人の診断は、世界的なせん妄に関する診断基準を無視した
独自のもので、なんの裏付けもない。科学者たちの証言を根こそぎ否定する暴挙に出た」と批判。

付随して弁護側証人の「せん妄状態にあり、LINEメッセージを打つことは、
手続きの記憶として意識的な処理なしに自動的に行える」との見解において、

『せん妄状態であっても可能で、女性が幻覚であった可能性が高い』
の中の【可能性が高い】ことを裏付ける科学的データが
如何なるものかについて、一切言及されていない。

つまり、「可能性の有無」と「可能性の高低」は別であって、
僅か1%でも可能性がある限り、せん妄状態でもLINEが打てる可能性が
「高い」とするには、いささか誇張または曲解過ぎる。

結局、行使出来る可能性(蓋然性)が低くても、可能性が僅かでもある限り
「出来る」とするばかりか、「高い」とするためには
「補完的要素」がなければ立証は具現化・信憑性が高まらない。

にもかかわらず、可能性があるだけで、LINEを打てた可能性が「高い」という
飛躍論理を高野弁護士は主張している状態で、寧ろ被告側も「非科学的論理」を
混ぜ込んでいると言わざるを得ない。

他方で、文春記事にもあるように、被告医師による「写真撮影」の事実関係。
警察の捜査前に「削除」している。しかも、普通患者患部の写真には、
本人とわかる「顔写真」まで写さないのに、原告被害者の場合は写している点。

こうした幾つかの「背景要素」が補完されている結果、総合的観点で
逆転判決に至った・・とすれば、特段に驚くほどの裁定とも言えない。

あえて、かなりざっくりした言い方をすれば・・
この裁判は、医療裁判によく観られる「医学権威性の保守的態様」が
全体を覆っていて、弱い個人が権威により毀損される・・
ある種有り体な、古典的様相にあった・・とみていいと思うのだが。。

■「一昔前の冤罪判決そのもの」 乳腺外科医に逆転有罪、弁護側は上告へ
(弁護士ドットコム - 07月13日 19:12)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=149&from=diary&id=6156284
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