親友カラスくらげさんへ

電話の内容は私の話が多かった

彼はほとんど外出しないし人と会う事もなく
独りきりだった

だから外の世界の話が聞きたかったんだろう

私は仕事の愚痴を話す。笑って彼は話を聞く。

仕事で疲れていたり自分の時間が欲しいのに
毎日電話はかかってきた

仕事している時間、お風呂、トイレ以外は
ずっと通話中だった

いつしかそれに我慢できず
休日は電話なしにしようと私が言うようになった

「寂しいんだよう」仕方なく電話をしてストレスに感じた事もよくあった

私の声を聞くと安心すると言って
就寝時は通話中のまま寝ていた

イビキで寝れなくて切るとまた直ぐにかけ直してくる

そんな生活が3年近く続いた

なのにあの日に限って電話がなく
ああ、今日は薬が効いてよく寝ているんだろうと
ワン切りせずそのまま寝てしまった

翌日の朝もかかって来ない
休日だから遠慮してくれたかな？

その日届いたDVDを見て夜になる
あれ？まぁいつもの時間にワン切りするか

出ない…。おかしい…。

朝になってかけても出ない。昼もずっと

私はその時これはもしかして！と思って色々な場所に電話をして

結局その日に安否がわからず
警察からの連絡で亡くなっていたと聞いた

何度も何度も何度も悔やんだ

あの日電話していたら、通話状態で異変に気づけていたら私だけが彼を助けられたかもしれないのに

彼を独りきりのまま逝かせてしまった

警察がとりあってくれなかったからとかよりも
誰より早く私が気づくべきだった

あの日彼に何が起きたのかわからない
知ってどうする？と思う

でもこのまま一生知らないまま私は過ごすのか？

今ワン切りしたら着信あるような気がする

3年染み付いた日課があの日から消えた
孤独な彼の為に電話してきたつもりだったけど

初めてそれがどんなに私を救ってくれていたか
今痛い程感じる

ゴメンね電話してあげなくて
寂しいよ貴方がいなくて

留守番の声も今は消えてない

貴方の声聞きたい

カラスくらげさん、今どうしてる？
私の事見えてる？

メッセージ送ったよ。返事ないのわかってるけど
マイミク998人だったよ

いつも1000人いる？って心配してたよね
1000分の1の友達だ

日記に僕の悪口書かないでって言ってたケド
ゴメン書いた(笑)

だってこのmixiにいないと貴方を感じれないから

初めは日記のファンだった
マイミクになって電話して

私のいちばんの友達だった

ありがとね。知り合えて良かった
私は幸せだったよ

いつか本当に会おうKY君と一緒にね