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2020年07月01日06:14

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6月の読書記録

先月後半は前の職場の有給消化で丸々やすみ。ということで、先月後半はほぼ読書三昧。コロナで旅行も憚れたし。おかげで以前から読みたい、あるいは読み返したいと思っていた本をまとめて読むことができた。しかし、『コーラン』、『富士日記』、『正法眼蔵』って、傾向が滅茶苦茶だな(笑)。ナイスが2百を超えたのが嬉しい。今日から新しい職場。仕事ももちろんだけれど、読書も頑張ろう。

2020年6月の読書メーター
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:7530ページ
ナイス数:235ナイス

https://bookmeter.com/users/4147/summary/monthly
■現代文訳 正法眼蔵 5 (河出文庫)
途中、他の本に浮気したため(笑)、全体のイメージをつかめることができず。また、解説にもあるように、幾分付け足し的要素もあるため、前巻までの鮮烈なイメージに乏しいというのが正直なところ。特に終盤は、やや世俗的な説教的な趣があり、やや退屈な印象が否めなかったか。また、仏教説話的エピソードの割合が多かった。全巻を読了して思ったのは、今更ながらだが、仏教についての素養の欠落。特に個々のタームについてあまり理解しないまま読み進めた感が。また、注釈の掲載が巻末というのはかなり不親切。今度は再度原典に挑戦するかな。
読了日:06月30日 著者:道元
https://bookmeter.com/books/243740

■日本語のゆくえ
概ね興味深く読めたけれど、どこか新味に乏しいというのが、正直なところ。既存のアカデミズムに囚われない自由な発想や論考というのは、魅力的ではあるけれど、やはりエヴィデンスベースドという観点からすると説得力に欠けるのは否めない。そこは本人も自覚してあえて戦略的にやっており、それが売りでもあったのだろうけれど、今後検証が必要なところという気がする。とりわけ興味深かったのは、やはり最後の現代詩論か。この時代にあれだけの詩人が存在しているというのがまず驚き。また、その詩人達に自然が欠落しているという指摘も新鮮。
読了日:06月30日 著者:吉本 隆明
https://bookmeter.com/books/467196

■人生を面白くする 本物の教養 (幻冬舎新書)
時折、突っ込み所も散見されたが、概ね興味深く読めたか。とにかく、戦後の記憶力重視の詰め込み教育による弊害と、日本のトップの教養の浅さには、改めて危機感を覚えた。マスコミや世論に流されることなく、自分で考え行動し、発言できる力。それを身につけるためにはどうしたらいいか?という課題の指針になりえると思う。既存の習慣や体制に囚われることなく、もっと自由な発想で勉強や仕事に取り組む動きができたら、この閉塞感が蔓延した今の日本ももう少しすみやすくできるのでは?そうした発想を培うための教養。読書習慣があってよかった。
読了日:06月29日 著者:出口治明
https://bookmeter.com/books/9924165

■現代文訳 正法眼蔵 4 (河出文庫)
前巻に引き続き、幾度となく傍線を引きながら読んでいた。頻出する同語反復的な表現。文字面だけ見れば、無意味とさえ言えるのだが、どうしてこうも鮮烈な印象を残すのか?それだけではない。殆ど意味が理解できない記述にも、思わず引き込まれそうになること数知れず。また、その一方で座禅の重要性を度々説いている本書を寝転びながら読んでもいいのか?という気になったことも(苦笑)。でも、恐らくそれでもいいと思う。本書から何がしかを得てはいるのだから。それから、後記で紹介された良寛の詩が何より本書の魅力を雄弁に物語っている。
読了日:06月28日 著者:道元
https://bookmeter.com/books/218794

■自由思考
前々から著者と平野啓一郎と似ている気がしていたのだけれど、本書の前半など、半ば平野のエッセイ集を読んでいるような気に。また、やはり自分には小説家は無理だな…と改めて痛感(苦笑)。僕にはとてもあんな生みの苦しみに耐えられそうにない。それと気になった…というか、強く共感したのは、昨今の政治や世相に対する危機意識。とりわけ直接ジャーナリズムに関わる立場からの提言には重みがあり、想像以上に日本は危機的な状況にあると思わされる。それから大江や古井への敬意には触れているが、それより下の作家についての評価が気になる。
読了日:06月28日 著者:中村文則
https://bookmeter.com/books/13959704

■現代文訳 正法眼蔵 3 (河出文庫)
前二巻に比べると、さくさく読み進めることができたというだけでなく、時折傍線を引いていたということもあってか、これまでになく内容が入ってきた感が。それでも理解の程は甚だ怪しい…というか、その十分の一も理解できていないのでは?という気さえする。それでも、巻末の解説にあるように、自分なりに楽しんで読むのもあり。ただ、そのためには更なる通読が必要とされそうだが。また、これまで闇雲に読み進めてきたが、今回一つ一つのタームについての理解が乏しいことを再認識。要注釈。また、終盤の所作については、その重要性を再認識。
読了日:06月26日 著者:道元
https://bookmeter.com/books/243739

■富士日記(下) 新版 (中公文庫)
夫婦の形は人それぞれ。時に甘え、我が儘を言ったり、叱ったり…それでも互いに慈しみ合う。その相方が段々と弱り身罷るのを余儀なくされる。本作の後半あたりから、泰淳が如実に弱まっていく描写が何とも言えず切ない。しかも、糖尿病を患いながら、酒を飲んだり、高カロリーな食事をしたりするのだから、つい突っ込みたくなる。また最早若くはない我が身を省み、長生きするつもりはなくても不摂生な生活は慎もうと思う次第。泰淳と大岡昇平が互いの体調について話し合う場面が悲しくもおかしい。終盤で島尾ミホの名前が頻出するのが嬉しい。
読了日:06月25日 著者:武田百合子
https://bookmeter.com/books/14492732

■富士日記(中) 新版 (中公文庫)
インターネットはおろか、FAXも普及していない時代。別荘地からの原稿のやりとりの煩雑さは想像を絶する。だからこその人との関係性や絆が重要だったんだろうなと想像してしまう。何せ50年も前のこと。その他にも、時代を感じさせる記述のてんこ盛り。だからこそ注釈を設けてほしいと思うことしきり。それから、別荘周辺の地図も記載してくれると内容の理解が深まるのだが。とりわけ心を打たれるのは、やはり愛犬の死の描写か。須く生きる物に訪れる死。それがもたらす喪失感…また、交通事故の描写の多さも気になる。あれから改善できたか。
読了日:06月24日 著者:武田百合子
https://bookmeter.com/books/14624512

■富士日記(上) 新版 (中公文庫 (た15-10))
平易な文体なのだけれど、日記という体裁であるためか、文字面だけを読んでいたら、内容が頭に入っていないことに気づくこと数知れず。考えてみれば、半世紀前の話。今とは何かと事情が違い、行間を読んだり、想像力を働かせるということが要求される。新版と銘打っているのだから、もう少し注釈をつけてくれたら…とつい無いものねだりをしてしまう。また、頻出する地元の人達についても、巻頭に神物紹介欄を設けて欲しかったか。いわゆるリゾート地での生活を綴ったものだが、それ程優雅でなかったりする。高カロリーな食生活が妙に気になる。
読了日:06月22日 著者:武田 百合子
https://bookmeter.com/books/13725509

■現代文訳 正法眼蔵 2 (河出文庫)
このヴァージョンを含めて、正法眼蔵は5、6回に渡って読んでいるはずなのに、全くと言っていい程理解が深まったとか頭に残ったという塩梅にならない。それでも、いずれまた読み直したいという気になるし、実際に読み直してしまう…これは一体何なのか?つまり、禅修行と同じで、頭ではなく、体で理解すべきものということか。体で理解すべものをあえて言語で解き明かそうとする途方もない試み。そのことによって生み出される豊穣な世界…1巻でも同じようなことを述べた気がするが、そのようにしか表現できない唯一無二のテキスト。解説も秀逸。
読了日:06月21日 著者:道元
https://bookmeter.com/books/243738

■そのうちなんとかなるだろう
人生の折り返し地点を過ぎて、こういう自叙伝を読むと、色々な意味で身につまされるな…と改めて痛感。リアルタイムでは黒歴史にしておきたいと思ったことでも、人生の終わりが見えてきた頃には「まあ、あれはあれで肥やしになったところもあるかな」という感じで肯定できるようになるのでは?という気にさせられた。色々な目にあいながらも、結構楽しそうに見えるのは、本人の性格もあるが、著者独自の身体感覚によるのでは?と思う。前妻との離婚、義父との交流、父子家庭時代のエピソード、家事分担のあり方などは、家庭を持つ人必読では。
読了日:06月20日 著者:内田樹
https://bookmeter.com/books/14095279

■黒死館殺人事件 (河出文庫)
これまで何度か挑戦したが挫折。30年近くを経て読了。今回、挫折の原因は世界史とキリスト教の知識の欠如ではないか?と思い当たった。それはともかくとして、夥しいルビと難解な漢字と外国人固有名。解説にもあるように、引用される史実には恐らく意図的と思われる誤りもあるようで、それら全てをひっくるめてこの小説独自の世界だと思って読み進める必要がありそう。理知的な性格であるはずの探偵法水がさも自信ありげに披露する推理が、かなりの頻度で覆るのが肝の一つか。特に終盤はどんでん返しにつぐどんでん返し。最後のオチにあれ?
読了日:06月18日 著者:小栗 虫太郎
https://bookmeter.com/books/545226

■現代文訳 正法眼蔵 1 (河出文庫)
かれこれ三、四回は読み返しているはず。正直言って、理解の程は甚だ怪しい。でも躍動感を湛えた訳文の魅力も相まってか、つい読み進めてしまう。本来言葉にすることができないはずの禅。それを言葉にするという不可能な試みにあえて挑むことによって、豊穣な世界が生み出される…日本という極東の島国でこのような途方もない試みが偉大な書物のなって結実したという事実に改めて驚愕。理解しようとして読んではいけない。でも決して理解を拒んでいるわけではない。普通の書物とは違う読み方が要求される。そんな類の書物ではないかと思わされた。
読了日:06月17日 著者:道元
https://bookmeter.com/books/62655

■コーラン 下 (岩波文庫 青 813-3)
全3巻を読了はしたけれど、この読書体験は一体何だったのか?という気になってしまう。別に無駄な体験だったとは思わないし、興味深い箇所もあった。だが、本書を読んで、イスラム教の魅力を感じたり、それへと信仰に向かう気持ちが多少なりとも理解できたとはとても言えない。やたら好戦的、攻撃的な記述が続くのに時々辟易することさえある。これはやはり砂漠地帯という風土やアラブ世界の文化や歴史という文脈の中でこそ、その教えが身をもって理解できるのでは?という気にさせられる。またイスラム教とキリスト教との関係の危うさも再認識。
読了日:06月15日 著者:
https://bookmeter.com/books/552991

■曲説フランス文学 (岩波現代文庫)
こんな本がかつてカッパブックスから出ていたなんて…それが当時としても、前代未聞なことではあったにせよ、やはり時代的なものを感じてしまう。碩学の仏文学者による、ここまで平易に語られた仏文学史が存在したとは。恐らく当時は、現在よりも仏独など英米以外の言語や文化に対する関心が高かったという事情も察せられる。また元々ラテン語の強い影響下にあったフランスにおいて徐々に自国の言葉を確立していく過程を見ると、かなり早い段階で独自の言語表記を確立した日本の特異性を改めて認識。後、著者の世相批判は、今日にも通じるもの。
読了日:06月14日 著者:渡辺 一夫
https://bookmeter.com/books/24038

■さよなら、コンスタンス
平易な文体、軽妙な会話文。でもストーリー展開がうまいこと理解することができず、途中から半ば字面を目で追う状態に。夥しいまでに頻出する映画のタイトル及び映画俳優についての注釈がないのがあまりに不親切。もっともこれは史実と食い違うという事情も絡んでいるのかもしれないが、だとしたら一層その辺りを解説してもらわないと、読む側は余計に混乱するばかり。しかも、本作が三部作の最終作であることを解説によってようやく知ることに。そりゃわけがわからん筈だわと納得、ただ、ラストは感動的だったけれど。一作目から読んでみるか。
読了日:06月11日 著者:レイ・ブラッドベリ
https://bookmeter.com/books/105428

■塵よりよみがえり
どことなし、『百年の孤独』を連想させる。時折、アニメっぽい情景描写があるのだけれど、恐らくアニメ化すると台無しになりそうな…一貫したストーリーがありそうでなさそうなのは、元々別の作品を一つにまとめたということで納得。主人公というか…狂言回し的な存在のティモシーが一族の中で唯一の普通の人間というのは、解説を読むまで認識できなかった。自分の読みの浅さを反省。ただ、その普通の少年である筈の彼が、終盤で尋常ではない働きをするのも妙と言えるか。ストーリーの流れを楽しむより、個々のエピソードを選んで楽しむべきかも。
読了日:06月10日 著者:レイ ブラッドベリ
https://bookmeter.com/books/421700

■コーラン〈中〉 (岩波文庫)
曲がりなりにも大宗教の経典。読んでいたら、多少なりとも感銘を受ける箇所、ハッとさせられる箇所がありそうなものだが、一読する限り、そういう箇所は皆無。確かに、ユダヤ教やキリスト教との複雑な関係が示唆される箇所は少なからずあるけれど、あくまでそれは興味の対象以上のものではない。これはもしかすると、アラブという歴史的及び風土的環境を考慮する…というかその中で読まないと本当の意味は伝わらないのかも?という気にさせられた。またかつてのメディナが多分にユダヤ文化の影響下にあったという解説での指摘が示唆的だった。
読了日:06月09日 著者:
https://bookmeter.com/books/552990

■コーラン 上 (岩波文庫 青 813-1)
キリスト教信者として、本書をどう読めばいいのか?かなりの部分が新旧約聖書やキリスト教、ユダヤ教に割かれ、時に双方に親和的でありながらも、時に過剰なまでに攻撃的。また、ムハンムドへの神からの啓示を文書化したという形態をとっているため、どこか眉唾な箇所が少なからず見られ、そこをどう解釈すれば良いのかも迷う。そもそもクルアーンは翻訳が禁じられているという建前になっている上に、原語でないとその真意が掴みにくいという事情もある。恐らく本書の通読が直接イスラム教入信へのきっかけにはならないだろうな…と思わされた。
読了日:06月06日 著者:
https://bookmeter.com/books/552988

■女ぎらい――ニッポンのミソジニー
何んとなし比較的最近出たものと思いきや、ちょうど10年前に出たとのこと。本書が世に出て10年間に、男性によるミソジニーの自覚はおろか、むしろ開き直りに近い女性蔑視的発言がSNSに跋扈する昨今。この10年間の男女間の関係、セクシュアリティの変化を踏まえた増補改訂版を世に問うべきではないかと思った。確かに、事実の一部のみを切り取り、大袈裟に取り上げているとみられる箇所もあるかもしれない。それでも、事実の一端であることには違いないだろう。まずはそのことを認めるべき。ホモソーシャル的世界の根深さを再認識した次第。
読了日:06月05日 著者:上野 千鶴子
https://bookmeter.com/books/647731

■「女子」という呪い
これだけのことを言われても、何も気づかない、あるいは気づこうともしない、むしろ怒り出す…そんな反応に出るオッサンが多いのでは?と思うと徒労感を覚える。書き手の思いを一番伝えたい人に最も伝わらないという現実。それでも、本書を読むことで多少なりとも「自分だけではなかった。自分も嫌なことは嫌と声をあげていいんだ」と思える女性が出てくるだけでも意義はあるのだろう。それにしても、自分が男であるということだけを根拠に女性を見下したり、値踏みする男性がこれ程多いという事実に驚き。そういう世界から疎遠で良かったな…と。
読了日:06月04日 著者:雨宮 処凛
https://bookmeter.com/books/12714604

■50代からの人生戦略
一読して、「実は俺の立ち位置って結構いけてるかも?」というのが第一印象。50代で一応管理職だけれど、ここで挙げられているアウトな50代と被る要素は殆どない。なまじバブル期に上の世代からマウントされなかったのがよかったのかも?それにしても、そのバブルが弾け、その後長い停滞期に入り、明るい未来が期待できなくなった昨今。僕達50代の人間はもちろんのこと、ロスジェネなど更に下の世代にとっては尚更これからの時代は長く辛いものになりそうで、何とも気が滅入る。こういう時に必要なのは、やはり教養や信仰ということか?
読了日:06月03日 著者:佐藤 優
https://bookmeter.com/books/15207129

■四苦八苦の哲学──生老病死を考える
40代だったら、もっと冷静に…というかある程度他人事として読んでいたのかもしれない。しかし、五十路を過ぎた今本書を読むと、確実に自分を引き合いに出してあれこれと考えながら読んでしまう。古今に渡って、老いを肯定的に捉える試み。しかし、所詮老いは確実に死に繋がるのは否定しがたい。周囲から惜しまれて大往生という理想的な死に方もあるが、恐らくそれはごく僅か。多くの人は疎まれたり、こんなはずではなかったのに…という思いを抱きながら、あるいはそんな思いさえ抱けずに亡くなるのだろう。ついそんなことを考えてしまった。
読了日:06月02日 著者:永江朗
https://bookmeter.com/books/13124456


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