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2020年06月21日15:23

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小説の一部 十六夜の月の廃墟

中世 とある欧州の小国

夜 廃墟となったはずの場所・・

十六夜の月がビロードのような夜の闇に鎮座して
星々が瞬き 花々が壊れた煉瓦や石の合間に花が咲いている

崩れかけた柱 もう100年の月日は過ぎ去っても
昔年 昔の面影を捜す事はまだ容易だった

リュートを持った少年が ゆっくりと音もなく降り立つ

「・・・近くの村の祭りに吟遊詩人として
歌と楽器の演奏の予定だから 来てみたんだけどね」

目を瞑り 小さな声で歌いだす まるで魔法の詠唱のごとく

詠唱に答えるかのように
ガヤガヤと酒場の賑わいが蘇る

「おやまあ そんなに酔って 
今日はうちの二階の宿の部屋に泊まっていくかい?」
世話好きで人の良さげな女将が笑う

「すまねええ」酔った客がにやけて笑う「誰か手伝っておくれ」

「あ、すまないけど この麦酒と葡萄酒
鳥の煮込みをあちらのテーブルの客へね」 

「はい」歌を口ずさんだ同じ少年が 酒場の手伝いをしている

歌を少年が止めると 幻が消え去り
白い影 幽霊たちが集まって来る

ざわざわと騒いでる

「・・もう記憶も薄れたんだね
自分が誰か・・姿も・・」

「100年か200年か もう昔の事だもの」

「・・後少しすれば 消え去ってしまう もう誰も嘆く者もない
それとも誰か 聖人でも来ればいいけど 
特別な祈りでも捧げてくれたら そしたら 地上から天へ還れるから」

「うふふ・・そこの草陰にいるのは近くの村の子かな?
 まだ小さい子供達2人」

・・・・・・・続きはサイトにて^^;

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