『グランド・マスター』（原題：一代宗師、英語題：The Grandmaster）は、ウォン・カーウァイ監督による2013年の中国−香港映画。
これは架空のお話ではなく、実在の武術家、葉 問（イップ・マン）を描いた伝記映画です。
舞台は日中戦争の少し前、1930年代の広東から始まって、1972年に葉 問が香港で亡くなるまで。
1953年には13歳のブルース・リーが入門、５年間葉問のもとで修業したということで、「ブルース・リーの師」として有名らしい人物です。
お話は、中国東北の功夫界の重鎮である宮宝森が引退間際に、北の技を南に伝え、逆に南の技を北に伝えて貰うために、その代表を決めるために広東にやってくるところから始まります。 そこで宮宝森と戦って代表に選ばれたのが葉 問でした。 ところが宮宝森の娘、宮若梅はそれに異を唱えて、葉 問との戦いになります。 その戦いで二人は心を通わせ、互いに恋心を抱くようになります。
しばらくして、葉 問が南の技を北に伝えるために出発しようとしたとき……日中戦争が勃発します。
葉 問をトニー・レオン、宮若梅をチャン・ツィイーが演じています。
というか、この二人が主演でなかったら、この映画はとんでもなく詰まらなかったのではないかな。
武侠映画といえるようなアクションシーンはごくわずかしかありません。
また日本軍の非道を描くシーンもごくわずかしかありません。
国民党と共産党の確執も無いようなもの。
ただ淡々と葉 問の苦境が描かれます。
50点。
『チャイニーズ・フェアリー・ストーリー』（原題：画壁、英題：Mural）は2011年の中国−香港映画。
聊斎志異の第１巻第６話から。 同じく第１巻の「画皮」（邦題：チャイニーズ・ゴースト・ストーリー、英語題：Painted Skin）2008の成功に続き作られた。 なおアマゾン解説のリリース年は間違っている。
あらすじ；書生の朱孝廉は科挙のため都に向かう道中立ち寄った古寺で、壁に描かれた散華天女の絵に心を奪われる。すると、絵の中の美女・牡丹が突如目の前に現れ、彼は思わず彼女の後を追いかけた。牡丹に導かれるまま迷い込んだ壁画の中の世界は、男子禁制の花の妖精の国だった。 そこで朱孝廉は芍薬という美女にかくまわれるが……。
出演；朱孝廉：�� 超(Deng Chao)、芍薬：孫 儷(Sun Li)、仙界の主：閆 妮(Yan Ni)
これは武侠映画ではなく、ファンタシーです。 聊斎志異の数ある短編の一つを引き延ばしたものですから、お話は単純、ただし怖さはほとんどゼロ。 見どころは花の妖精(笑)
チャイニーズ・ゴースト・ストーリーのほうが面白そうなんですが、怖さも格別っぽくて見てません(笑) そっちも現在プライムで無料なんですが。
音楽は、藤原育郎という日本人らしいのですが、特に可も不可も無し。
50点……は甘過ぎかな？ ナンタラ４８好き向き＾＾
『修羅の剣士』（原題：三少爺的劍、英題：Sword Master）2016
これは武侠物ですがプロットが複雑。 ウィキ日本版に項目がないので、説明したいところですが、説明しすぎると面白みが削がれます。
背景だけ説明しますと；
かつて”剣神”として名声を轟かせた剣士、通称「第三の師」がいた。 彼は最も隆盛を極める党派の跡継ぎでもあった。
一方、剣客、燕十三は、名前が「第三の師」に似ていてよく間違われるため、「第三の師」を殺して名を上げようとしていた。 ところがある日、「第三の師」が死んだと聞き、激しく落胆し、生きる気力を失う。
また「第三の師」を慕う幼なじみの女性がいたが、「第三の師」にフラれて愛と憎しみに苦しんでいた。
しかし「第三の師」は死んだわけではなかった……。
というお話で、これは時代背景が全く不明、というか、それはどうでも良いことでしょう。
でもなかなか面白い話でした。
出演者名はウィキ中文版に書いてあるのですが、燕十三役のピーター・ホー以外はあんまり有名じゃなさそうなので省略＾＾；
70点。
『戦神 ゴッド・オブ・ウォー』（原題：蕩寇風雲、英題：God of war）2017
倭寇を討伐した明の名将・戚継光の史実をもとにした歴史アクション映画。
と云うと、日本人を悪者にした中国映画か、と早とちりするかたもいそうですが、決してそうではありません。 ここの”倭寇”は、松浦藩の若君とその武将たちで、明の財を奪って反徳川の資金にすることが目的であると描かれています。
主演の戚継光役はチウ・マンチェクという人。 敵役の日本人武将を倉田保昭！！当時71歳が演じています。 途中もたつきますが、最後の死闘が見もの。
これもそれなりの見どころがあり、70点。
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