金城 和郎
6月10日 19:47
先週、娘の宿題を見ていた。
「今日、社会の授業で学習したことを自分の言葉でまとめましょう」
その課題に対する娘の答えを見たときに驚愕した。
問：今、領土を争って日本ともめている国を三つ書きなさい
答：�｜羃攷楊蔚ο孫顱´�大韓民国 ��ロシア
絶句したね。何、これ。
どーゆーことか娘に問うと、その日の社会の時間に配られたと言うプリントを見せてくれた。
日本を中心に描かれた東アジアの地図。そして日本を囲むように娘の手による赤線が引かれ「排他的経済水域」と書き込まれている。ここを中国や韓国が奪おうとしている、と言う。
言葉を失っている俺に異変を感じたのか（感じるだろうな。俺、怒りで学校に乗り込むつもりだったから）娘は小さな声で取り繕うように「もしかしたら自分が最後まで先生の話を聞いてなかったかも。きっと先生は最後に『でもみんな争いはせずに仲良くしましょうね』って言ったかもしれないよ」という。
そうかもしれない。娘が最後まで聞いていなかったかもしれない。でも。仮にそうだとしても、もし俺が今日、娘の自習ノートに目を向けなければ、彼女の認識の中でこの３つの国は日本と領土を争って揉めている「だけ」の国になってしまう。
娘に問う。君が好きなK-popやマーミー（祖母）が見ているドラマを作っている国は、日本と争って揉めている国なの？
娘は「あ！」と声を上げる。案の定「日本と領土を争っている大韓民国」と「大好きなBLACKPINKのいる韓国」は彼女の中でリンクしていなかった。同一の国ではなかった。
「例えばK-popなんて知らない君の友達。今日の話を聞いて、どう思ったかな？きっと「あの国は日本に攻めてくる悪い国だ！」って思ってないかな？そればっかりが残ってるんじゃないかな？そんな時、韓国の人と道でばったり会ったらその子たちはなんて言うかな？韓国のことを全く知らず「争っている」ってだけ思っている子たちはどんな事を言うかな？」
そこから娘は黙る。少しづつ何かを考えている。
「君はK-popアーティストが大好きだから、今すごく混乱しているでしょう。今日勉強した「大韓民国」と大好きな「韓国」について。いい国なのか悪い国なのか？どう思う？」
娘は大きい目に涙を溜めて「よくわかんない。でもなんか悲しい」と言う。
その涙はもしかしたら本当に何かを感じたかもしれないし、もしかしたら俺のただならぬ剣幕に驚いただけかもしれない。でもそのどっちでもよかった。
本当に今のこの状況を理解して何かを考えてくれればそれはすごくいい。
逆に今ははっきりとしたことがわからなくても、なぜ父親があの時、あんなに真剣な顔で話をしたかいつか思い出して自分の考えを導き出して欲しい。
確かに今現在の日本が周りの諸外国と全く問題がないとは言わない。でも、小学校の授業でそこだけを切り取って教えてしまって、その先に何があるんだろう。
自虐的な歴史を教えるな！と言う人がいる。アジア諸国の捏造された歴史に騙されるな！と言う声も。それはそれでいい。そう言う考えの人もいるならそれでいい。
でも、他の国や文化を知る前に、仲良くなる前に「今、日本とこの国は揉めています」なんて話をする事が本当の教育かね。
尖閣問題や竹島問題は、中国の偉大な歴史や韓国文化の琉球との親和性に親しむ前に教えなければいけないようなもんなのか、疑問なんだよ。
なんか学校の教育が変化してきているのかな。
あれから数日考えてる。なぜあの時俺はあんなに激怒し、娘が当惑するほど興奮したのだろう。きっとあの時俺はすごくショックですごく悔しくて堪らなかったんだと思う。娘が白いノートに一生懸命書いた字が「領土を争い日本と揉めている国を書きなさい」だったことが。俺はそんなことを書かせるために一生懸命働いてノートや鉛筆を買ってあげたのではないんだ。そんな感じだったんだよ。
追記：この投稿を見て「お前は韓国の手先だ」「中国に迎合している」なんてクソみたいな意見は一切受け付けない。議論する気もない。引っ込んでろ。
「今現在、中国船舶が領海侵犯していることは無視か！」も言ってくるな。そんなことは百も承知だよ。
ただ、その国を知らずその人たちと語らうこともせず、子供達に嫌悪感だけしか植えつけかねないこの「学習」の最たるもんが、パレスチナやコンゴの少年兵であることを想像するのはそんなに難しい話ではないよ。
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