世界的に大ヒットを飛ばした人気格闘ゲームを再び題材にした実写版。
幼い頃謎の組織シャドルーに目の前で父親を拉致されたチュンリー。
長く父の行方は知れずやがて彼女は成長し、ピアニストととして成功していた。
そんなある日彼女宛に謎の巻物が届けられる。
その内容とは拉致され死んだと思われていた父親が生きているという報せだった。
父がさらわれた謎と父親をさらったシャドルーに復讐するため彼女は今ある栄光すべてを捨ててシャドルーの活動が活発なバンコクに向かう。
彼女は長年シャドルーに対抗するレジスタンスの指導者ゲンと出会い、強力な力を持つシャドルーのボス、ベガを倒すべくゲンの下で修練を積みながら、ゲンの組織スパイダーウェブの一員として弱者のためにシャドルーへのゲリラ戦を繰り広げる。
しかしこれを聞いたベガは大部隊を率いてゲンの住処を強襲する。
反乱組織の活動拠点である臨海地域は支配され、チュンリーも奮戦むなしくベガに捕まり、ようやく再会がかなった父親を目の前で殺害されてしまう。
隙をつき辛くも逃げ出したチュンリーはインターポールでシャドルーを追うナッシュと組みベガに関する秘密取引情報を入手。
彼らが犯罪現場に会する情報ををもとにチュンリーは再びベガと戦うことを決意する。
そしてベガの襲撃を生き残った指導者ゲンと合流した彼女はベガ率いる武装集団に最後の戦いを挑むのだが…。
94年ヴァン・ダム主演で実写化された人気格闘ゲーム『ストリートファイター�供抛鹽挂椶箸覆觴村免如�
ヴァン・ダムの強烈キャラのごり押しと登場キャラクターの愛のない演出で総スカンとなった前作から数年。
今回は原作でも人気のキャラクター春麗を主人公に再度実写化した。
原作ファンにとっては春麗のストーリーはヴァン・ダム演じたガイル以上にその背景も詳細に描かれている重要キャラ。
しかし原作ファンのキャラクターへの想いは再び破られることとなる。
原作では麻薬捜査官だったチュンリーの設定はなぜかピアニストであり金持ちのお嬢様という驚きの設定に。
その他キャラクターも前作のような名の混乱はあまりなくなったものの、原作イメージと似ても似つかぬ姿には衝撃を通り越して呆れるばかり。
やはり原作をよく知る日本人にとっては人気ゲームの実写という評価は難しいところ。
ただしファン向けのサービスといえる場面も多々ある。
例えば春麗の看板でもある必殺技スピニングバードキックや気功砲は最新技術を使って見事に表現されているほか、主役はトレーニング結果を遺憾なく発揮。そしてクライマックスには原作ゲームの主役リュウの名前をだし原作につながる伏線を張っているのはニヤリとさせる。
肝心なアクションに関してはチュンリー役のクリスティン・クラックもかなり頑張っていたが、何より個人的にはいぶし銀の魅力と流石の動きを見せた格闘俳優ロビン・ショウ演じるゲンの方がインパクトに残っていた。
原作ファンにはおなじみの四天王のうちサガットを除くキャラが今回は登場しているが、ヴァン・ダム版よりも頑張るつもりがないようで、見た目が少し似ているバイソン役のマイケル・クラーク・ダンカンもボクサーというファイトスタイルを全く見せない。
そして最も問題はラスボス、ベガの演出。原作における要素は全くなく、普通の金髪のオッサンがベガを名乗っているのみ。
そんなグズグズ具合なため、格闘シーンにおいてもどこか中途半端で、おおよそ原作ファンの納得しうるレベルではない
人気キャラクターのスピンオフ系を企画するはいいがやはり原作ファンを満足させるものをハリウッドに求めるのは無理なのかもしれない。
評価…★★
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