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2020年05月13日11:30

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5月13日(水) #2028 冷静さを失うと現れる「悪口依存症」 (本文)

5月13日 水曜日

「コロナ女」や「テロリスト」という心無い非難の嵐がSNSで無情にも溢れかえっているようです。言わずもがなかもしれませんが、新型コロナウイルスに陽性反応が出ていた事を知りながら帰省と帰京をしていた事実を突いて、ウイルスをばら撒いたという非難のツイートがあちこちで投稿され、拡散、炎上しているのです。

しかしながら、もちろん新型コロナウイルスの感染拡大は、その方“だけ”のせいでは決してありませんし、誰もが感染を広めてしまう危険性を少なからず持ってしまっているのが現状なのです。その理由は、感染しても8割方の人が無症状のまま経過する傾向があり、見た目には誰が感染しているのかが、全くわからないからです。

ではなぜ、こんな非情な事件が起こってしまうのでしょうか? それは、一部のジャーナリストや心理学者の間で「恐慌や感染症流行などにより、深刻な不況になると多くの人が冷静さを失いかねない」とした上で、「その中で“誰かのせい”にする傾向が現れてくる」と言われています。

実はこれ、かつてあちこちで同じような事例があるのです。

ヨーロッパでペスト菌感染症が大流行した当時、今でこそペスト菌流行の原因は、汚水とそこに居着くネズミやノミなどにあると分かっていますが、混乱の最中では冷静さが失われ、「ユダヤ人がペスト菌をばら撒いた」というデマが流れると、多くの人はそれに迎合してしまいました。

日本でも、関東大震災が発生した当時は、混乱の最中に「朝鮮人が爆弾テロを起こした」というデマが拡散して、多くの在日朝鮮人(当時)の方々が非難や差別を受けたと言われています。

なぜこんな傾向が現れるのでしょうか? 恐らく、殺人事件やテロ事件などは、犯人を逮捕し、然るべき断罪を行って処分されれば一応の解決になる事から、それとよく似た「混乱」という状況に、いつの間にかそういう事に安住の地を求めてしまうのかもしれません。

しかし、感染症の流行は一人や一つの組織による無差別殺傷事件やテロ事件などは全く違います。ことに今回の新型コロナウイルス感染症は、規模が全世界に及んでおり、人類共通の問題になっているのです。到底、誰か、何かを叩き潰したところで、なんの解決にもならないのです。

ですから、このように「誰かを叩き潰す」「誰かのせいにして囃す」事に安住の地を求めることを私は、とりわけSNSでのそれは「悪口依存症」と呼び、忌み嫌っています。 それは問題の解決にならないばかりか、「人が人を信じることができない」という極めて危険な「空気」を蔓延させる事になり、それこそ戦争の火種にすらなりかねないからです。

「人のせいにしても何の解決にもならない」と悔い改め、まず何が必要で、何が自分にできるのかを見出す事が大切です。その事を強く訴え、今回を締めたいと思います。

■「コロナ女」「追放」山梨の感染女性、やまぬデマと中傷
(朝日新聞デジタル - 05月12日 20:23)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6079600
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