アフリカでゾンビが大量発生。
アメリカ軍の機械エンジニア担当の傭兵ブライアンはそのパニックから脱出しようとしていたが輸送機内でゾンビが発生し機体は墜落、
打ち上げられた海岸で目を覚ますと自分たちを目掛けゾンビたちが迫り、危機一発一人生き残る。
ブライアンは家族のもとへ帰るため残された武器と食料を手に広大な砂漠地帯をさまよう。
そんな中で彼はゾンビに襲われ壊滅した村で生き残っていたゾンビに襲われながらも燃料の残る車を見つけ唯一の希望である基地を探しにいく。
同じころアフリカの反政府ゲリラの兵士デンベレは騒ぎを聞き、故郷の村へと戻るが、辺りはゾンビによって貪り食われた死体があちこちに散らばっていた。
デンベレには一人息子がこの村にいたが一人村から脱出したと聞く。
息子が向かったという基地を目指しデンベレもまたゾンビの蠢く砂漠地帯をさまようのだった。
そんな中、とある集落でブライアンとデンベレは偶然にも出会う。
お互い基地を目指す中で一人でも見方が多い方がいいという考えからそれぞれの家族を求めて協力し徘徊するゾンビを避けつつ基地を目指す。
しかしある夜志半ばでデンベレがゾンビの群れに襲われ命を落とす
デンベレより息子へのお守りを託されたブライアンは再び一人サバイバルを繰り広げることに。
どこまでも続く砂漠地帯にもはや諦めかけていたその時砂漠の中に死者の群れに囲まれた砦を発見する。
ブライアンは最後の希望を信じて砦を目指しゾンビをかき分け砦内に入ることに成功する。
しかし中には飢えた避難民と旧式の通信システムしか残されていなかった。
しかもようやく通じた先にもゾンビの襲撃によって悲鳴がこだまする。
ブライアンは基地内にいたデンベレの息子を発見し、外への脱出を試みるが、そこに押し寄せていたゾンビの大群が堰を切ったように砦内に侵入してくる。
阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられる中でブライアンは逃げ延びることができるのか…
アフリカの広大な自然と昔ながらのロメロ風ゾンビのコントラストが印象的な作品。
本作で描かれているゾンビは近年の猛ダッシュ系ではなくノロノロと歩くオールドスタイルである。
しかしそれ故に静かにいつの間にか迫ってきているという恐怖感がある
。
主人公が止まればどこからか現れ、気を抜くと囲まれるという展開が続き、しかも昼夜問わず襲いかかるため物語の展開自体はロードムービー調のゆったりした感じながら恐怖の緊張感が途切れずハラハラ感は止まない。
ゾンビ映画といえば過剰な残酷描写売りのひとつだが、これに関しては近年のゾンビ映画の中でもかなり頑張っている。
現地アフリカ人が本作における主なゾンビであるが、実はゾンビ自体そこまで凝ったメイクではなく白のカラーコンタクトをはめただけが多いのだがこれが何故か普通のゾンビよりも不気味な仕上がりで怖い。
人肉食いのシーンも直積的な内臓の引きずり出しなどこそないものの、四肢欠損したゾンビや喉笛をかみちぎるなどインパクトも十分でファン納得の出来。
題名こそ凡作な臭いがするもののゾンビの描写、圧倒的数、そして全編に漂う絶望感はロメロゾンビを愛する人にも納得の出来なのは間違いない。
広すぎる自然の中でゾンビに襲われる恐怖というのが過去作品群によくあった都会災害型とは違った新しい魅力を生み出している
発展途上国だからこそのどこまでも続く寂寥感や乾いた感じ、そして油断による恐怖が数多ある近年ゾンビ映画の中でも光っていて、まだまだロメロゾンビの可能性を感じさせてくれる傑作である。
残酷度…★★★★
評価…★★★★★
(意外に黒人系にハマるゾンビホラー。近年まれにみる気持ち悪さと絶望感は見て損はない( ´∀` ))
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