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2020年05月07日23:53

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『BNA ビーエヌエー』は『キルラキル』を超えられたか?

■2020年春アニメ、“いま”一番推せる作品は? 3位「かくしごと」、2位「かぐや様」、1位は…
(アニメ!アニメ! - 2020年05月06日 13:23)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=50&from=diary&id=6072692

■『INGRESS』から『BNA ビーエヌエー』まで フジテレビのアニメ枠「+Ultra」の戦略と思想
(リアルサウンド - 2020年04月15日 08:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=169&from=diary&id=6047323

 『BNA ビーエヌエー』、Netflixで、1〜12話まで全話視聴。
 今期のTVアニメの中ではベスト3に入ると思って観てたんだけれど、あまり人気がないようで残念(あとの二本は『グレイプニル』と『天晴爛漫!』だけれども、こっちも人気ないのか…)。海外の反応もまあ普通って感じなんだよね。中島かずき×TRIGGERの新作なのに!
 もっとも、同じスタッフによる前作『キルラキル』ほどの爽快感・満足感は得られなかったというのが正直な感想ではある。端的に言っちゃえば、「たった12話じゃ短すぎるよ!」なんだよね。

 私の持論としては、TVアニメは2クール26話くらいが基本なんじゃないかと思っている。1クールじゃ話を広げるにも限界があるし、それなら前後編2時間ずつの映画でやった方が、話がぶつ切れにならない分、いいよなあと思ってしまうのだ。実際に1クールのTVシリーズを総集編2本に仕立てた映画が完成度を増す例は結構あるのだ。
 TRIGGER作品で言うなら、『キルラキル』や『リトルウィッチアカデミア』は各25話。これはちょうどよかったが、『キズナイーバー』『SSSS.GRIDMAN』は各12話で、やはり物足りなさが残った。
 そして、1クールで終わりじゃ、よっぽど強烈な印象を与えなければ(例えば『魔法少女まどか☆マギカ』並のハイクォリティ)、そんなアニメあったっけ? と忘れられかねない。

 『BNA』の重要テーマである「人間と獣人との絆」――すなわち、アナロジーとしての差別者と被差別者との「共生」の問題は、話の風呂敷を広げていけば、収拾がつかなくなる危険があった。現実問題としても、人間が存続する限り、差別がなくなることはなかろうしね。「差別をなくそう」なんてスローガンを掲げたくらいで簡単に解決できるなら、こんな楽な話はないのだ。

 「人間から獣人になった」主人公のみちるが、二者の架け橋になることを決意する結末は、その「入り口」付近で体よく話を収めた印象だ。正直に言えば、「重いテーマから逃げたな」と。
 元々、中島かずきは熱血と勢いで脚本を書くタイプの人だから、社会性とか重厚なテーマを扱うのは不得意なのだろう。特にたった12話では、その得意の勢いも今ひとつ盛り上がらず(みちるの「進化する変身」は面白かったが)、全体的には不完全燃焼で終わってしまった嫌いがある。

 サブキャラをたくさん出し過ぎたってのもあるんだよね。それぞれのキャラクターの始末があまり巧くいっていない。意味深に登場しといて、たいした活躍もせずに消えていったキャラクターが多すぎるのだ。
 銀狼教団のボリスとか、ラスボスに近いキャラかと思ったら、とんだひょうたくれの地味でキモいおっさんだったしなあ。声に子安さん使っていながら何ともったいないことか。一番の大活躍が、6話の予告編のナレーションなんだもの。なぜ、あのぶっ飛んだキャラで本編もやってくれなかったんだよ。
 同じように、第1話で私の推しキャラになったマリー伊丹、これまた「イタチじゃない、ミンク!」の台詞以外に見せ場がなかった。むしろ5話から登場したクマ獣人のジャッキーの方がまだ最終回で美味しい場面があるというね。声優は村瀬迪与さんと潘めぐみさんという『リトルウィッチ』コンビだけれど、これまた声優の無駄遣いなんだよなあ。
 4話登場のイルカ獣人のニナとか、ギャングのボス・フリップの娘なんだよ? 人間に憧れて人間のふりをする獣人って設定なんだよ? 絶対再登場するって思うじゃん! 1話限りのゲストって、何のために出したのかよく分からないよ。

 サブキャラの扱いがぞんざいな分、主役二人にドラマの殆どが費やされているから、そこは本作の最大の魅力だったとは言える。と言っても、銀狼・大神士郎のキャラの掘り下げはこれまた今ひとつで、千年生きてる割には人間的な(狼的な?)成長はあまりない。つか、精神的にはガキじゃん。てっきり、単細胞のバカで猪突猛進タイプ(つまりいかにも中島かずき的な主人公)のみちるのブレーン役を務めるのかと思いきや、逆にみちるに助けられ、教え諭され、すっかりタヌキ娘の下僕に成り果てているのであった。だからバディものにもなり損なってるんだよね。
 みちるのキャラクターに対峙していたのは、かつての親友・なずなで、二人のタヌキとキツネの化かし合い(と言うか、殆ど一方的になずなの勝利)の方が楽しかった。マリーの影が薄くなっちゃった分、敵か味方か行ったり来たりの「したたかキャラ」は、なずなが一手に引き受けてたからね。でもこれまたコンサートシーンまで作って、声優の長縄まりあに歌わせときながら、クライマックスまでの盛り上がりに欠けているのである。一曲丸々、作画シーンを作るのが大変なのは分かるけどさ。

 まあ、いろいろ貶してるみたいだけれど、それは「中島かずきにしては」「TRIGGERにしては」物足りない、ということであって、ここぞというシーンでのデフォルメかつエッジの効いた吉成曜作画演出を観ているだけでも、全然堪能できるのである。
 獣人の街・アニマシティというせっかくの面白い舞台を設定したんだから、もっとたくさんのキャラクターが大活躍できる続編ドラマが観たいんだが――それよりか中島さんには『キルラキル』の劇場版を書いてもらいたいかな。

■TVアニメ『BNA ビー・エヌ・エー』、新キャラ・ニナ役を前島亜美が担当
(マイナビニュース - 2020年04月24日 11:02)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=95&from=diary&id=6059286


■アニメ「BNA」第5話より登場するクマ獣人・ジャッキー役に潘めぐみ
(コミックナタリー - 2020年04月30日 12:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=86&from=diary&id=6066323


■子安武人、アニメ『BNA』出演で新キャラ・ボリス役「底知れない何かを表現したい」
(ORICON NEWS - 2020年05月07日 12:00)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6073446




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