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2020年05月02日18:48

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ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール

祈りと鎮魂のコンサート。
フォト

☆ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団・ヨーロッパ・コンサート
■日時:2020年5月1日 日本時間18時開演
■会場:ベルリン・フィルハーモニー(無聴衆)
■指揮:キリル・ペトレンコ
■演奏:ベルリン・フィルのメンバーによる室内楽
■ソプラノ:クリスティアーネ・カルク
■曲目
♪アルヴォ・ペルト
《フラトレス》 (弦楽オーケストラと打楽器のためのヴァージョン)
♪ジェルジ・リゲティ
弦楽合奏のための《ラミフィカシオン》
♪サミュエル・バーバー
弦楽のためのアダージョ Op. 11
♪グスタフ・マーラー
交響曲第4番ト長調 (エルヴィン・シュタインによる室内オーケストラ版)
クリスティアーネ・カルク(ソプラノ)

ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールを視聴するのは初めてである。
https://www.digitalconcerthall.com/ja/news
クラシック鑑賞の大先輩であるマイミク氏がペトレンコ推しなので、視聴してみた。
期待を大きく上回る、心に残るコンサートだった。

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実は我が家のネット環境は、お世辞にもよろしくない。
新国立劇場が「巣ごもりシアター」という、良い企画をしてくれている。
https://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/23_017336.html
それで「魔笛」と「トゥーランドット」を視聴したが、最低の画質でストリーミングしても、しばしば止まってしまう。

ベルリン・フィルの生中継が途中で切れてはつまらない。

それで、工夫してみた。
1. パソコンを、2階のモデムのすぐ隣に置く。
2. 音は、パソコンからミニジャックでボーズのウェーブラジオにつないで、階段の上から流す。
3. 映像は、パソコンから10mのHDMIケーブルでテレビにつないで、居間で観る。

――という方法で視聴してみた。

ボーズのウェーブラジオの性能はたいしたもので、大太鼓やコントラバスの低音も、2階からよく響き渡った。
映像や音も、幸いにして生放送中に一度も切れなかった。

気をよくして、同じやり方で新国立劇場のバレエ「マノン」を視聴したら、やっぱり途中で止まってしまった。
――なんてこった!

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♪アルヴォ・ペルト
《フラトレス》 (弦楽オーケストラと打楽器のためのヴァージョン)
妻が《フラトレス》が好きだというので、非常に感激していた。
私も感動した。
深い祈りを感じさせる演奏だった。
ペトレンコの目にも涙が浮かんでいた。

♪ジェルジ・リゲティ
弦楽合奏のための《ラミフィカシオン》
クラスターを多用したリゲティらしい作風だが、現代的な手法の向こうに、時代の悲劇に向き合う作曲家の心が透けて見える。
リゲティの場合は、自身の戦争体験だろうが、今のコロナ・パンデミックともそれは重なって響く。

♪サミュエル・バーバー
弦楽のためのアダージョ Op. 11
言わずと知れた、現代を代表するレクイエム。
あまり遅くないテンポで構成を引き締めた演奏だったが、犠牲者への鎮魂を込めた演奏であったろう。

♪グスタフ・マーラー
交響曲第4番ト長調 (エルヴィン・シュタインによる室内オーケストラ版)
クリスティアーネ・カルク(ソプラノ)
最後は、天国を描いた作品で死者を弔うという選曲だったかと思う。

この編曲版は、シェーンベルクの「私的演奏協会」の第79回演奏会で、1921年1月10日に初演されている。
編曲者のエルヴィン・シュタインは、シェーンベルク・サークルで、ベルク、ウェーベルンに次いで優秀だった人。
まさか、このような形で世界に配信されるとは、シェーンベルク達も思いもよらなかっただろうな。

演奏は、ベルリン・フィルメンバーの名人芸が遺憾なく発揮され、ペトレンコの構成力も冴え渡り、隅々まで素晴らしい名演となっていた。
カルクの歌唱は、私的にはまあまあという印象だった。

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聴けて良かった、とても素晴らしいコンサートだった。
実は、ペトレンコの演奏は、テレビ放送されたジルヴェスター・コンサートを聴いたのが最初だったが、全体的にまじめ過ぎて、特に「ウェストサイドストーリー」はバーンスタインの演奏と違い過ぎて、私には馴染めなかった。
今回のような、よりシリアスな選曲の方が、良さが生きる指揮者なのかもしれない。

ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホール。
機会があったら、また視聴してみたい。

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