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2020年05月01日22:49

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誰も触れない、何も変わらない

■矢部浩之、不適切発言の岡村隆史をラジオで公開説教 問題点を次々と指摘「知らん間に偉くなって…」
(ORICON NEWS - 2020年05月01日 06:00)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6067282

■岡村隆史、ラジオでの不適切発言を謝罪「深く反省しております」 30日の番組で改めてお詫びへ
(ORICON NEWS - 2020年04月29日 13:42)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6065474

■岡村隆史発言に風俗店幹部が怒る理由「あんた何にも分かってない」
(ダイヤモンド・オンライン - 2020年05月01日 4:55)
https://diamond.jp/articles/-/236338

 岡村隆史の女性差別発言も、矢部浩之の叱責で幕引きになりそうな気配であるが、本質的な問題は全く解決されそうにない。と言うか、ソープ嬢に関する「本質的な問題」について、マトモに論議された例など殆ど皆無に近いのだが。
 つまりはソープランドではいったい何が行われているのか、そして確か日本にはそういった行為を取り締まる法律とやらもあったはずで、にもかかわらず、ろくに摘発もされず放置されているのはなぜか、という問題である。

 もちろん答えはとっくの昔に出ていることではある。件の法律は施行直後から完全なザル法で、全国各地の解体されたはずの色街は数年を経ずして復活し、それから70年、警察からも「お目こぼし」されて現在に至っている。ソープ嬢は基本的に「個人事業主」であり、ソープランドは単に「個室」を提供しているに過ぎない。そこで何が行われているかは、ソープ嬢と客との「自由意志」に基づいている、という屁理屈を、この社会は何の批判もせずに受け入れてしまったのだ。
 「女性差別」「女性搾取」と批判するのなら、ソープランド自体がその対象とならなければおかしいだろう。フェミニストたちが岡村隆史だけを批判していることに違和感を覚えるのは、彼に限らず、ソープランドの客はたいていが彼と同様の思考の持ち主であって、彼を謝罪させて終わる問題ではないはずだからである。
 ソープランドもお目こぼしされているとは言っても、経営者の搾取があまりに酷すぎたり、未成年を働かせたりしていれば、関係者が逮捕されることもたまにはある。フェミニストたちが本気で「運動」すれば、全国のソープランドを潰していくことだって可能なはずなのだ。どうしてそれをやらないんだろうね?

 「好きでソープ嬢をやっている者もいる」「貧困女性の救いの場としてソープランドは機能している」というソープランド擁護の意見もあることは承知している。しかし、ならば「私はソープ嬢です」と堂々と発言する当事者がほぼ皆無なのはなぜなのか。彼女たちが「表には出られない立場」に貶められているからではないのか。結局は違法な立場にある以上、誰も本気で擁護はできないのだ。もしも彼女たちを公的に認められた立場にしたいのなら、件の法律を廃止する方向で動かなければおかしい。
 ソープランドを廃止することも、法律の方を廃止することもできず、どっちつかずなまま、ソープランドはおおっぴらに触れることが出来ない「聖域」と化していた。岡村隆史が批判されたのは、発言の内容云々以前に、その聖域に無自覚に触れた行為そのものに原因があったといった方が正しい。
 誰ぞもコメントしていたが、居酒屋の雑談なら何の問題にもならなかったのに、岡村隆史はその「天然」ゆえに、公共の放送に乗せてしまったことが、タブー破りと見なされたのだ。ソープランドを擁護したい人間にとっても、苦々しく思っている人間にとっても、双方ともに岡村発言は「都合が悪かった」のだ。「何てことを言ってくれた」というのがみんなの本音で、内心、苦虫を潰していたに違いない。

 ダイヤモンド・オンラインの記事では、ソープランドの経営者がいかにも「ソープ嬢の味方」然として岡村批判発言を述べているが、ここでも自分が「搾取する側」にいるという意識は殆ど感じられない。ソープ嬢の誰一人として、身バレを恐れない者はいない――つまりは日陰者の身であるという認識がありながらである。
 彼女たちの身を案じ、どうしたら救済できるのかを真剣に考えている人間は、ただの一人もいない。彼女たちの一番の不幸は、彼女たち自身が、自分たちが救われなければならない存在だと認識してはいないことだろう。

 矢部浩之は、岡村隆史の謝罪が口先だけだと見抜いている。なぜ自分が謝罪に追い込まれたのか理解していないと喝破している。だから「そういう考えを持っている岡村隆史は変わらない」と断言する。そしてそれは、ソープ嬢から「搾取」し続ける人たちもみなそうなのだ。
 ソープランドの経営者や客たちだけではない。法を遵守すべき警察も、女性搾取を批判しながら言葉だけで行動しないフェミニストたちも、岡村隆史を罵る野次馬たちも、自分には関係ないと見て見ぬふりをしている人たちも、自らを内心蔑んでいるソープ嬢たち自身ですら――何も変わらない――変える気もないのである。
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