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2020年04月27日00:46

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自転車のハブダイナモを利用したUSB充電システム

これまでにUSB電源をあらゆる非USB機器で利用できるように工作してきたけど……
逆にUSBの電力を生み出す事はやってない。これでは電気を消費するだけではなイカ!
いい例が、自転車で栃木県に行った帰り道の連続21時間走行。
万全の態勢で持ち出したモバイルバッテリーのうちメイン11000mAhが行きの段階で死亡、補助も使い切って帰宅したし、仮にネカフェ等で充電するとしてもその時間分の出費と足止めは食らっただろう。
そういったトラブルも含めて、これから先、ガソリンが手に入らない災害等がまた来るかもしれないし、やはり無の状況から電源を生み出す設備が必要なのではないか?と思いたつ。

というワケで、自転車のハブダイナモを利用したUSB充電設備を取っ付けましたー
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この為に、先だっての中古自転車購入ではハブダイナモ搭載車を必須条件としていたんよ。
(当時この意図のつぶやきに気付いてコメントしてたマイミク火薬御飯さんは凄い;)
日本では東日本大震災で自転車が一気に大流行して以降、この発想は割と誰でも考え付くようになっていたようで……
海外では8年前からロードバイク・クロスバイク用ポン付けキット(数万円)が存在するし、
http://www.biologic.jp/products/reecharge/01.html
国内でも知識のある人が自作するなどしているので、NET上には参考に出来るデータが山ほど転がっている。
ウチで作成したのも、そんな自作した人のブログからの丸パクリ。
ちなみに近年では日本語のNET通販nでも商品が出始めたらしいけど…
https://www.amazon.co.jp/dp/B01MG1BO76
https://www.amazon.co.jp/dp/B00V5WDS88
https://www.amazon.co.jp/dp/B01MZZI9QG
https://store.shopping.yahoo.co.jp/denshi/53763.html
ハブに挟んだりブロックダイナモのようにタイヤにくっ付けて発電したり(抵抗が重すぎる!)チェーンで駆動させたり(変速の時どうすんのwww)等、そもそも軽くて便利な純正ハブダイナモを利用しない構成の物ばかりで、適合するかも相当な賭けになる模様。
唯一Kemo製の製品がニーズに合って価格も手頃で小型軽量だけど、NETで検索すると300mAくらいしか出ないらしいから(500や800mAの表記は海外製6Vダイナモでの数値か?)、結局のところ自作するしか無かったっぽいね。

今回いろいろな自作erサイトを参考にして一番効率の良さそうなのを猿真似しただけなので、製作工程については以下の画像のみで省略。
必要な人は「ハブダイナモ」「USB」で検索でもしてみて下さい。
今回の日記では、それの取り付けと充電効率のレポート、純正ライトとの動作の兼ね合い(意外に重要!)について記しておこうかと。
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ケースは、単三電池からUSBに変換する百均の電池BOXを流用。
(こんなの本来の電池じゃガラケーぐらいにしか充電できないけどなw)
ケースとUSBの口だけ利用して、電池の場所に直流への変換回路とUSB充電回路を押し込んで、電子部品の足とケース合わせ目とコードの出る穴をゴム系ボンドでシーリング(防水)。
USBポートにはAmazonで買ったシリコンゴムキャップを挿し込むので簡易的な防水は成立するが、大雨の時や普段の使わない時はギボシ端子から先でこのユニットを取り外せるようにした。

費用は、ダイナモから出る交流6Vを整流(直流にする事)するブリッジダイオード1個、リップルを抑えるコンデンサ1個新品をで秋葉原で購入。
直流になった電圧をUSB用5Vに降圧する部分も、百均で買ったシガーソケット用USB充電器の中身を利用したので、さっきのケースと合わせて総額500円ちょい。(ギボシ端子や配線、後から追加した3点スイッチ等は計上外)

電気の流れは、こんな感じ。
             [ライト]
            /    \
[ハブダイナモの出力]→[切替]   __>[ハブダイナモのアース]
            \   /
             「整流 ←-「 USB
              回路」+→ 充電器」

実験の段階ではキボシ端子の差し替えのみで取り付けたが、もともと自転車側がオートライトなのに昼間っから付きっぱなしの問題があったので(センサーの窓を拭いてもCDSを外して掃除してもダメ)、[切替]の所を後から3点式トグルスイッチに変えて、
 ライト点灯←消灯→USB充電
をスイッチで切り換えられるように改良した。
(もともと電力が少ないのでライトとUSB充電は同時には使えにゃい)
これにより、3点式トグルスイッチの[消灯]状態では、
 ・昼間にライトを消せる=発電負荷が減る=漕ぎ足が中古納車時よりも気持ち軽くなった。(長距離でも走らないと体感出来ないレベルで)
 ・充電しない時はハブダイナモからの電流をカット=車体アースへの漏電がなくなる=漕ぎ足がry
…この部分はなぜか先人たちの自作erから言及がない。
おそらく省略しているだけだと思うが、人力エネルギーのみの頼る自転車では一番省略しちゃならない部分なのでは……?
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オートバイ用に買っていたトグルSWなので防水キャップも付いており、スイッチ下の接点をホットボンドで固めて防水は完璧。
常時点灯式オートバイにライトスイッチを付ける時もそうだけど、ヘッドライトってのは手元で操作できる事が重要よ。
配線は、ウチにあったオートバイ12V用の廃材を繋ぎ合わせたら統一性が無くなった(カラフルで恥ずかしい色になった)ので、後からスパイラルチューブを百均で買ってまとめておいた。
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…ちなみにハブダイナモが交流発電なのは、昔のブロックダイナモ(タイヤの横にくっつけて回すやつ)時代からの名残り。
ライトの球なんて昔は白熱球だし、そのままダイナモと繋げりゃ一切の回路無しに点いた(笑)
今の自転車のライトにはLEDが使われているので、画像のようにライトユニット内に回路を仕込んでわざわざ直流にして、電圧も(LEDの定格に)調整されている。
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余談だが、海外製のハブダイナモは2線式。
(交流なのでプラスマイナスではなく、どちらかが車体アースに繋がっている)
なのでそのまま自作充電ユニットとスイッチを通して周回するように2線を繋げばよいが、ブリジストンの採用するハブダイナモ(シマノ製)は、オートライトユニットと1線でしか繋がっていない。
…つまり、オートライトを通った交流電力は車体アースを通してハブダイナモに帰っていくらしく、ライトユニットを支持しているステーとボルトでアース導通していた。
車体アースに任せて配線は1本で済ますってどこぞのAR80かよ、と思いつつ最初はライトステーから充電ユニットのアースも車体へ帰していたんだけど……
シマノ製ハブダイナモをよく見ると、最初から使われてない接点が1つ出ている……
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隣の銅端子は1線式で最初から使われてるが、手前のは剥き出しのまま放置。
まさかと思ってテスターで測ってみると、どうやらそれが交流のもう一つの端子だった。
つまりシマノ製作所はちゃんと2線式のハブダイナモを造って納入してくれてんのに、それをブリジストンが1線と車体アースで使っている、と。
たぶんコストカットだと思うけど、
(オートバイと違って自転車の軽快車はこのアルベルトシリーズだけでも2014年の時点で100万台売れている、つまり配線一本+ギボシと製造工程で1台10円のコストカットだとしても、会社的には1千万の節約になる)
その分アースの導通は確実に悪くなってるわけで(数Ωの違いだったけど)、今回少しでも発電電力の必要なこっちは大迷惑。
今回でライトも一緒に2線式に改良したけど……一流メーカーの割には随分とまた糞な設計なさっておいでですねぇ^^;

本題に戻って、自作ユニットと配線を取り付けたところで、走行テストの前に充電効率の予想だけをしておく。
先人調べだと、シマノ製ハブダイナモの発電能力は、交流6Vの2.4W(2.4は定格なので死ぬ気で漕げば3Wくらいまで上がるかな?)。
…これはウチで買った中古自転車・ブリジストンアルベルトに装備されている点灯虫が1WLEDx2個のモデルなので、納得が行く。
今回はその6V/2.4Wを直流かつ5Vにするので、えーとえーと……
オイラ頭悪くて実効値とか変換損失とか計算できないので単純にブリッジダイオードの全波整流だけで考えて書くと、2.4W÷5V=0.48A?
適当に損失分を引くとして、学生が通学で漕ぐくらいの若干飛ばし目で0.3〜0.4A、
街中TTクラスの鬼のケイデンスで漕いで瞬間0.5〜0.6AとかがUSBポートから出せればまぁ御の字といったところかね。

充電の検証には、ウチのメインのスマホ(タイトル画像)を使って、充電出来るか(待機状態の消費電力を充電が上回れるか)を試す。
後にも言うけど、このスマホは非常にバッテリーの小さい機種(2400mAh)……つまり、他の機種より充電の%が上がるのも早い(少ない電力で満充電になる)ので、その点だけご注意を。
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最初はUSBチェッカー(青色)を間に噛ませて充電させたが、上記の予想を下回る電流しか出なかった。
というのも、ダイナモの能力自体が小電力過ぎて…極小であるはずのUSBチェッカーの消費電力まで影響してしまい、仕方なくチェッカーを外したらスマホ側の充電LEDの付き方が安定した。
なのでここから先は、直接の電流値ではなく、スマホの充電容量%と充電通知LEDの点き具合から結果を判断するしかなくなっている。

あらためて、自作の変換・充電ユニットに直接スマホに繋げて走行してみる。
≪走行動画≫https://youtu.be/kI3Y0IQIisY
数値は解らないが…GPSで13か15km/hくらいから充電が始まり、速度が落ちても15km/hまでは安定して充電するようになっている様子。
動画を見てわかる通り、同時にスマホで録画アプリ・GPSとBluetoothをON・速度計アプリも立ち上げて画面もONの状態なので……厳密に言うとスマホ自体の電力消費が普段より多めになっている。
GPSもそうだが特に録画アプリは電力消費が激しいようで、この録画を終えてソフトを閉じただけでも充電開始される速度自体の敷居が下がった。

なので次は、アプリは速度計のみ立ち上げて、GPSをONの状態で計測を行った。(Wi-FiはOFF)
ここから動画無しとなるが、この状態だと15〜20km/hの漕ぎ足で2km余りの距離を止まらずに走れた時に、なんと充電1%の回復を見た。

今度は速度計アプリも閉じてGPSもOFF、スマホ画面も点いたらタッチして即消しで挑戦。
つまりAndroid OSと4G-LTEしか動いてない状態で、坂道やUターン、車道に歩道に公園のサイクリングコース、あらゆる走行条件を試す。
充電開始は12km/h前後の結構ゆっくりな漕ぎ足で始まり、画面OFFのままならば6km/hくらいまで減速しても充電通知LEDが消えなくなった。
(低速では殆ど電力は入っていってないとは思うが)
スマホの画面が点いてる状態だと10km/h以下辺りで充電が止まるようだ。

…だいたいこの使用状況がウチのスマホでいう待機状態と同じなので、このまま重点的に検証。
そこからバッテリー残量が78%なのを確認し、あらためてスタート。
16km/hくらいの漕ぎ足平均で走り続け、Uターンの時だけ6km/hくらいまで落ちるが充電は切れず、最終的にノンストップで(画面ONは走り始めの30秒のみ)15〜20km/hの漕ぎ足で2kmの距離を止まらずに走り続けて画面のスクショを撮ったのが、こちら。
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4%回復してる!
このスマホの使用経験からの判断になるけど、充電開始は0.3Aくらいで…スピードの出てる時は0.5Aくらいで充電されているんではなかろうか。
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最後の大きいひと山が4%充電された時のだけど、
それまでのギザギザ感が自転車の発進停止の繰り返しを物語っています(笑)

……もちろん最後の4%急上昇は、スマホが省電力待機&自転車は漕ぎ続けている状態にて成立している事は認める。
こんな使い方なら最初から機内モードにしてバッグに放り込んどくのと、一日レベルで考えたらそれほど変わらないかもしれない。
(一応充電開始時に画面ONになっちゃうのを抑止するアプリはある。これを使えばさらに効率は改善するかも?)
現実的に自転車で使用するとしたら、ナビ等を動かしながら走り、信号待ちでSNSの新着をチェックする等して……
(自転車なので走行中のナビは音声案内にして、必要な時だけ画面ONにする機能を使うとして)
充電1%の回復を見た中段の検証くらい?
郊外等の信号待ちの少ない道路なら、充電は僅かながら回復に向かっていくと判断して良いだろう。
自転車の部類としてはシティサイクル(のメーカー物)で、基本GPS20km/h以下の速度で検証している。
仮に自転車野郎がロードバイクやクロスバイクに乗れば平面だと平均30km/h台は出るから、充電も0.7Aくらい……QC(急速)でないAC充電器並の充電も期待出来るのかもしれないが、水が入らないようにシーリングしまくったこの自作アダプターじゃ0.7Aものジュール変換熱の逃げ場がなくて、別の問題の対策も必要になってくるだろう。
(放熱を優先すればそれだけ防水性が失われる)
あくまでもママチャリの速度に合わせた設計という事で、作る人はこの辺を各自で調整した頂きたい。

強いて言えば、残量や充電グラフが画面に出るから今回はスマホを使っているわけで……
そのような検証でもなければ、USBポートには普通の充電器を挿してモバイルバッテリーの充電とかに使ったほうが良いだろう。
スマホだと発進するたびに再充電・画面ONになるので、充電制御機能やバッテリーを痛めてしまうかもしれない。
スマホで思いついたけど、iPhoneやiPadの類は最初からQC(急速充電)に対応した電力がないと充電さえ始まらない可能性もある。
(確かに急速充電なほど熱が発生してリチウムイオンを痛めるけど、だからと低電流で延々と充電したって良い事はないってことなんでしょうね)
同様にモバイルバッテリーでも、充電を制御された(高級な?)製品だったら反応しない物とか存在するかもしれない。

そして一番思う事は、ここまで必死こいて検証して充電設備を備えた所で……
ドヤ顔で東北のキャンプ場で自転車を乗り回す計画が失敗している今、
(折り畳み自転車で試したけどギヤ比が低速過ぎて無理があるし最後はタイヤ(外側)が長距離に耐えられずバーストした;)
もう自転車で遠乗りをする予定も無いのに、こんな事をして何になるというのが……
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コメント

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