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2020年04月22日17:47

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パーフェクトウーマン・モモコさん

はい、こちら、世間がこれだけ大変なのに友人から「今度、会社で気になっている人と一緒に県外にお花見に行くのぉ♪」と聞かされ「えー、そうなんだぁ?でもお花見なんて行かなくても、あなたの頭の中が充分お花畑じゃーん?」と思った葉桜です。


当時、その県には緊急事態宣言は出ていなかったものの、なかなかの感染者叩き出していた場所だったので、「それはもはやお花見ではなくて肝試しじゃーん?」とも思いました。
ちなみに葉桜の職場には気になる人どころか、生ゴミとして捨てたい院長しかおりませんもので、このあいだの休日はもちろん外など行かず「ぬいぐるみの毛玉とり」という大変充実した時間を過ごさせていただきました。


もちろん、うちの職場には小バエのように目障りな院長だけではなく、前回の日記で書いたシオリを含む素敵なスタッフさんがいる。

今回は先輩である40代衛生士、モモコさんの話を聞いていただきたい。

前回の日記で、20代衛生士シオリちゃんのことはまあまあディスったが、モモコさんはすばらしい人だ。

美人で、独創性があり、優しく、ストイックで、仕事ができる。


モモコさんは美人だ。
水川あさみの10年後に似ていると思っている。

とはいえ、うちのスタッフは全員美人だ(葉桜を除く)
たまに患者さんから受付で「今日担当してくれた衛生士の人の名前が知りたいんだけど教えてくれない?」と言われ、「どんな人でしたか?」と尋ねると「美人な人」と言われ、「困った…。ウチのスタッフはみんな美人」と悩んだ私は「じゃー、どんな人だったか俺が一緒に考えてあげるから、どういう特徴だったか言うてみてよー」とミルクボーイごっこに持ち込んだ。


そして型にはまらず行動ができる。

先日、モモコさんはお昼ご飯にナポリタンを食べていた。
すすらないように食べていたのだが、書類に1滴ケチャップのしみが飛んでいた。

モモコさんはあわててケチャップを濡れティッシュで拭いたがとれず、
悩んだ挙句、なんとケチャップが付着した部分をやぶく、という強硬手段に出た。

「盗みを隠すために、人を殺すみたいな行為ですね」と我ながら良い例えを言ったと思ったら、「失礼だなお前は」と怒られた。



その上優しい。
慢性的な貧乳で悩む葉桜のためにバストアップサプリやバストクリームや豊胸ブラをプレゼントしてくれる。
そして「そろそろ効果が出たかなぁ」と言って私の胸囲をメジャーで測り、休憩室のホワイトボードに書き込む。
いつか院長に「何だ、この”4月13日 ●●cm”というのは」と尋ねられたらどうしようと思っている。

優しいからスタッフの健康も考えてくれる。
中学時代に柔軟体操をやっていたら、体育の先生から「葉桜さん、ふざけるのはやめてください」と言われたほど体の硬い葉桜をピラティスに誘ってくれた。
そしてインストラクターの先生以上に「違う!」「全然できてないじゃないか!」「真面目にやれ!」と叱りつける。
しばしば「あれ?今日は休日なはずなのに私どうして怒られているのだろう」とピラティス中にたそがれたくなることがある。

しかも「怒られた」というと「怒っているのではない。あなたがもっと健康になるために助言をしてやっているのに、『怒られた』とは何事か」と言って怒る。


そのように、オリエンタルラジオ中田を継ぐようなパーフェクトウーマンなモモコさんである。



しかしモモコさんは





モモコさんは






顔が怖い。


知人にうちの職場の集合写真を見せたら、モモコさんの顔を見るなり
「この人か、おまえをいじめているのは!」と指差した。

しょっちゅう業者の人に指示をお願いしているときに「そんなに怒らないでください」と言われ、そのたび「怒っていないです。もともとこんな顔です。失礼な!」といって怒っている。

上機嫌で娘さんの参観日に行ったら、生徒が「誰!?あの怖い顔の人、誰のお母さん!?」と騒然となったらしい。

昨年、「友人に秋シーズンにUSJのハロウィンイベントに誘われたのだが、ゾンビが怖いのでお断りした」と言ったら、「私の顔のお面かぶっていきな!」「ゾンビの方が逃げていくわ!」と豪快に笑っていた。



結局、ディスってしまったような気がするが、モモコさんの素晴らしさはそんなことでは書き足らない。

そんなモモコさんだが、うちの医院のチーフであり、すごく仕事ができる。
(ちなみに葉桜さんもすごく仕事ができるから受付チーフを任されている。
 ただ、従業員のなかで受付は私だけだ)

非常に仕事にストイックで、ハミガキの苦手な患者さんを上手にハミガキができるように指導したり、「歯なんて磨かなくても虫歯になったら治療すればいいだけでしょ」といって歯に汚れつけまくっても平気な人を「歯周病菌や虫歯菌は全身へ影響するから、ちゃんと磨かなきゃね」と考えを改めさせたり。
人の価値観を変えることができるというのはホントにすごい。


先日、患者さんのクリーニングをしていて、「なにかお変わりはありませんでしたか?」と尋ねたところ、患者さんが興奮気味で「こないだ、新発売されたハミガキ粉を使ったら、歯に開いていた穴がふさがったんですよ」と言われたらしい。

虫歯を予防するためのハミガキ粉は数多くあれど、磨くだけで歯の治療までできるハミガキ粉はまだ開発されてはいない。
そんなハミガキ粉があれば、この外出自粛期には爆発的に売れるだろうが。

もちろんそれはその患者さんの勘違いであり、前回の治療で院長が治療したから穴がふさがったのだ。


私「それで、どうしたんですか?」

モモコ「『そ〜うですか〜…』って言った」

私「あ、否定はしなかったんですね」


ちょっと意外だった。


モモコ「私もいま流行のパピコみたいに、人を否定せずにいこうと思ってね」


パピコは美味しいアイスだ。
おそらく「ぺこぱ」の間違いだと思われる。


磨くだけで穴がふさがるわけねえだろ…とも言い切れない時代は近いのかもしれない!!



口腔内の健康のみならず、全身の健康にまつわる知識への探求にも余念がない。

休憩時間にとても高い健康食品をおとりよせして、すがすがしいほどの笑顔で「誠にまずい!」と一気飲みする姿がよく見受けられる。

無添加食品もよく食べている。

が、しかし、何故か先日、無添加の対義語とも言える某カップ焼きそばの超大盛りを昼ごはんに食べようとしていたので驚いた。


私「!?モモコさん、それ全部食べるんですか?」

モモコ「うん…。この量を一人で食べられるかどうか挑戦したくなってしまって」


あぁ、モモコさんのストイックさがこんなところに表れるとは…。


そしてモゴモゴと食べ始めるモモコさん。


私「食べ切れそうですか」

モモコ「(モゴモゴ)限界まで頑張る」

私「お味はいかがですか」

モモコ「(ムグムグ)久しぶりに食べたから今のところ美味しく食べてるけど…」

私「はい」

モモコ「(ングング)なんか、かやくがハムスターのえさの味がする」


ハムスターのえさ、食べたことあるんですか!


モモコ「(ハグハグ)ないけど…」


ちなみに院長はカブトムシのエサを食べたことがある。
入社当時「カブトムシの飼育ゼリーってあるだろう。あれはなかなか美味しいよ」と実に得意げに言っているのを聞いたことがある。


モモコ「だめだー!やっぱり食べ切れん!」


モモコさんは(自称)繊細な性格ゆえ、胃が弱いので完食は困難だったようだ。

残ったカップ焼きそばは、20代衛生士シオリ(仮名)が美味しくいただくことになった。



シオリ「もぐもぐもぐもぐ」

私「美味しそうに食べるねぇ」

モモコ「私の食べかけなのに」

シオリ「はっっっ!!」

私「どうしたん」

シオリ「ハムスターの味がする!!」


もはやエサでもない!!


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