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2020年04月04日13:51

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自民党内部が消費税増税賛成一色になってしまったのは、なぜでしょうか。

かつて、小泉総理は、自民党内部が郵政民営化反対一色の状況で、あえて郵政民営化を公約にして解散総選挙を行い、反対派を離党させて「刺客」候補を立てて追い詰め、その結果大勝しました。安倍総理が消費税増税反対を貫くのであれば、同じ事をやる覚悟が必要になるでしょう。
ただ、今は野党がボロボロの状況ですし、世論調査では消費税を8%に上げることについては反対の方が多いですから、そこまでやっても安倍総理は勝てるでしょう。ただ、その覚悟が安倍総理にはないのでしょう。
だから総理は増税実施に傾いているのだと思います。


さて、自民党内部が消費税増税賛成一色になってしまったのは、なぜでしょうか。
昨年9月に書いた記事で、僕は特定の支持団体に支えられた政治家は、税金によって集めた予算を特定の企業や団体、業界に分配することで支持や票を得るため、増税によって自分たちの財布を膨らませることに魅力を感じると言いました。

一方、政治家は選挙によって選ばれる存在ですから、一番関心があるのは票です。税金によって集めた予算を特定の企業や団体、業界に分配することは同じでも、得られる利権は最終的には団体・業界の支持を得たり、政治活動で票を獲得するために使われます。このような政治家は、増税によって自分たちの財布を膨らませることにも魅力を感じるでしょう。
ただし、政治家が票を得る手段はこのような利権によるものだけではありません。幅広く大衆の支持を得て(悪く言えばポピュリズム的な方法によって)票を獲得することも可能です。このような方法で票を獲得できる政治家は、予算を特定の企業や団体、業界に分配する必要はありませんから、増税によって自分たちの財布を膨らませることには、大きな魅力は感じないでしょう。

また、前回の記事で、財務省が消費税増税にこだわる理由は、「歳出権」の最大化であると言いました。
(この記事はタイトルを間違えていて、「歳出権」を「裁量権」としていました。すいませんでした。)

しかし財務省の視点から見ると、消費税増税による税収を景気対策名目で補正予算として配分することで、財務省の権力が増します。財務省シンパの政治家にとっても同様でしょう。
このように、消費税増税はマクロ経済の視点で見れば無意味ですが、財務省など増税派の利権確保という視点で見れば、大きな意味があります。
高橋洋一氏は、財務省が増税を志向するのは予算での「歳出権」の最大化を求めているからだと言っています。


(中略)


僕もこれが財務省の本音であり、財政再建や社会保障はそれをカモフラージュするための名目にすぎないと思います。


「歳出権」のための消費税増税 - Baatarismの溜息通信 「歳出権」のための消費税増税 - Baatarismの溜息通信 「歳出権」のための消費税増税 - Baatarismの溜息通信


自民党議員の多くは、特定の支持団体の支援で当選してきた議員です。そのような議員は自分の支持団体に予算を分配したいため、予算での「歳出権」を握る財務省に従いやすい傾向があるでしょう。また、消費税増税そのものにも賛成しやすい傾向があります。
そのような議員が多くを占める自民党を、消費税増税一色にするのは、財務省にとっては容易なことだったでしょう。その工作によって、安倍総理は「外堀を埋められた」のだと思います。


ただ、今回消費税蔵増税を決定すれば、それはアベノミクスの「終わりの始まり」になると思います。
先ほども述べたように、今回の決定の根拠となった4〜6月期四半期別GDP速報は、景気対策でかさ上げされた数字です。消費税増税は「マイナスの景気対策」ですから、マイナス8兆円の景気対策になります。それに加えて景気対策が10兆円から5兆円に減らされるわけですから、マイナス13兆円の景気対策になります。そしてこの景気対策も1年限りですから、その次の年はマイナス18兆円の景気対策となってしまいます。(もしこの5兆円が複数年度の金額なら、来年のマイナス幅はもっと大きくなるでしょう)
今年、10兆円の景気対策が成長率の3分の1を占めている状況を考えれば、マイナス10兆円を超える「マイナスの景気対策」が景気に与える影響は大きいでしょう。そこに消費税増税の駆け込み需要の反動や、懸念されているユーロ圏や中国などの経済危機が加われば、2014年度はマイナス成長の可能性もあるでしょう。そうなると、1997年の消費税増税の失敗の二の舞となりかねません。
もっとも、当時は円高を志向する速水日銀総裁の時代だったのに対して、今はデフレ脱却を目指す黒田日銀総裁の時代です。だから金融政策はあの頃ほど緊縮的にはならないと期待できます。しかし、財政政策が足を引っ張る状況では、2015年のインフレ目標2%達成は困難となるでしょう。その結果、期待インフレ率は上がらず、リフレ政策の効果が上がらないということも考えられます。リフレ政策はインフレ期待に働きかける政策ですから。
このようにしてアベノミクスが失敗すれば、安倍政権の支持率も下がり、安倍総理の地位も危うくなるでしょう。


それを避けたければ、安倍総理は党内の反対を押し切って、消費税増税を延期するか、少なくとも増税幅を1%に押さえるべきだと思います。
安倍総理が財務省の「歳出権」に屈して消費税増税を受け入れるのか、それともそれに逆らって消費税増税を見直すのか、それはアベノミクスや安倍政権の命運を左右することになると思います。安倍総理には、今回の決定がそれだけの重みがあることを、理解してもらいたいと思います。

http://baatarism.hatenablog.com/entry/20130917/1379346963
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