新型コロナに関していま日本が採用しているオプションは「感染の流行速度を遅らせて重篤者を医療リソースの範囲内に収め、日本人の一定割合が感染して免疫を獲得するまで耐え忍ぶ。」だと思っていました。
誰も免疫を持っていないから、一斉に感染して重症者が爆発的に増えるのです。一定割合以上の人が免疫を持っていれば、クラスターが発生しても、免疫保持者によって広がりが抑えられ、既存の医療の範囲内で対応できる「ただの風邪」になりますからね。
じゃあその一定割合の人が免疫を獲得するのはいつ?ってことは、たぶん色々試算している筈ですが、不確定要素も多いので発表できないんでしょう。
そのこと自体を批判するつもりはありません。
ただ理系人間としては、政府が発表しないなら自分で計算してみればいいんじゃないってことで、ちょっと整理してみました。
以下、自己責任でお読みください。
分かっているものについてはその数字を、分からないものは変数を充てます。
まずどのぐらいの人が感染して免疫を獲得すれば、新型コロナウイルスがただの風邪ウイルス扱いになるのか、その割合を「a%」とします。
厚労省の発表によると感染が確認された症状のある人の約80%が軽症、14%が重症、6%が重篤となっています。それに加えて症状のない感染者がいるはずです。a%のうちb%が無症状、それ以外が上記割合で症状が出るとしましょう。
免疫が無効になるまでの期間や再感染の問題はひとまず無視します。
日本の人口は1億2千万ですから、
重篤者数=1億2千万×((a−b)/100 )×( 6/100)
=7.2万×(a−b)
これだけの重篤者数が出れば、沈静化したと言えます。
ちなみに(a−b)は10以下かもしれませんし、50ぐらいかもしれません。素人考えですが私は希望的観測込みで30ぐらいだといいなと思っています。
なお、このうち半数は回復しているということなので、回復しない人は3.6万×(a−b)です。(参考:2016年の肺炎での死亡者数は11万人)
ここで感染症対応の病床数は全国で5000床です。
重篤者がベッドを占有する期間を「cヵ月」、稼働率を「d%」とします。もっと変数が必要な気がしますが計算を簡単にするために全部稼働率に押し込みましょう。
この条件で都合よく重篤者をコントロール出来た場合の終息までの最短期間は計算できます。
終息までの期間=(重篤者数/(0.5万×d/100))×c
=1440×(a−b)×c/d(ヵ月)
これでa〜dに好きな数字を入れて計算してみると・・・どうやっても割と絶望的な数字になります。短くても数年とか・・・
確かに医療崩壊が起きるとかなりヤバイのですが、今のような状況を数年続けるのも厳しいのです。
数十万〜2,3百万ぐらいのオーダーの重篤者に対して、5000床というのは竹やりに思えてしょうがないです。
いざとなったら「こんなこともあろうかと」って病床数を数十万オーダーにすることが出来るんでしょうか。まあそのための特別措置法なんでしょうけど。
やっぱり特別措置法を発令して諸々接収し野戦病院を作っていくっていうのは最悪の状況で、いま目指すべきはピークを遅らせつつ特効薬待ちかもしれません。特効薬を作るのは比較的簡単で臨床試験の期間次第って話も聞きます。
パンデミックってボードゲームで勝利条件が特効薬開発のみになっている意味がちょっと分かった気がします。
衛生兵がいくら頑張っても、特効薬が作れないと詰むんですね。
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