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2020年03月02日14:43

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読み比べ

3月2日(月)雨
夢を見た。
「映像研には手を出すな」の新作。
今、ドラマより何より面白いこのアニメにどっぷりハマっている。
夜中2時半に目が覚めて、思わず笑った。
すぐにスマホにメモしようと思ったが、さすがに面白過ぎたから憶えているだろうとそのまままた寝た。
翌朝、夫に「『映像研』の続きを夢で見た!」と言うと興味津々「どんな話しだった?」
残念ながらすっかり忘れていた。
かえすがえすも悔やまれる。

と、そんなことはどうでも良い。
先々週あたりか、古市憲寿著「百の夜は跳ねて」読了。
高層ビルの窓ガラス清掃会社で働く青年の話。
古市氏の文体はとても読みやすく、読後感もいいし、「今」を切り取ってる感もあって、前作の「平成くんさようなら」も面白く読んだし、三作目の「奈落」も予約している。
で、この「百の夜は跳ねて」も面白かった。
この中に老婆が出てくるのだが、ワタクシも年取ったら、こういう老婆になりたいと思うくらい、オシャレで気高くて強くて認知症の片鱗すら愛おしい。
登場人物の描き方が魅力的だと思う。

で、今度は参考文献となっている木村友祐著「天空の絵描きたち」を読む。
芥川賞選考の際、選者達の古市氏への酷評がそりゃそりゃ恐ろしいくらいだった。
一体、古市氏は何をしでかしたのか。
パクリと言われてもしょうがないものなのか。
その当時はまだ書籍化されていなかったこともあり、酷評に磨きがかかっていた。
(吉田修一氏『ぜひ読み比べてほしいのだが、あいにく『天空の…』の方は書籍化さえされておらず入手困難であり、まさにこの辺りに本作が持っているいやらしさがあるように思う。』)

今は、木村友祐著「幼な子の聖戦」の中に「天空の絵描きたち」も収録されている。
読み始めてすぐに、「う〜む。これは・・・」という気分になる。
こちらの主人公は若い女の子であるが、高層ビルの窓ガラス清掃の会社に転職したところから話は始まる。
読み終わって、二つの話を振り返る。
話の筋は全く違う。
強いていえば、「百の夜〜」が「天空の〜」の続編だったらしっくりくる気はする。
よくテレビやら映画で、設定だけが同じで、原作とは全く違うものになってる時がある、あれにも似ている。
あれって、原作ではこうだけど、オレならこうする、とか、オレの方がもっと面白くできる、という観点からの変更なのだろうか。
古市氏はテレビの世界でのこういう感じに慣れてしまったのか。
テレビ界では許されてるものね〜
一つ番組が当たれば同じようなものが次々と出てくる。
路線バスがらみのやつって「あれ?この人達が出てたっけ?いや、あれは違う番組か?」と、もはや番組名すらおぼつかない。
今は、何を見ても東大生が溢れてるし。

話が逸れました。
一番ワタクシの中で「これはやはりまづいだろ」と思ったのが「かっぱぐ」という言葉。
これは、ガラス清掃の人たちにとっては当たり前に使う言葉かもしれないが、一般人には馴染みの無い言葉だと思う。
もちろん「天空の〜」でも「かっぱいでいる」
そして、「百の夜〜」でも「かっぱいでいる」
丁寧に「かっぱぐ」の説明をしてくれていたのは「百の夜〜」の方だったか。
その言葉を見れば見るほど、古市氏の作品のパクリ感が色濃く思えて残念だった。
古市氏はこれらの酷評に対して、『創作は何もないところから立ち上がるのではなく、過去のさまざまな文化に影響を受けて立ち上がるもの』と言い、
三作目の「奈落」を、その議論に対する返信だと言っている。
読むのが楽しみだ。

今日の一枚は、馬酔木。
♪馬酔木の森の馬酔い木に〜たずねたずねた帰り道♪
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