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2020年02月04日17:10

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うつ病

「うつ病九段」     先崎学

これは闘病記だけど、文学としても優れた作品だと思います。

フォト

著者は勿論、頭脳明晰な現役の将棋九段。
が。突然、うつ病を発症。

”うつ病の朝の辛さは筆舌に尽くしがたい。
あなたが考えている最高にどんよりした気分の10倍と思っていいだろ。
まずベッドから起き上がるのに最短でも10分はかかる。

ひどい時には30分その間身体全体が重くだるく頭の中は真っ暗である。 
仕方がないのでソファーに横になるがもう眠ることはできない。
ただじっと横になっているだけである。

頭の中には人間が考える最も暗いことそう のイメージが駆け巡る。
私の場合高いとこから飛び降りると言うとか電車に飛び込むなどの
イメージがよく浮かんだ。

つまるところ、うつ病とは死にたがる病気であるという、
まさにそのとおりであった。”


”本物のうつ病の症状を当事者として一言で言うと、無反応だ。
喜びにも悲しみにも反応がなくなってしまう。”

この状態から、著者は如何にして回復したのか。
この道程の記述は感動的である。

比較的早期に回復したのは、
彼の実兄が精神科医であったことで、病気の初期に慶応病院
で適切な治療を受けられたこと。

それと
自由業であったこと。
周囲の適切なサポートがあったこと。

つくづく彼はラッキーだったと思います

この本をベストセラーにしたのは、彼の文才
本業の棋士業のほか、観戦記、雑誌のコラムニストで、
文章もプロ。

周囲にうつ病の知人がいる方も、そうでない方にもお薦めです。

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