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2020年01月31日16:16

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全球凍結の原因<当時の海にはたくさんのメタン菌が暮らしており、大量のメタンを発生させていた。また、火山からも大量のメタンが大気に供給されていた。そこに、酸素非発生型光合成細菌同士の間で>>

>偶然遺伝子の組み換えが起こり、酸素を発生する光合成細菌、シアノバクテリア(右図)が出現した。シアノバクテリアが放出する酸素はやがて大気に蓄積されて、メタンと反応する。結果的にメタンによる温室効果が失われるため、地球の気温は急激に低下し、氷床が発達して全球凍結状態に陥った>とするのは、わかりやすいが、もっと複雑のようで、≪


全球凍結


070400210 医学部医学科 加納麻弓子

はじめに

私は今まで地球が太陽系のどの惑星に比べても生命にとって最適な環境であり、このような安定した環境が過去から続き、また未来も変わらないものだと思っていた。しかし、長い地球の歴史を見てみると、地球環境は必ずしも常に生命の生存に適していたわけではなかったことがわかる。最近になって、地球はかつてその表面が完全に凍りつくような極端な寒冷化を何度も経験してきたのではないか、と考えられるようになってきた。これが「全球凍結」「スノーボールアース」仮説である。北極や南極だけでなく、赤道にも及ぶ地球表面全体が氷に覆われるなどという状態は私たちにとって想像を絶することである。それは私たちの祖先にあたる太古の生命に壊滅的な打撃を与えたのではないだろうか。どうやって生命はこの過酷な環境を生き延びたのだろうか。今回のレポートでは、全球凍結の発生機構やその終焉の理由、さらに生物の生存を可能にした理由などについてどのような説が提唱されているのか調べてみたいと思う。



◇原生代と呼ばれる時代には,ヒューロニアン氷河期(約24-22億年前),スターチアン氷河期(約7億6千万年〜7億年前),マリノアン(またはヴァランガー)氷河期(約6億2千万年前〜5億5千万年前)などの氷河期が存在したことが以前から知られていた。そして最新の研究によって、これらの氷河期には当時の赤道域にまで氷床が及んでいたという事実が明らかになり、この時期地球は全球凍結の状態にあったらしいことがわかってきた。



全球凍結現象とは

スノーボール仮説(イメージ) 全球が凍結してしまった地球とはどのような状態なのか。スーパーコンピューターを使って、全球凍結下の地球の気象(気温、降水量など)をシミュレーションによって再現できるという。まず気温について。現代の地球の平均気温は15℃である。しかし全球凍結の時、北極や南極ではマイナス90℃、赤道付近でもマイナス50℃ほどしかなかった。赤道直下までが凍りついたのである。白い氷は太陽から届くエネルギーの60%あまりをそのまま反射してしまうため、地表に熱が供給されず、気温が上がらないのだ。次に降水量について。全球凍結では雨や雪がほとんど降らないことがわかっている。海面が氷に覆われているために水蒸気の蒸発がほとんど起きず、雲がほとんどできないためだ。最後に氷の厚さについてだが、全球凍結の時はあらゆる大陸の上に熱さ3000m級の氷が載った。さらにすべての海が、なんと深さ1000mまで凍ってしまうという計算結果が出ている。

しかもこのような全球凍結状態は、一時的なものではなかった。数百万年から数千万年もの間続いたのだ。




全球凍結の証拠

◇古地磁気測定

古地磁気測定とは一体どのようなものなのであろうか。地球はそれ自体が巨大な磁石である。液体の鉄が地球の中心核内部で対流することによって、地球磁場は形成されている。ある種の鉱物は地球磁場の影響を受けるという性質を持っている。このような磁性鉱物は堆積物中で生成されたり、別の場所で生成されて海底に堆積したりすると、堆積時の地球磁場と同じ方向に向くという性質を持つ。例えば、磁性鉱物が赤道で形成されると磁場の方向は水平となり、極で形成されると垂直になる。古地磁気学者たちは高感度磁力計を用いて岩石中に含まれる磁性鉱物の磁場の向きを測定し、岩石が形成された当時の古緯度を決定するのである。

カリフォルニア工科大学のジョセフ・カーシュビンク博士はこの古地磁気測定を用いて、南アフリカにある22億年前の氷河期の地層がその当時、赤道にかなり近い(緯度11度)ことを発見した。赤道付近の地域が凍りついていたという証拠が見つかったということは、地球がすべて凍結したこと、すなわち全球凍結があったことを意味している。



◇ポール・ホフマン博士の論文

ハーバード大学の地質学教授であるポール・ホフマン博士は全球凍結の証拠となるものをいくつも発見し、1998年5月、アメリカ地質学会の学術誌「GSA TODAY」にその報告を掲載し、大きな注目を集めた。ホフマン博士が見つけた証拠の内容は次のようである。

⑴ナミビアの迷子石

氷河は一年間で数メートルというゆっくりとしたスピードで内陸から海岸方向へと動いている。その動きによって山などから岩が削りとられ、長い距離を運ばれる。やがて氷河が溶けるとその岩は海の中に落ち、長い年月が経過すると地層の中に埋め込まれる形となる。これが迷子石と呼ばれる岩だ。迷子石の存在によってその地層が氷河期のものだとわかる。ホフマン博士は南アフリカにあるナミビアにおいて、全球凍結があったとされる8億〜6億年前頃の地層から巨大な迷子石を発見した。全球凍結の証拠とされる迷子石の多くは直径10〜30cmくらいである。それに対して、博士の発見したものは直径1mほどもあったのだ。



⑵氷河期における生物生産活動の停止の証拠

自然界に存在する物質に含まれる炭素同位体比は少しずつ異なっている。とくに無機的につくられた(火山活動など)物質と生物が関与してつくられた有機物で炭素同位体比が系統的に異なっており、炭素同位体比から生物活動によってつくられたものと無機的につくられたものを区別できるのである。

ホフマン博士らは、ナミビア北部のオタビ地域に見られるスターチアン氷河期の堆積物を詳しく調査した結果、炭素同位体比の異常な挙動を発見した。氷河期の前にいったん生物生産性の炭素の埋没率が上昇したものの、氷河期直前からそれが低下しはじめ、さらに炭素同位体比がマントル起源炭素(火成活動によって海洋へ流入した炭素)の持つ値に漸近し、氷河期終了後もしばらく低い値のまま回復しなかったことが明らかになったのだ。これは、氷河期には全地球規模で海洋の生物活動がほぼ完全に停止したことを示唆する。



⑶キャップカーボネート

 ホフマン博士が調査した岩山の一つに全球凍結の証拠といえる地層が発見された。氷河期を示す地層の上に、厚さ50メートルもの分厚い炭酸カルシウムの地層が載っていたのだ。これは何を意味するのか。炭酸カルシウムはカルシウムと二酸化炭素が反応してできた物質だ。

全球凍結の期間中、大気中にたまりにたまった二酸化炭素が、全球凍結が終わり、海面を覆っていた氷が溶けたときに一気に海中のカルシウムと反応したものだとホフマン博士は考えている。


全球凍結の原因

全球が凍りつく原因はなんだろう。

現在の地球環境が温暖に保たれているのに重要な役割を果たしているのが、実は二酸化炭素である。太陽からの距離だけを考慮すると、地球の平均気温はおよそマイナス20℃と計算される。二酸化炭素などの温室効果ガスのおかげで地球は暖かいのである。そしてこの二酸化炭素は長期的にみれば火山活動によって安定に供給されている。(前ページの図は地球規模の炭素循環の概念図)

では、もし火山活動が著しく衰えたら、どうなるか。地球は寒冷化し、氷床が発達していくだろう。先ほど述べたように、白い氷は太陽から届く光の大部分を反射する。その結果、地球はいっそう寒冷化し、さらに氷床が発達する。つまり、地球の寒冷化に歯止めがかからなくなるのだ。こうなると、地球は暴走的に寒冷化し、全球凍結状態に陥ることになる可能性は十分ある。しかし実際に、火山活動の衰えがおきたのかどうかは現在まだわかっていない。

 一方で、約24-22億年前の全球凍結は1ミリにも満たない小さな生物によって引き起こされたという説もある。それはこの頃の地球環境が二酸化炭素の温室効果だけに依存していたわけではなかったとみる考え方である。以下この説について述べることにする。

約24-22億年前の全球凍結が起きる前の地球の大気にはまだ酸素はほとんど含まれていなかった。代わりに、強力な温室効果を発揮するメタンが大量に存在していた。メタンには二酸化炭素の20倍もの温室効果作用があるとされている。当時の海にはたくさんのメタン菌が暮らしており、大量のメタンを発生させていた。また、火山からも大量のメタンが大気に供給されていた。そこに、酸素非発生型光合成細菌同士の間で偶然遺伝子の組み換えが起こり、酸素を発生する光合成細菌、シアノバクテリア(右図)が出現した。シアノバクテリアが放出する酸素はやがて大気に蓄積されて、メタンと反応する。結果的にメタンによる温室効果が失われるため、地球の気温は急激に低下し、氷床が発達して全球凍結状態に陥ったのである。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
http://dyna.geo.kyushu-u.ac.jp/~yoshida/japanese/lecture/rikei-kyoyo/reports2004/kano.htm


◎「全球凍結」のインパクト

第29話で紹介したように、25億年までには生まれたと考えられる酸素発生型光合成を行なうシアノバクテリアは、地球環境に大きな影響を及ぼした。酸素の増加と二酸化炭素の減少である。温室効果ガスである二酸化炭素の減少は、22億2000万年前の最初の「全球凍結(スノーボールアース)」をもたらしたと考えられる。この時代は「マクガニン氷期」と呼ばれる。
太陽からの日射は地球の表面を暖めるが、暖められた地表は赤外線を熱輻射して宇宙空間に放射する。このようにして、太陽から入射するエネルギー量と地球から放射されるエネルギー量が釣り合って、地表の温度が決まる。ところが、大気中に二酸化炭素などの温室効果ガスがあると、赤外線が吸収されてしまいその分のエネルギーが宇宙に放射されずに地球上に蓄積されることになる。現在問題になっている地球温暖化はこのようなしくみで起っていると考えられる。
一方、およそ22億年前はそれとは逆に温室効果ガスが少なくなった分、地球は寒冷化した。二酸化炭素とならんでメタンも重要な温室効果ガスだが、シアノバクテリアが光合成で放出する酸素が増えた結果、急速に酸化されて温室効果が少なくなった。
さらにこの頃のまだ若かった太陽は、現在とくらべると23%ほど暗かったという。このような要因が重なって、地球では赤道近くの海も凍ってしまったと考えられている。
陸地は厚さ数千メートルの氷河に覆われ、海も厚さ1000メートルの氷で閉ざされた。平均気温がマイナス40℃の時代が数百万年間続いたという。全球凍結のあいだ、現生生物の共通祖先は、凍らない深い海の底で細々と命をつないだ。海の表面が氷で覆われたため、太陽光が入ってこなくなり、多くの生物が致命的な打撃を受けた。
スノーボールアース(全球凍結)という名前は、アメリカ・カリフォルニア工科大学のジョゼフ・カーシュヴィンクによってつけられた。これは、1992年に出版された1348ページにもおよぶ「原生代の生物圏」という論文集のなかのわずか2ページの彼の論文のなかで述べられている。カーシュヴィンクは原生代に起ったと思われる複数回の全球凍結が、生物の急速な進化を可能にする環境を作ったのではないかという議論を展開している。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
https://kagakubar.com/evolution/36.html


スノーボールアースの前提[編集]

地表温度を決める要因[編集]

地表は、主に昼に太陽光線が当たって温められる一方で、宇宙空間へ熱エネルギーを放射して冷える。地球の表面温度はこの太陽から受け取るエネルギーと宇宙空間へ放散されてゆくエネルギーのバランスで決まる。
太陽光の強さまずエネルギー源である太陽の明るさについて、太陽の進化モデルによると太陽の明るさは、太陽系が生まれた46億年前には現在の約70%しかなく、その後徐々に明るさを増してきている。太陽は現在でも約1億年で1%の割合で明るさを増し続けている[9]。即ち地球の歴史をさかのぼるほど、現在よりも太陽から受けるエネルギーが少なかった。ただし、地球の気温は太陽の明るさだけで単純に決まることはなく、昔ほど気温が低かったのではない。太陽からのエネルギーが少なかった約38億年前においても地球上には液体の海が存在していた証拠があり、現在の地球大気の条件では太陽光が現状の90%に弱まると地球表面は凍結すると予想されていることと考え合わせると、温室効果など他の要因も地球環境に大きな影響を持っていることがわかる[10]。温室効果メタンや二酸化炭素などのガスは、地球表面から宇宙へ放射される熱エネルギー量を減らし、結果として気温を上げる働きをする。これらを温室効果ガスと呼び、現在進行中の地球温暖化問題の原因として注目されている。現在の二酸化炭素濃度は0.04%(400ppm)程度[11]で、それによる温室効果は33℃と考えられる。即ち現在の地表平均気温15℃に対し温室効果が全くない時の予想気温(有効温度)は−18℃とされている[12]。地球誕生時には大気中に二酸化炭素が大量に(0.1気圧ないし10気圧相当)存在したとされており、また二酸化炭素より温室効果の高いメタンガスもヒューロニアン氷河時代以前の約30億年前の大気にはかなり存在していたと考えられている。初期の地球大気に存在していた大量の二酸化炭素は、のちに石灰岩や苦灰石などの炭酸塩岩として大量に地殻に固定されて減少し、また一部は石炭や石油などの化石燃料として大気から除かれてきた。炭酸塩岩や化石燃料に固定されている炭素をすべて解放すると90気圧に相当するが、この量は現在の金星の大気「二酸化炭素主体の90気圧」に匹敵する[13]。氷床のアルベド白い氷床は太陽光の反射率(アルベド)が非常に高く、入射した太陽光のエネルギーがそのまま宇宙空間へ流出する。その結果、地表の一定以上の範囲が氷に覆われると寒冷化は急激に加速する。逆の場合も成立し、氷床が減ってゆくと相乗的に気温が上昇する(いずれも正のフィードバック)。
スノーボールアースの開始と終了の原因について、温室効果ガスの面からの検証がなされた。

温室効果ガスが変化する要因[編集]

初期の地球大気に含まれていたメタンは、シアノバクテリアの光合成による酸素が大気中に蓄積され始めた約25億年前ころに、酸化されて空気中から無くなった[14]。

上記のように二酸化炭素は現在の大気中に存在する量(0.04%)の30万倍(90気圧相当)が地殻や地表に固定されているが、地質学的尺度でみると、長い時間をかけてプレートテクトニクスによって説明される大きな循環系を形成しており、大気中の二酸化炭素の量は1千万年以上の長い周期で増減している。
二酸化炭素は火山ガスにより大気中に供給される。
大気中の二酸化炭素は海に吸収され、そこでカルシウムやマグネシウムなどのイオンと結合して方解石(CaCO3)や苦灰石(CaMg(CO3)2)などの炭酸塩鉱物(カーボネート)を生成し、海底に堆積する。海水への金属イオンの供給は大陸の岩石の風化による。
生物の光合成によって二酸化炭素が有機物として固定化される。有機物は生物の死後腐敗作用によって再度二酸化炭素に戻るが、海底に埋まった死骸などは固定化する。
海底に堆積した炭酸塩鉱物や生物死骸は、プレートの移動によって数千万年後に海溝から地下へ沈み込む。
沈み込んだ炭酸塩鉱物や生物死骸は地下の高熱で分解して二酸化炭素に変化し、海溝近くの火山から火山ガスとして大気中に放出される。

これはほぼ数千万年を単位とするサイクルであるが、この循環系に大陸の要因が追加される。
プレートの沈み込み帯での火山活動によって陸地が形成される。陸上に露出した岩石は海中にあるときに比べて風化の影響を強く受け、その結果海洋へより多くの金属イオンを供給する。大きな大陸が形成された場合は風化される岩石量が増えて金属イオンの供給が増え、結果的に二酸化炭素の固定化が促進される。大陸が赤道付近にある場合も高温による風化の促進で、二酸化炭素の固定が促進される。
海底に堆積した炭酸塩鉱物や生物死骸が付加体となって大陸に固定化されると、風化によって溶解されるまで約数億年間かかる。即ち上記の海低堆積岩に比べて非常に長い間二酸化炭素が固定されることになる。

(上記の循環プロセスは、参考資料『凍った地球』 p68-p74 より)

大陸の存在[編集]

誕生以来、地球の表面の大半は海に覆われ、長い間は大きな陸地が無かったとされている。ところが約27億年前に大規模な火山活動があり大陸が急激に成長した[15]。この大陸が大量に供給した金属イオンによって二酸化炭素が炭酸塩鉱物として固定される様になり、大気中の濃度が大幅に低下し[16]、温室効果が低下した地表は寒冷化して原生代初期のスノーボールアースが始まった。

また原生代後期のスノーボールアースにおいては、当時地表の陸地のほとんどが赤道近くに集まり超大陸ロディニアを形成し、そのころ陸地面積が大幅に増えたことが示唆されている。この結果岩石の侵食は増加し、イオン化したカルシウムやマグネシウムを大量に海へ供給した。

さらにロディニアが赤道付近に位置していたことにより、地球が寒冷化しやすい状態にあったという説もある。エネルギー収支の面から言えば、陸地は海よりも熱の反射率が高く、赤道近くに陸地が多いほど太陽エネルギー吸収の効率を下げる。また、化学的面からいえば、高緯度に陸地があった場合、それが氷に覆われると岩石の侵食が抑制され、金属イオンの海への供給が減少し、結果、炭酸塩鉱物として固定される二酸化炭素が減少して大気中の二酸化炭素が増加して寒冷化の進行を抑える。

スノーボールアースの推移(仮説)[編集]



ファイル:SIM neoproto.ogv
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NASAによる全球凍結に至る過程のシミュレーション1.大量の二酸化炭素が地殻に固定され、大気中の二酸化炭素量が低下した。
2.温室効果の減少により地球全体の寒冷化が始まり、極地から次第に氷床が発達していった。氷床が太陽光を反射したため一層の寒冷化を招いた。
3.一度加速した寒冷化は止まらず、最終的に厚さ約1000mにも及ぶ氷床が全地球を覆い、スノーボールアースに至った。この状態は数億年〜数千万年続いたとみられる。
4.凍結しなかった深海底や火山周辺の地熱地帯では、わずかながら生命活動が維持されていた。凍結中も火山活動による二酸化炭素の供給は続けられており、大気中の二酸化炭素濃度が高まっていった。地表が凍結している間は岩石の風化も凍結状態だった。
5.大気中の二酸化炭素濃度が一定比率に達すると気温が上昇し、一気に氷床の解凍が始まった。短く見積もった場合には数百年単位で極地以外の氷床が消滅して、気温は約40℃まで上昇したと推定されている。温暖化した気候の影響により大規模な嵐や台風が頻発するようになり、岩石の風化が促進され、大量の金属イオンが海に供給された。また長年堆積していた海の沈殿物が嵐により撹拌され、沈殿物が海の表層部に舞い上がった。
6.大気中の高濃度の二酸化炭素は海中に溶け込み、一部は上記金属イオンと結合して大量の炭酸塩岩を海底に沈殿させた。
7.海の表層部に舞い上がった大量の沈殿物や陸地から供給される栄養塩類が光合成単細胞生物に利用され、光合成を激しく促した。またスノーボールアース以前の光合成生物の酸素放出速度より遥かに速いスピードで酸素が放出されたため、大量の酸素が地球に蓄積していった。
8.スノーボールアース中に極低温により大量絶滅が起こっていた。スノーボールアースの終了後、生き残った生物の適応拡散が起こった。原生代初期のスノーボールアースでは、酸素呼吸をおこなう真核生物の繁栄がはじまった。原生代後期では一部の生物が海中の高濃度の酸素を利用し、細胞接着物質であるコラーゲンを産生することに成功。単細胞間の接合が促進され、多細胞生物が出現するようになった。

原生代後期のスノーボールアースが始まる前(10億年前)の生物界は単細胞生物が主体で、多細胞生物は小形の菌類などがようやく出現し始めた段階であった。しかしスノーボールアースが終了した原生代末のエディアカラ紀(6.2〜5.5億年前)には、エディアカラ生物群と呼ばれる大形生物が出現している。大きなものでは長さ1mを超える生物化石がオーストラリア南部のエディアカラ丘陵から産出した。この突然の大形生物出現とスノーボールアースの関係について検討が行われている。なお生物の進化は加速し、その次のカンブリア紀にはバージェス頁岩化石に代表される多様な生物群が生まれた(カンブリア爆発)。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B9
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