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2020年01月15日23:59

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魔法少女の系譜、その111

 今回の日記は、断続的に連載している『魔法少女の系譜』シリーズの一つです。前回までのシリーズを読んでいないと、話が通じません。

 前回までのシリーズを読んでいない方や、読んだけれど忘れてしまった方は、以下のシリーズ目録から、先にお読み下さい。

魔法少女の系譜、シリーズ目録その1(2014年01月22日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=25849368&id=1920320548
魔法少女の系譜、シリーズ目録その2(2018年12月24日)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1969682470&owner_id=25849368

 今回も、前回に続き、『ザ・カゲスター』を取り上げます。
 八つの視点で、『ザ・カゲスター』を分析します。

[1]魔法少女の魔力は、何に由来しているか?
[2]大人になった魔法少女は、どうなるのか?
[3]魔法少女は、いつから、なぜ、どのように、「変身」を始めたのか?
[4]魔法少女は、「魔法の道具」を持っているか? 持っているなら、それは、どのような物か?
[5]魔法少女は、マスコットを連れているか? 連れているなら、それは、どのような生き物か?
[6]魔法少女は、呪文を唱えるか? 唱えるなら、どんな時に唱えるか?
[7]魔法少女の魔法は、秘密にされているか否か? それに伴い、視点が内在的か、外在的か?
[8]魔法少女は、作品中に、何人、登場するか?

の、八つの視点ですね。

[1]魔法少女の魔力は、何に由来しているか?

 影夫と鈴子がカゲスターとベルスターになった原因は、「高圧電線に触れた」という事故ですね。
 これは、これまでの魔法少女になかったパターンです。生まれつき型でも、魔法道具型でも、修業型でも、人工型でも、転生型でも、憑依型でもなく、偶然の事故です。事故型と名付けましょう。

 人間本体ではなくて、「影」が変身ヒーロー/ヒロインになるという設定ともども、独創的ですね。この点でも、『ザ・カゲスター』は、冒険的な試みをしています。評価していい点ですよね(^^)


[2]大人になった魔法少女は、どうなるのか?

 ベルスターは、最初から、成人女性です。このため、厳密な意味では、魔法「少女」とは言えません。
 最初から成人女性なので、未熟ゆえの暴走などがなく、わりと安心して見ていられます。
 ベルスターに関しては、「こんなに幼いうちから、超人的な能力を手に入れてしまって、成人後はどうなるのか?」という心配は、ありません。


[3]魔法少女は、いつから、なぜ、どのように、「変身」を始めたのか?

 鈴子がベルスターになったのは、前述のとおり、高圧電線に触れるという事故の直後ですね。悪を憎む鈴子の心が、彼女の影に宿ったと説明されています。

 「影に、心や魂が宿る」という思想は、前回に書きましたとおり、伝統的な口承文芸から引き継がれたものです。全体的には、独創的かつ現代的な『ザ・カゲスター』ですが、この部分だけ、古い思想を取り入れています。これが、良いアクセントになっています(^^)

 人間本体ではなく、影が変身して超人になるという変身方法は、斬新でした。視覚的効果も、面白かったです。
 二〇二〇年現在でも、これに類する変身ヒーロー/ヒロインは、ほとんどいませんね。この部分を使って、現代風にリメイクしたら、より面白い作品ができそうです。


[4]魔法少女は、「魔法の道具」を持っているか? 持っているなら、それは、どのような物か?

 ここまで、書きませんでしたが、カゲスターとベルスターは、たくさんの「魔法道具」を持ちます。
 例えば、カゲスターもベルスターも、星模様のマントを付けていて、このマントの星を武器にすることができます。スターシュートという名で、手裏剣のように投げて使います。
 他に、フラッシャーという銃や、カゲロープという縄など、いくつもの武器を持ちます。
 乗り物もあります。カゲスターはカゲローカー、ベルスターはベルカーというバイクに乗ります。カゲボーシーという名の飛行母艦まであります。

 また、鈴子は、普段から、鈴の付いたブレスレットをしています。危険を察知すると、この鈴が鳴ります。その音は、鈴子にしか聞こえません。この鈴は、鳴るだけでなく、事件の情報まで教えてくれます。とても便利な魔法道具です。
 この鈴のおかげで、事件を知るのは、影夫より、たいてい鈴子が先です。この点でも、鈴子が影夫に先行しており、ベルスターが、お飾りの変身ヒロインでないことが、明らかです。

 多彩な魔法道具と、格好良いアクションのために、『ザ・カゲスター』は、戦闘シーンが楽しい作品でした(^^)


[5]魔法少女は、マスコットを連れているか? 連れているなら、それは、どのような生き物か?

 マスコットに当たる存在は、います。カゲロベェというものです。
 カゲロベェは、カゲスターとベルスターの影です。影夫と鈴子の影であるカゲスターとベルスターですが、さらに彼らにも影があって、その影を自在に操ることができます。

 カゲロベェには意思があって、会話をすることができます。お飾りのマスコットではなく、戦闘において本当に役に立つので、マスコットというよりは、子分ですね。


[6]魔法少女は、呪文を唱えるか? 唱えるなら、どんな時に唱えるか?

 変身ヒーロー/ヒロインのお約束として、呪文ではなく、「技名を叫ぶ」感じですね。変身する時に、影夫も鈴子も、「影よ、行け!」と叫びます。

[7]魔法少女の魔法は、秘密にされているか否か? それに伴い、視点が内在的か、外在的か?

 カゲスターとベルスターの正体は、秘密です。これも、変身ヒーロー/ヒロインのお約束ですね。

[8]魔法少女は、作品中に、何人、登場するか?

 女性で変身するのは、鈴子だけなので、一人です。


 今回は、ここまでとします。
 次回も、『ザ・カゲスター』を取り上げる予定です。

2020年02月16日追記:
 この日記の続きを書きました。
 よろしければ、以下の日記もお読み下さい。

魔法少女の系譜、その112(2020年02月16日)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1974687191&owner_id=25849368

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